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10月 26, 2022

ローデ・シュワルツが清華大学やActenna Technology社などと協力して、RIS技術の実証実験を実施

5Gが持つ巨大なポテンシャルをさらに活用できるように、ワイヤレス業界は規格策定を重ねて3GPPリリース16にまで至りましたが、この策定作業は今も続いています。こうして5G規格が進展するなかにあっても、技術の進化はとどまることなく、新世代のセルラー技術が登場しつつあります。通信機器メーカーや研究機関はすでに、最先端となる6Gの研究を進めているのです。その6G研究において関心の高い主な領域の一つにRIS(reconfigurable intelligent surface)があります。ローデ・シュワルツでも先ごろ、清華大学とActenna Technology社とともにRIS技術の試験と評価を行って、RISの配置による効果と性能を総合的に評価しました。

R&S TSME6超小型ドライブ・テスト・スキャナによってRSRPなどのパラメータを測定します。
R&S TSME6超小型ドライブ・テスト・スキャナによってRSRPなどのパラメータを測定します。

RISは、電磁波の位相を調節して信号を反射させ、見通せない場所へと信号を送るようにプログラムできます。これによって、カバレッジの拡大やユーザー・エクスペリエンスの向上が実現します。なによりRISは低コストで低消費電力なうえ、簡単に配置できることから、6G研究において広く関心を集めており、評価の高い有望な技術と目されています。今回の技術的な実験は、Sub6のGHz帯とミリ波帯のRISについて、屋内外のさまざまなシナリオのもとで、主にその配置の効果と性能を評価しました。RISの有り・無し、さまざまな入射角と反射角、異なる配置距離などによる設置状況を模擬した試験となっています。また性能指標としては、RSRPやスループットなどのパラメータを記録しました。実験の参加者が互いの強みで補い合いながら協力し、いくつかのRIS実験プロジェクトを実施してRIS技術の継続的な開発を強く後押しできる確かなデータが得られました。

RISの検証環境としては屋内試験と屋外試験に分けられますが、屋内試験では主にRIS試験対象と計測器を用いました。試験対象に用いたのは、業務用RIS機器のサプライヤであるActenna Technology社の製品であり、20×20アレイ・エレメントからなる860×860 mmのSub6 GHz帯RISアレイと、32×32アレイ・エレメントからなる180×180 mmのミリ波帯RISアレイです。計測器としては、さまざまな周波数帯で標準の5Gリファレンス・テスト・シグナルを送信するのにR&S SMW200Aベクトル信号発生器を、RSRP等のパラメータ測定にR&S TSME6ドライブ・テスト・スキャナなどを使用しました。テスト条件を変えながら、さまざまな条件のもとでRISメタサーフェイスの性能指標が設計時に期待した性能を満足しているかをテスタによって検証しました。

一方、屋外試験では、Sub6 GHzとミリ波のいずれも実際のネットワーク環境を利用しました。RSRPとスループットは、QualiPocソフトウェアとドライブ・テスト・ターミナルを用いてテストしました。また、実際のネットワーク環境において見通し外をカバーするといったRISによる問題解決が可能かについてR&S TSM6スキャナを使って検証しました。

これに加えて、屋外試験として環境チャンバー内でのRISメタサーフェイスの性能も確認しました。これには信号源としてR&S SMW200Aベクトル信号発生器を用い、R&S®FSW43シグナル・スペクトラム・アナライザを使ってアンテナの双方向マップと隣接チャネル漏洩電力比(ACLR)をテストしました。

今回の共同テストを通じて、すべての参加者がRISの機能と性能指標に対する総合的な理解を深めることができ、将来的の設計の進め方に1つの基準が得られました。今後もローデ・シュワルツはRIS開発をしっかり支えられるよう、パートナー企業とともにさらに踏み込んだRIS技術の研究を続け、多くのテストを主催したり参加したりしながら、規格策定作業にも貢献していく考えです。

お問い合わせ:

欧州(本社):Christian Mokry(電話:+49 89 4129 0、email:press@rohde-schwarz.com)

北米:Dominique Loberg(電話:+1 503 523-7951、email:Dominique.Loberg @rsa.rohde-schwarz.com)

アジア太平洋地域:Wen Shi Tong(電話:+65 6 307-0029、email:press.apac@rohde-schwarz.com)

すべてのプレスリリースは、画像のダウンロードを含め、http://www.press.rohde-schwarz.comからインターネットでご提供しています。

ローデ・シュワルツについて

ローデ・シュワルツは、より安全に“つながる”社会の実現に向けた基盤を整えようと取り組む先駆的企業のなかでも、特に技術指向のグループとして、試験・計測などを始めとする技術システムやネットワークおよびサイバーセキュリティにおけるトップレベルのソリューションを提供しています。設立から85年以上にわたり、世界中の産業界や行政機関のお客様の信頼できるパートナーとして歩んできました。そのローデ・シュワルツでは、2021年6月30日現在、全世界で約13,000名の従業員が活躍しています。2020/2021会計年度(昨年7月から本年6月まで)には独立した企業グループとして23.4億ユーロの売上を達成しました。本社はドイツ・ミュンヘンに構えています。

R&S®はRohde & Schwarz GmbH & Co. KGの登録商標です。

東京都新宿区西新宿7-20-1 住友不動産西新宿ビル27階

〒160-0023

関野 敏正

電話番号: +81 3 5925 1270/1290

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Rohde & Schwarz

ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2022/2023会計年度(昨年7月から本年6月まで)には27.8億ユーロの純収益を上げました。また、2023年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約13,800名の従業員が全世界で活躍しています。


R&S®は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KG.の登録商標です。

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