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ケーススタディ/Kyrio

O-RAN無線ユニット(O-RU)テストへの対処

Kyrioはローデ・シュワルツとVIAVI Solutionsから最適なO-RANコンフォーマンス電子計測ソリューションをいかにして見つけたか。

新たな挑戦

2022 5G Challengeでホストラボを務めたCableLabsの傘下にあるKyrioは、5Gテストサービスを提供しています。2022 5G Challengeは米国電気通信情報局(NTIA)の電気通信科学研究所(ITS)によって企画され、オープンインタフェースの採用を加速し、コンポーネントとマルチベンダーソリューションの相互運用性を検証することを目的としています。

2022 5G Challengeを成功させるには、出品される機器を厳格にテストする必要がありました。長年にわたりローデ・シュワルツの電子計測機器に親しみ、一体型ソリューションの性能に感銘を受けてきたKyrioは、ローデ・シュワルツとVIAVI Solutionsのオープン無線ユニット(O-RU)コンフォーマンステストソリューションを選択しました。この共同ソリューションは、南北アメリカ初のO-RAN ALLIANCE Open Testing & Integration Center(OTIC)であるKyrioで使用されています。オープン無線アクセスネットワーク(O-RAN)に特化したHybrid Fiber Coax(HFC)、パッシブ光ネットワーク(PON)、Wi-Fi®、モバイルネットワークテクノロジーで専門性を深めるKyrioは、ローデ・シュワルツの高精度ソリューションにすでに精通し、この作業に向けた準備が十分に整っていました。

KyrioはVIAVI Solutionsとの共同ソリューションでローデ・シュワルツの完全一体型測定器を活用し、O-RUコンフォーマンステストソリューションで容易に作業を行うことができました。さらに、すでに所有していたローデ・シュワルツの電子計測器のセットアップを活用して、ハードウェアオプションとソフトウェアオプションを用いてソリューション機能を拡張しました。

ローデ・シュワルツとVIAVI Solutionsによるテストセットアップは世界中で使用されており、O-RUのコンフォーマンスを正しくテストできるソリューションとして実績を重ね、信頼を勝ち取っています。このテストセットアップでは、VIAVI TM500 O-RUテスタ(O-DUエミュレーター)がO-RU無線ユニットの同期と設定を行います。ローデ・シュワルツのフラグシップモデルであるR&S®SMW200A ベクトル信号発生器と、クラス最高のミッドレンジ測定器であるR&S®FSV シグナル・スペクトラム・アナライザがRF信号と波形を生成し、信号を捕捉します。R&S®FSVは、アップリンク経路とダウンリンク経路の両方でI/Qデータを分析します。

テストセットアップ

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Kyrio、エンジニアリングおよびオペレーション担当VP、Jason Lauer氏

Kyrio、エンジニアリングおよびオペレーション担当VP、Jason Lauer氏

»ローデ・シュワルツとは長年の協力関係があるため、最先端の電子計測ソリューションでO-RANテストのニーズに十分に対応できる確信がありました。オープンRANのO-RU RFテストに関するローデ・シュワルツの専門知識と、VIAVIのプロトコル経験を基に、素晴らしい結果をもたらすソリューションをまとめ上げました。«

テストセットアップ全体は、中央のO-RU Test Manager Application(O-RU TMA)によって制御されます。また、このアプリケーションは、主要テストパラメータの合否判定の概要を明確に示します。このソリューションの利点として、自動テストケースの利用が挙げられます。すべてのシステムコンポーネントを単一のグラフィカルユーザーインタフェースで制御できるため、1回のクリックでテストケースを測定できます。さらに、細かくデバッグするために、R&S®VSE ベクトル信号解析ソフトウェアを使用して詳細な測定結果にアクセスすることができます。

CableLabsとKyrioはローデ・シュワルツの測定器をすでに使用していたため、このセットアップに必要なことは、ローデ・シュワルツのシグナル・スペクトラム・アナライザと、VIAVIの測定器に簡単に統合できるO-RANソフトウェアソリューションを入手することだけでした。

信頼と専門知識に基づく協力関係

ローデ・シュワルツとVIAVI Solutionsのような電子計測のスペシャリストと協力することは、Kyrioにとって明確なメリットがありました。同社は、伝導、無線(OTA)双方のRF性能検証を行う無線ユニットテストで何十年にもわたる実績を持つローデ・シュワルツと、プロトコル機能とネットワークインフラのストレステストに関して深い知識を持つVIAVIを信頼していました。

ラボ機能の拡張の必要性を認識したKyrioは、知識豊富な信頼できるパートナーとの協力が必要でした。Kyrioと10年以上にわたり協力関係を持つローデ・シュワルツは、O-RANの電子計測のベストプラクティスに関するインサイトを同社に提供することができました。ローデ・シュワルツはVIAVI Solutionsと連携し、Kyrioの電子計測評価フェーズで適切な測定器を提案することに成功しました。

機器の再利用には、コスト面の利点だけでなく、拡張性の面でもメリットがあります。テストラボのセットアップはO-RANと3GPPの両テストをサポートするため、Kyrioは今後他のテストニーズが発生したときにも、このソリューションを使用できます。放射OTA測定を含む、周波数レンジ1(FR1)から周波数レンジ2(FR2)への移行を見据えた将来性のあるソリューションは、ユーザーにとってメリットがあります。

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