会社概要

1つの企業、3つの事業部門、多様な市場

ローデ・シュワルツの概要

ローデ・シュワルツは、安全につながり合った世界を追求するグローバルテクノロジーグループです。電子計測、テクノロジーシステム、ネットワーク／サイバーセキュリティーの3つの事業部門を擁し、次代を拓くイノベーションの創出に日々取り組んでいます。ローデ・シュワルツの最先端の製品とソリューションは、産業界、規制機関、軍事分野のお客様の技術的主権とデジタル主権の獲得に貢献します。

ローデ・シュワルツは、創業当初からイノベーションを重視してきました。創業者のDr. Lothar RohdeとDr. Hermann Schwarzは、テクノロジー分野のパイオニアでした。2人は大学時代の同士で、実践的な企業家精神をもってRFエンジニアリングという未踏の分野に踏み込みました。90年後の今も、ローデ・シュワルツは、人工知能（AI）、6G、クラウド、量子テクノロジーといった最先端テクノロジーの体現者としてテクノロジーの限界に挑み続けています。

ローデ・シュワルツは非公開企業であり、その安定性とレジリエンスの高さはよく知られています。企業家としてのアイデンティティの核をなすのは独立精神であり、事業の成長と拡大に向けた資金を独自に調達しています。四半期決算に縛られる必要がないため、長期的な観点からの持続的な計画策定が可能です。こうした高い付加価値を持つローデ・シュワルツは、お客様にとって信頼に値する重要なパートナーです。

取締役会の構成メンバーは、Christian Leicher（社長兼CEO）、Peter Riedel（社長兼COO）、Andreas Pauly（社長兼CTO）です。2023年6月30日現在、ローデ・シュワルツは世界中に約13,800人の従業員を擁しています。このうち約8,700人がドイツ国内で勤務しています。グループは、2022/2023会計年度（2022年7月～2023年6月）に27億8,000万ユーロの純収益を達成しました。

ドイツを本拠地とするグローバルプレイヤー

ローデ・シュワルツは、広範な販売／サービスネットワークを擁し、主に子会社を通じて世界の約70か国で事業を展開しています。本社はドイツのミュンヘンにあります。また、アジアおよび米国での事業活動を管轄するために、シンガポールとメリーランド州コロンビアに地域拠点を設けています。

高い品質基準、柔軟性、信頼性を維持するため、ローデ・シュワルツはバリューチェーンの大部分を社内でカバーしています。製品の大部分は、ドイツ国内で開発しています。それに加えて、シンガポールのアジア拠点では、固有のリソースを活用して、世界市場向け製品の開発、製造、マーケティングに取り組んでいます。さらに、ヨーロッパのいくつかの国、米国、アジア、アフリカにも研究開発拠点を構えています。

ローデ・シュワルツは、研究開発拠点と製造拠点の近さを常に大きな利点とみなしてきました。ドイツのメミンゲンとタイスナッハ、およびドイツ国境に近いチェコのビンペルクにある工場で、製品の大半が製造されています。シンガポールとマレーシアには小規模な工場を擁し、アジア本社の研究開発部門と緊密に連携して製造を行っています。

また、ドイツとヨーロッパには多くの子会社が存在し、それぞれの製品と専門知識をもって、さまざまな市場セグメントでグループのソリューションポートフォリオを理想的な形で補っています。

従業員は最も貴重な資産

ローデ・シュワルツの従業員は高い専門知識と技能、強い意欲を有し、すべての市場でテクノロジーリーダーとしての地位を確立しています。そのため、ローデ・シュワルツは常に人材を重視しています。意思決定の自由と各自の責任、互いへの尊重と感謝がローデ・シュワルツの企業文化です。こうした職場環境により、従業員はテクノロジーに情熱を傾け、自らのアイデアを市場へ送り出すために革新的なソリューションへと具現化することができます。"FOCUS TOP National Employer"などの賞で常に評価されていることは、従業員の満足感と求人市場での魅力を物語っています。

すべての従業員の能力開発と並行して、ローデ・シュワルツがもう1つ重視しているのが、若い才能を早期に見つけ出し、責任ある専門職や管理職へと育成することです。国籍、性別、組織の境界は重視されておらず、本社と海外の子会社との間の人事異動も普通に行われます。

