レシーバーの雑音指数の解析

RFシステムのノイズ寄与によって、レシーバーの機能と感度が決まります。雑音指数は、重要なコンポーネントが信号に影響を与える程度を測定するものです。

R&S®ZNA ベクトル・ネットワーク・アナライザは、要求の厳しいノイズ測定アプリケーションをサポートしています。
R&S®ZNA ベクトル・ネットワーク・アナライザは、要求の厳しいノイズ測定アプリケーションをサポートしています。

課題

高度な通信およびレーダーシステムでは、変調方式がますます複雑になっています。使用されている信号帯域幅も拡大しています。この両方は、レーダーアプリケーションでデータスループットを最大化したり、ターゲット検出分解能を向上させたりするための一般的な方法です。S/N比(SNR)は、このようなシステムではさらに困難な課題になります。さらに、使用可能なスペクトラムを検出するために必要な搬送波周波数が高くなると、伝搬損失が高くなり、所定の伝送距離にあるレシーバー入力における信号レベルが低下します。

レシーバーでは、損失を補正して処理のための信号レベルを上げるために低雑音アンプ(LNA)が一般的に使用されます。これらはアクティブコンポーネントなので、必ず信号に何らかのノイズを追加します。そのため、レシーバー構造内のあらゆるコンポーネントによるノイズを、できるだけ低くする必要があります。雑音指数は、コンポーネントが追加するノイズ量を示すもので、LNA、ミキサー、およびダウンコンバーターの主要な特性です。感度の高いレシーバーを設計する際には、各コンポーネントの影響を理解することが重要です。

使用可能な測定器ハードウェア構成とテスト条件を使用して最適な測定セットアップを推奨する"Quickset"雑音指数メニュー
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ローデ・シュワルツのソリューション

さまざまな手法とさまざまな測定機器により、雑音指数を特定することができます。しかし、なぜ、ベンチにあるものを使用するだけではいけないのでしょうか?

低ノイズアンプ(LNA)、コンバーター、または送受信モジュール(TRM)の特性評価は、ベクトル・ネットワーク・アナライザの標準的な役割です。これは、Sパラメータを解析して、フラットネスや利得圧縮などの指数を導出します。ベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)ではテストコストを削減できるだけでなく、1回のコンタクトですべての特性評価が可能です。これは、ウエハーレベルを検証する際に非常に重要です。

ハイエンドのR&S®ZNA ベクトル・ネットワーク・アナライザは、校正と測定のガイドを備えた、完全一体型の雑音指数テストソリューションです。R&S®ZNAは、ノイズソースを使用するのではなく、非常に正確なパワーレベル校正に基づいて絶対ノイズパワーを直接測定することができます。これにより、整然としたテストセットアップを維持でき、必要なハードウェアを最小化できます。さらに、すべての特性評価を1回のDUT接続で実行できます。

工場校正によりVNA内部のレシーバー雑音指数を測定器に保存することで、校正を強化しています。

雑音指数測定では誤差が発生しやすく不確かさが大きくなりやすいため、最適な結果を得るための推奨事項は非常に有用で、常に最良の結果を得るための助けになります。最高の感度と正確な雑音指数を確保するために、推奨されるポート構成に合った機器の内部設定を使用することができます。

例えば、R&S®ZNAが信号源モニターオプションを搭載している場合、内部信号源のステップアッテネータの影響なしで基準信号に直接アクセスすることができます。これにより、S/N比が向上し、さらに正確で高速なテスト結果を取得することができます。同様に、レシーバー端で利用できる「コツ」もあります。反転動作でカップラーを使用すると、感度を10 dB高くできると同時に、レシーバー固有の雑音指数を低減させることができます。

最後に重要なことは、R&S®ZNAにプリアンプを内蔵できることです。このアンプを使用すれば、ポート2に20 dB~30 dBの利得を設定できるので、感度が大幅に向上し、非常に低い雑音指数を測定できるようになります。

この対話型のオールインワン雑音指数セットアップは、"Quickset"ダイアログと呼ばれるものです。すべての雑音指数パラメータと測定器設定が1つのビューに表示されます。R&S®ZNA ベクトル・ネットワーク・アナライザでは、最高の雑音指数結果を容易に取得でき、最適なセットアップを見つけることができます。

雑音指数測定のコールドソース技術もご覧ください。

雑音指数テスト結果の例
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