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Tokyo 7月 12, 2021

ローデ・シュワルツの最新車載レーダーセンサ・テストシステムは、横方向に移動する物体さえもシミュレー ト可能

ローデ・シュワルツの新しいR&S RTSレーダー・テストシステムは、先進運転支援システム(ADAS)の基盤となるレーダーや自動運転車に利用するレーダーセンサについて、完全なOTA(over the air)でテストできる運転シナリオをシミュレートします。このテストソリューションは、新しいR&S AREG800A車載レーダーエコー発生器をバックエンドとし、R&S QAT100アンテナアレイをフロントエンドとして構成されています。現在、側面から近づく物体などの横移動する物体は、アンテナを物理的に移動させてシミュレートしています。これに対し、R&S RTSではフロントエンドにおける個々のアンテナのON/OFを電子的に切り替えることで、そうした物理的運動を置き換えます。自動車に対して横方向に高速に動く物体でも、高い信頼性と再現性でシミュレートできます。またR&S RTSなら、物体の視線速度(ドップラー効果)やサイズ(レーザー反射断面積)について、非常に狭い場合を含め、ユーザーが想定する範囲でシミュレート可能です。さらに、バックエンドのR&S AREG800Aを複数台カスケード接続することで多数の物体も再現できます。現在は実際の路上で行われているテストが、R&S RTSを使えば研究室で行えるため、早い段階からエラーを検出でき、大きなコスト削減になります。

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R&S RTSは、フロントエンドの個々のアンテナを電子的に切り替えることで、従来の試験 システムに必要だった物理的な移動を置き換えます。

レーダーセンサは、自動運転の重要な要素です。そのため車両におけるレーダーセンサの数は増え続けており、NCAP(New Car Assessment Program〔新車アセスメント・プログラム〕)がロングレンジレーダーを要求しているのに加え、横方向に移動する物体の監視ができるように搭載するコーナーレーダーの数も増加しています。こうした最新世代のレーダーセンサでは、物体認識のための内蔵RFアンテナと信号プロセッサが同じチップに統合されています。この理由から、レーダーセンサのテストでは認識すべき物体をOTAでシミュレートする必要があります。新しいR&S RTSは、そうした動的なレーダーエコーを生成可能な物体シミュレータとして、バックエンドのR&S AREG800AとフロントエンドのR&S QAT100アンテナアレイで構成されています。そのレーダーエコーは、先行開発からHiL(hardware-in-the-loop)による研究室レベルのテスト、そして車両に実装したADAS/AD機能の検証まで、車載レーダーセンサのテストにおいて全ての段階で活用できます。

特にバックエンドでは、多数の個別の人工物をシミュレートして、その移動範囲やサイズ(レーザー反射断面積)、視線速度を動的に変化させることが可能です。76~81 GHzの間での4 GHzという瞬時帯域幅をもとに、現行の車載レーダーセンサで一般的な周波数域はもとより、将来的なセンサの周波数帯域をもカバーします。

一方のフロントエンドでは、非常に精細な分解能に加えて、高いスイッチング速度と再現性を実現しており、最大192台の個別にスイッチング可能なアンテナを使って、自動車の進行方向に対して横へ移動する物体をシミュレートします。アンテナを電子的にスイッチングするため、物理的にアンテナを移動させる従来のテストシステムで見られるようなRFケーブルや可動部品等に摩耗が生じることは全くありません。また、オプションの送信アレイを使えば、互いに非常に近く、自動車に対して横方向に動く2つの物体もシミュレート可能になります。小型パッチアンテナと吸収材で被覆した表面により、小さいレーザー反射断面積の低反射RFフロントエンドとなっています。したがって、センサのノイズフロアが減少するとともに、近距離物体による反射や潜在的な多重反射も抑制されます。そのうえ、空間的にわずか3.7 mmのアンテナながら、非常に精細な角度分解能も実現しています。また複数のフロントエンドを組み合せれば、レーダーセンサのより広い視野をカバーすることも可能です。角度分解能については、0.5度以下にすることが可能です。

R&S RTSは、そのモジュール性と拡張性から、たとえば衝突被害軽減ブレーキ(automatic emergencybreaking:AEB)といったシンプルなシナリオで使い始めたとしても、複数のレーダーセンサを用いた非常に複雑なシナリオにも対応できるよう拡張可能です。R&S QAT100フロントエンドとR&S AREG800Aバックエンドは、ご要求に応じて複数の組み合わせが可能であり、その中の1台がセットアップを構成する全ての計測器の同期を担います。また、タッチスクリーン式のグラフィカルなユーザーインターフェースにより、試験セットアップの設定も簡単です。

R&S RTSは、業界標準のテスト自動化ツールとして、ASAM Open Simulation Interface仕様に準拠したHiL1/2(hardware-in-the-loop)インターフェースを備えています。

ローデ・シュワルツでは、R&S AREG800AとR&S QAT100のご注文を2021年6月24日からお受けしています。

ローデ・シュワルツについて

ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2022/2023会計年度(昨年7月から本年6月まで)には27.8億ユーロの純収益を上げました。また、2023年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約13,800名の従業員が全世界で活躍しています。

R&S®およびCERTIUM®は、Rohde & Schwarz GmbH & Co. KGの登録商標です。

自動車向けテスト・ソリューションについて―テストするからこそ、信頼できる

ローデ・シュワルツは、試験・計測に関するソフトウェアや機器、システムの世界的なトップメーカーとして、市場をリードする専門技術を応用しながら、自動車の先行開発から生産までその全ライフサイクルにおよぶ革新的なソリューションを開発しています。世界中のOEM企業やティア1サプライヤ、半導体メーカーの皆様が、車載レーダーや接続性、インフォテインメント、高性能コンピューティング、さらにはEMCに向けた当社の実績豊かな試験ソリューションに信頼を寄せています。とりわけ、レーダーの開発・統合・生産に対する革新的ソリューションによって、ローデ・シュワルツは次世代のADAS/AD(先進運転支援/自動運転)システムを生み出そうと取り組んでいるお客様の確かなパートナーとしてお応えしています。また、長年にわたり積み重ねてきた高度なワイヤレス技術は、5GやC-V2XからUWB、WiFi6、GNSSまで、あらゆる規格によるロバストな接続性の実現を支えています。最新のバス速度や高性能なドメイン・コントローラなどのECUをサポートする車載ネットワークを開発・デバッグできるほか、複雑なEMI問題の解決にも当社のテスト機器が利用可能です。ローデ・シュワルツはEMC試験にも数十年およぶ実績があり、主要なCISPRやあらゆるOEMメーカーが指定するEMC規格に沿って、車両やその部品のEMI とEMSの測定を実行できる試験・測定機器や、カスタマイズしたターンキーの試験システムを提供しています。独自のシステムと計測器を用いた車載アンテナのテストに加えて、無線共存テストも完全にサポートしています。さらに、ECU生産での基板レベル試験(ICT/FCT/BS)にも卓越したソリューションをご用意しています。世界中のパートナー企業やお客様がこうした試験ソリューションを活用して、自動車部品とシステムの正確かつ協調的な動作や、エラーなく外部との通信ができるように保証しています。

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