創立以来、ローデ・シュワルツが実施してきた若者対象の職業訓練の受講者は数千人に及びます。エレクトロニクス技術者、ITスペシャリスト、産業管理アシスタントなど、さまざまな専門的職業を対象としたトレーニングを提供しています。また、コンピューターサイエンス、電気工学、産業エンジニアリング／管理といったさまざまな分野の職業訓練／学位取得統合型プログラムも提供しています。シンガポールの技術学校と連携して実施されている"Poly goes UAS"プログラムも、同様の構造を持っています。このプログラムでは、アジア出身の学生たちに、ドイツの応用科学大学（UAS）の学士号の取得と、ローデ・シュワルツをはじめとする「隠れたチャンピオン」と呼ばれる協力企業でのインターンシップの機会を提供しています。Rohde & Schwarz North Americaが実施している卒業生能力開発プログラムでは、大学卒業生に、メンターの指導の下で社内での個人としてのキャリアパスを見つける機会を提供しています。

電子計測器部門

無線市場向け電子計測およびモニタリングソリューション、自動車産業、航空宇宙／防衛市場、産業向けエレクトロニクス分野、研究／教育分野向け電子計測ソリューション

エレクトロニクスは、あらゆる業種で必要とされています。ローデ・シュワルツの電子計測ソリューションは、研究開発、品質保証、製造、保守などのあらゆる場面で幅広く活用されています。ポートフォリオは、あらゆる種類のRF電子計測機器やシステムおよび補完製品を含んでいます。ローデ・シュワルツが重視して取り組んでいるのは、数十年にわたり深く関与してきたモバイル／無線通信市場の要求、付加価値の大部分が車両の電子機能によって決まる自動車業界の要求、そして航空宇宙／防衛業界の電子計測に関する要求への対応です。また、エンターテインメント電子機器やパワーエレクトロニクス、RFコンポーネント、ITおよびネットワーク機器、医療テクノロジーや他のセクターも含め、数多くの事業者がローデ・シュワルツの幅広い製品の恩恵を受けています。

無線

ローデ・シュワルツは、1990年代初頭にデジタルモバイル通信分野に着手して以来、輝かしい実績を打ち立ててきました。同時に、電子計測ソリューションの包括的ポートフォリオで新しい標準を導入してきました。

RF／マイクロ波テストの分野で世界の市場とテクノロジーをリードするローデ・シュワルツは、モバイル通信デバイスの設計から製造までのライフサイクル全体をサポートしています。サポート対象のテクノロジーは、携帯電話規格と携帯電話以外の規格のすべてに及びます。さらに、ローデ・シュワルツは先を見据えています。お客様の現在のニーズを重視しながらも、構想と研究の対象にはすでに6Gが含まれています。初期段階から6G研究に密接に関与し、ヨーロッパ、北米、アジアの6G組織、大学、研究機関で進行中の基礎研究活動を積極的に支援しています。6Gの初期研究を支援するため、パートナー様やお客様と協力し、テストソリューションを積極的に適合させています。

産業、コンポーネント、研究

ローデ・シュワルツの電子計測ソリューションは、コンポーネントメーカー、産業向けエレクトロニクス業界、研究施設、大学の開発期間を短縮し、バリューチェーン全体で設計や科学的研究に関する信頼性の高い解析を提供しています。産業エレクトロニクス業界は、デジタル設計、パワーエレクトロニクス、EMCの課題に日々直面しています。5Gおよびミリ波ソリューションの存在により、現在、高度なRFフロントエンドへの需要は高まっています。また、6G、テラヘルツアプリケーション、量子テクノロジーなどの今後注目されるソリューションは、実用に向けてテストと準備が進められています。ローデ・シュワルツは、幅広い製品群によって、トレーニング用の基本的なテスタから、研究開発ラボ、品質保証、製造施設の高度なテスト測定器まで、すべての性能クラスをカバーしています。

さらに、子会社のZurich Instrumentsを通じて、量子コンピューティング分野の電子計測ソリューションのリーディングサプライヤーとしての地位を確立しています。

オートモーティブ

自動車が単なる輸送手段からセンサと高度なエレクトロニクスを搭載した非常に複雑な移動コミュニケーションプラットフォームへと変貌を遂げ初めて以来、電子計測に対する自動車メーカーのニーズは着実に高まっています。ローデ・シュワルツは、レーダー、コネクティビティ、インフォテインメント、EMCコンプライアンスなど幅広い車載アプリケーションを対象とする高度なテストソリューションを提供し、事実上、車両内のすべての電子部品をカバーしています。チップセットからコンポーネント、システム、車両に至るまで、さらに開発から検証、製造に至るまで、バリューチェーンのすべての段階でお客様をサポートします。また、完全自動運転の早期実現を推進します。

