車載インフォテインメント(IVI)システムのカメラ、ディスプレイ、マルチメディアテスト

車載用インフォテイメントのテスト

現在のトレンド

今日の自動車のデザインにおいては、洗練されたスタイリッシュさだけでなく、安全性と快適性も重視されています。安全機能は、車内と車外の両方の人を対象としています。今日の自動車には、多数のセンサと運転支援機能が組み込まれています。自動車業界の大きなトレンドとして、安全用途に使用される車載カメラの数の増加が挙げられます。

狭い駐車スペースに出入りする場合には、周囲環境に関する情報をより多くドライバーに届けることが重要です。駐車支援カメラとリア・ビュー・カメラは、米国とカナダで販売されるすべての新車で搭載が義務化されています。これらは安全性を向上させるだけでなく、駐車パイロットを利用することで便宜性も高めることができます。

また、新しいモデルの多くには、オプションで自動車周囲の360°全方位モニターも用意されています。これを実現するには、4台のカメラが用いられます。2個のサイドミラーに180°カメラが取り付けられ、自動車の前部と後部にさらに2台のワイドビューカメラが設置されます。これらのカメラやその他の追加のエンターテインメントモジュールからのデータは、マルチメディアインタフェースに供給され、結果がインフォテインメント画面に表示されます。

業界のもう1つの顕著なトレンドは、ダッシュボード表示のデジタル化です。速度計やその他の計器を搭載した従来のアナログメータ型の表示に代わって、電子計器の集合体、すなわちデジタルダッシュボードが主流になっています。

課題

インフォテインメント・ヘッド・ユニットでは、ますます多くのビデオを多用するアプリケーションが実行されています。このようなデバイスのメーカーは、デバイスが正しく動作することを検証する必要があります。

テストの方法は、以下のように分類されます。

  • カメラテスト
  • ディスプレイテスト
  • マルチメディア・インタフェース・テスト

カメラテストの要件

  • 4kまでのさまざまな解像度のサポート
  • アナログ/デジタル物理インタフェースのテスト
  • 色の再現性、鮮鋭度
  • リニアリティー、ノイズ、応答など

ディスプレイテストの要件

  • 自動車ダッシュボードおよびインフォテインメントシステム
  • リアシート用エンターテインメントディスプレイ
  • 標準およびユーザー定義の画面解像度
  • テスト原理(コントラスト、ガンマ、色域、視野角)

マルチメディア・インタフェース・テストの要件

  • 相互運用性の保証
  • 技術仕様に基づく実装
    • ビデオフォーマットのサポート
    • オーディオフォーマットのサポート
    • ビデオ品質テスト
    • インタフェースプロトコルへの準拠性

ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®VTE ビデオ・テスタは、デジタルビデオ/オーディオ信号の発生が可能なテスト/測定機器です。これにより、R&S®VTEは、車載用インタフェース、ディスプレイ、カメラのテストの課題に対処するための鍵となる役割を果たします。

R&S®VTEは、カメラのビデオ解析のための以下のテストをサポートします。

  • デジタルまたはアナログのコンポーネント/コンポジット信号のタイミング/レベル測定
  • 色判定のためのクロミナンス測定
  • タイミング、レベル、リニア/ノンリニア歪み、ノイズ、ジッタの自動測定
  • ホットプラグ検出(HPD)機能

ディスプレイテスト向けには、R&S®VTEは以下の機能を提供します。

  • 静的パターン発生
  • PLUGE、ノイズ、カラー、マルチバースト、3Dクロストーク、3Dコントラスト、SMPTEなどを含む広範囲の信号パターンライブラリ
  • 4k解像度までのすべてのCEA-861F(VIC1 TO VIC107)およびVESAビデオフォーマット
  • 以下の用途のための非標準信号の発生
    • タイミング調整
    • InfoFrame適合(HDRメタデータシグナリングもサポート)
  • 非圧縮動画再生
R&S®VTE ビデオ・テスタによるディスプレイテスト
R&S®VTE ビデオ・テスタによるディスプレイテスト

R&S®VTEでのA/V歪み解析は、一般的なすべてのA/Vインタフェースと、関連する信号フォーマットおよび画面解像度に対して使用できます。以下の入力標準がテスト可能です。

  • HDMI™バージョン1.4および2.0(6G)、解像度4k(4096×2160ピクセル)まで、8×音声(最大48 kHzのPCM)
  • HDCP 2.2
  • アナログA/V:コンポジット(PAL、NTSC)
  • ユーザー定義ビデオフォーマット

LVDS、DisplayPortなど、その他のデジタルインタフェースには、HDMI™をサポートする外部信号コンバーターを使って対応できます。これにより、例えばLVDS出力の解析が可能となります。