効率的なAM抑圧コンフォーマンステスト

R&S®SMW200A ベクトル信号発生器は、デュアル・パス・コンセプトとベースバンド信号の複製機能により、効率的なGSM/EDGE AM抑圧コンフォーマンステストに最適です。

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課題

すべてのGSM/EDGE基地局システム(BSS)は、市販する前に、3GPP TS 51.021/ETSI TS 151 021に指定されているさまざまなトランスミッター/レシーバー・テスト・ケースへの適合性を証明する必要があります。

このような不可欠のテストの1つとして、AM抑圧テストケースがあります。これは、BSSが、不要なGSM変調信号の存在下で、必要なGSM変調信号を、指定された劣化レベルを超えずに受信する能力を測定するものです。

マルチキャリアレシーバーを装備した広域または中距離用の基地局(BTS)の場合、このテストケースは、サポートされる必要な最大入力信号数または4つの入力信号のうち、いずれか少ない方で実行されます。

干渉信号は、擬似ランダム・ビット・シーケンスによってGMSK変調され、1つのアクティブ・タイムスロットを持っています。タイムスロット(バースト)は同期されますが、必要な信号のタイムスロットに対して61~86シンボル周期だけ遅延されます。

AM抑圧テスト信号の例
3GPP TS 51.021に基づくAM抑圧テスト信号の例(MCレシーバー)
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正しく同期された何台かのベクトル信号発生器(VSG)を使用して、特定のパワーレベルと周波数でテスト対象のレシーバーに必要な信号を提供します。もう1台のVSGを使用して、指定された変調干渉信号を(大幅に高いパワーレベルで)レシーバーに供給します。

干渉信号がレシーバーの性能に与える影響を評価するために、必要信号のBER/BLERを同時に測定します。テスト中は、(BTSによる)レシーバーリソースの再割り当てをいっさい行いません。

従来の方法では、最大5台のVSGを使用して、仕様周波数範囲の必要な信号と干渉信号を供給しますが、この方法では、テストセットアップの組み立てやリモート制御が複雑になり、コストもかかります。

SMW200AのAM抑圧システム構成
R&S®SMW200AのAM抑圧システム構成

電子計測ソリューション

R&S®SMW200A ベクトル信号発生器は、適合標準(5G、LTE、UMTS、GSM/EDGEなど)やお客様固有の要件に準拠した、きわめて効率的な無線トランシーバー・コンフォーマンステストのためのコンパクトなソリューションです。

充実したベースバンド機能(複数のリアルタイムベースバンド信号と柔軟に割り当て可能な周波数オフセットの組み合わせなど)と、独自のストリームエクステンダ(R&S®SMW-K550)によるベースバンド信号(ストリーム)の複製機能により、R&S®SMW200Aは、GSM/EDGE AM抑圧テストセットアップに最適なソリューションとなります。さらに、テスト構成全体のセットアップは、キーを何回か押すだけで完了します。

最初に、3つの独立したベースバンド・ジェネレータA~CをGSMテスト信号の発生に割り当てるために、3×1×1のシステム構成を選択します。

ジェネレータAとBは同一の設定で動作し、必要なリアルタイムGSM信号を供給します。ストリーム複製をオンにすることで、2つだけでなく4つすべての必要信号(ストリームA~D)がただちに得られます。ベースバンド・ジェネレータCは、必要なバースト遅延を伴うフレーム形式のGSM干渉信号(ストリームE)を並行して計算します。

SMW200AのAM抑圧ストリームマッパー
R&S®SMW200AのAM抑圧ストリームマッパー
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これらの作業は、ストリームマッパーによって容易に実行できます。すべてのストリームの間のタイミングは、R&S®SMW200Aのベースバンド・ジェネレータの正確な内部トリガによって正しく調整されます。すべてのベースバンドストリームは、以下のように処理されます。

  • 適切な周波数オフセットを適用することにより、レシーバーのRF帯域幅の範囲内に正しく配置されます。
  • 必要なRFポートにルーティング/マッピングされます。
コンパクトなAM抑圧テストセットアップ
コンパクトなAM抑圧テストセットアップ

最後に、必要信号と干渉信号のRFレベルと周波数を、規格に基づいて設定する必要があります。このようなきわめて柔軟な構成と、無線通信テスト用に最適化された機能により、R&S®SMW200Aは、GSM/EDGEトランシーバーのAM抑圧コンフォーマンステストのための効率的なワンボックスソリューションとなります。