航空宇宙／防衛のテスト

航空宇宙／防衛業界では、イノベーションと画期的なテクノロジーが、成功の重要な要素です。そのためには、すべての電子システムの設計、検証、テストのための最高要件を満たす必要があります。ローデ・シュワルツは、ハイエンド電子計測機器の大手メーカーとして、航空宇宙／防衛業界の厳格な要件を満たします。お客様は、軍事用無線通信、航空交通管制、シグナルインテリジェンスに関するローデ・シュワルツ独自のノウハウを活用することができます。幅広い製品群には、ミリ波レンジに及ぶ信号の生成と分析が可能な電子計測ソリューションが含まれており、研究開発、製造、品質保証、保守などのあらゆる場面で活用できます。航空宇宙／防衛業界では、製品を長期にわたり使用することが一般的ですが、持続可能な製品戦略により、テクノロジーの進歩に後れを取ることはありません。

テクノロジーシステム部門

防衛、セキュリティー、重要インフラ、産業分野のお客様にとって、ローデ・シュワルツは長年にわたり、世界最先端のサプライヤーの一つであると同時に、信頼できるパートナーでもあります。ローデ・シュワルツはその深い専門知識を活用して、現在、そして将来の課題を解決する革新的な製品とソリューションを開発し、世界各国のお客様のデジタル主権の維持に貢献します。ポートフォリオは、コンサルティングからシステムエンジニアリング、実装、アフターサービスまで、プロジェクトのライフサイクル全般をカバーします。

重要インフラおよびネットワーク

現代社会は、重要インフラとネットワークのパフォーマンスに大きく依存しています。航空管制当局はローデ・シュワルツと連携して、安全な航空交通管理を実現しています。ローデ・シュワルツの航空交通管制テクノロジーを搭載したCERTIUM®は、80の国々と世界各地の300を超える空港や航空管制センターで航空交通の円滑な処理を実現しています。規制当局、政府機関、および産業分野の事業者は、ローデ・シュワルツの幅広いモニタリング、解析、および保護ソリューションを利用して、重要インフラとネットワークの信頼性の高い運用を実現しています。

セキュリティー通信

現在の軍事組織は、信頼性が高く、通信傍受および妨害に強い音声およびデータ接続を必要としています。ローデ・シュワルツが設計、実装する軍事通信ネットワークは、軍事組織の全指揮系統と全部門に信頼性の高い接続を提供します。この分野でドイツ国内トップに君臨するローデ・シュワルツの通信システムは、多くの種類の航空機、ヘリコプター、あらゆる規模の艦艇に搭載されています。ローデ・シュワルツは、相互運用可能なクロスプラットフォームのSOVERON®およびNAVICS®システムを提供することで、セキュリティー上重要なアプリケーションに関するお客様のデジタル主権に重要な貢献をしています。

政府

脅威が増大する時代では、行政機関と軍事組織にとって情報の優位性が鍵となります。作戦の成功は、治安目的であれ、平和維持活動であれ、最新状況の認識に大いに左右されます。ローデ・シュワルツは、政府／行政機関による国家安全保障と市民の安全強化に資する、先進的なセキュリティー、監視、およびインテリジェンスソリューションの設計と開発を行っています。ローデ・シュワルツのシステムやソリューションを利用すると、諜報機関、治安当局、警察当局は、総合的な状況認識とすぐに利用可能な調査結果を使って、情報の優位性を確保することができます。

IPネットワーク解析

インターネットトラフィックの急増と、クラウドコンピューティング、IoT、5G、6Gへの移行、暗号化の増大といったテクノロジーの拡大は、ネットワーク接続とセキュリティーにとって大きな課題となっています。これらの課題に対応するには、IPネットワークデータに関する詳細な分析が不可欠です。ローデ・シュワルツの子会社であるipoqueのIPネットワーク解析ソフトウェアは、お客様のネットワークデータを詳細に把握します。その結果、お客様はネットワークデータを最適化して効率的に管理し、最高レベルの接続とセキュリティーを確保することができます。このソフトウェアは、ネットワーク、通信、サイバーセキュリティーソリューションに組み込むことができます。

放送、増幅器、メディア

ローデ・シュワルツは、コンテンツの制作から配信までのバリューチェーン全体でメディア業界をサポートし、放送分野の技術革新を約80年牽引してきました。ローデ・シュワルツの最先端のTV／ラジオ送信機は、全世界のネットワークサービスプロバイダーから信頼されています。例えば、ニューヨークのOne World Trade Center（1ワールドトレードセンター）には、送信パワー106 kWの世界で最も強力な半導体TV送信機が設置されています。ハリウッドの大手映画会社やストリーミングサービスを含む多くの映画スタジオや放送事業者が、ローデ・シュワルツのマスタリングワークステーション、ストレージシステム、プレイアウト、マルチビューイングおよびモニタリングソフトウェアを使用しています。ローデ・シュワルツのソリューションは、最新のテクノロジーとソフトウェアを可能な限り活用しています。

ネットワーク／サイバーセキュリティー部門

信頼性の高い組織の推定によれば、サイバー攻撃、特に知的財産の窃取は、世界経済に毎年数千億ドルの損害を与えています。保護を必要とするのは無形資産だけではありません。公共部門の大量の機密データとともに、民間部門（金融機関や医療システムなど）で生成された個人データも保護が必要です。ローデ・シュワルツは、こうしたデータの送信を対象としたエンドポイントセキュリティーおよび高速ネットワーク暗号化ソリューション、ならびにWAN、LAN、無線LANネットワークを管理する豊富なコンポーネント群によってデジタル通信を保護します。

ネットワーク／セキュリティーソリューション

企業、公共機関、各種組織は、データ転送とビジネスプロセスのデジタル化のために、信頼性の高いセキュアなITネットワーク用ソリューションを必要としています。ローデ・シュワルツの子会社であり、かつ企業／行政機関向けネットワークインフラソリューションにおけるヨーロッパ最先端のメーカーであるLANCOM Systemsは、クロスサイトおよびローカルのセキュアなネットワーキングのために、ネットワークコンポーネントの総合ポートフォリオを提供しています。LANCOM Management Cloudを使用すれば、複数の国にまたがる複雑なトポロジーであっても、簡単かつ効率的に設定、管理することができます。主力分野はサイト接続、ITネットワークセキュリティー、ネットワーク管理です。

認証済み／高性能暗号ソリューション

厳しいセキュリティー要件を持つ政府機関、公的機関、企業や組織は、最高レベルの保護クラスに準拠した認証済みサイバーセキュリティーソリューションを求めています。ローデ・シュワルツは数十年にわたり、防衛その他の公的な用途のために、高度にセキュアな暗号化製品を開発してきました。子会社であるRohde & Schwarz Cybersecurityは、ドイツ連邦情報セキュリティー局と緊密に連携しています。ローデ・シュワルツのソリューションは、国内外の高度なセキュリティー基準を満たしています。

サービス

製品寿命が長いことは、ローデ・シュワルツ製品の基本です。一方で、近年の通信およびセキュリティーテクノロジーのイノベーションの速さを考慮すると、製品を新しいテクノロジーの進歩に定期的に適応させる必要もあります。ローデ・シュワルツは、製品およびシステムのライフサイクルの全段階を通じて包括的なサービスを提供することでお客様をサポートします。

ローデ・シュワルツは、サービス窓口を世界各地に展開し、ご要望に短時間で対応します。提供するサービスは、高品質な校正、保守、修理から、製品のアップデート、リモートサービスに至るまで広範囲に及びます。地域サービスセンター、工場、専門子会社と連携し、システムのお客様に幅広い追加サービスも提供します。追加サービスには、システム統合、アプリケーションサポート、お客様固有のモジュール、デバイス、システム、ソフトウェアの開発のほか、設置と初期操作も含まれます。

ローデ・シュワルツは、製品のライフサイクルを通して、サービスレベル契約に基づくサポートも提供します。サポート分野には、システムサポート、スペアパーツサービス、保守、トレーニング、統合ロジスティクスサポート、陳腐化管理、テクニカルドキュメントがあります。

産業界は、デジタル化の進行に伴う根本的変化に備えるため、果敢な取り組みを進めています。ローデ・シュワルツは、この課題を、専門知識を利用して革新的なサービス製品を開発するチャンスであると考えています。当社のリモートサービスでは、セキュアなインターネットチャネルを通じて製品のリモート保守が実行されます。