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Tokyo 12月 20, 2021

Sivers Semiconductors社とローデ・シュワルツ、最高71 GHzの5G対応RFトランシーバ評価で協力

5Gネットワークが世界中で本格展開されるようになり、5G NR規格の発展も続いています。3GPPは、リリース17として5G NRミリ波帯のサポート周波数を最高71 GHzの免許不要帯域まで拡張する予定です。この帯域は、IEEE 802.11adや同11ayなどノンセルラー系規格が使用していた周波数帯です。この帯域幅拡張にともなうテスト面での新たな課題に対応するだけでなく、最新世代のRFトランシーバ・チップセットの性能評価の実現に向けて、ローデ・シュワルツとSivers Semiconductors社は協力して、最高71 GHzの5G NRに向けたRFトランシーバの評価を実施しました。

3GPPは2022年中ごろまでに、リリース17として5G New Radio(5G NR)規格のサポート周波数を71 GHzにまで拡張する予定です。この拡張に合わせて、物理層も対応する必要があります。とりわけ新しい2つのサブキャリア間隔(480 kHzおよび960 kHz)の追加と、最大2 GHzに拡大する信号帯域幅のサポートが必要です。この新しい周波数帯のサポートにともない、これまでセルラー・アプリケーションをターゲットとしてきたRFトランシーバのメーカーには新たな課題が生まれる一方、そうしたミリ波帯で動作するノンセルラー系IEEE規格に特化して、従来からトランシーバ用チップセットの設計・製造しているメーカーには好機と言えます。

ローデ・シュワルツはRF部品やワイヤレス通信産業に向けた試験・計測ソリューションのトップメーカーであり、一方のSivers Semiconductors社はチップや組込モジュールの提供により、世界的に認知された技術企業として業界をリードしています。その両社が協力し、これはではIEEE 802.11adと802.11ay規格をサポートしていた最新世代のRFトランシーバ用チップセットの性能を最高71 GHzの5G NR信号に対してテストしました。

今回の共同テストに取り組むにあたり、Sivers Semiconductors社からは被試験デバイス(DUT)として、最新の無線周波数集積回路(RFIC)であるTRXBF01とRFアンテナ・モジュールBFM06010を搭載した評価キットを提供いただきました。このRFICはIEEE 802.11ad/ayをサポートしており、57~71 GHzの全周波数域にわたって最高64QAMの変調に対応しています。一方、試験セットアップは、新たな周波数オプションによりオーバーレンジ・モードで67~72 GHz までの周波数をサポートしたR&S SMW200Aベクトル信号発生器と、最大8.3GHzの信号解析帯域幅を備え、最高90 GHzのRF周波数に対応した唯一の製品であるR&S FSW85シグナル・スペクトラム・アナライザで構成されています。これに、コンパクト・アンテナ・テスト・レンジ(CATR)を基にしたR&S ATS1800C 5G NRミリ波帯テスト・チャンバを加えて、OTA(over-the-air)試験が行えるセットアップに仕上げました。

DUTの送信性能を検証するため、R&S SMW200AがDUTに対してアナログの差動IQベースバンド信号を供給し、DUTでこの信号のIQ変調と所定のRF周波数へのアップコンバージョンを実行します。生成する信号は、5G NRの3GPP仕様リリース17に準拠するように、960 kHzのサブキャリア間隔と2 GHzの変調帯域幅を利用します。また、DUTの送信波は、個別に制御可能な16台のアンテナ・エレメントによって生成することで、R&S ATS1800C のCATR反射鏡に向かうボアサイト方向にビームフォーミングされます。さらに、フィードアンテナへの信号をまとめてR&S FSW85へ入力し、3GPP完全準拠の信号解析を実行します。

一方、DUTの受信性能のテストには、R&S ATS1800Cのフィードアンテナに接続したR&S SMW200Aが64 GHz(FR2-2)で5G NRのRF信号を供給します。そしてフィードアンテナで同信号がCATR反射鏡へ向かうようにし、その直径30 cmの高品質なクワイエット・ゾーン(QZ)の内側に遠方界の条件を生成します。ポジショナが組み込まれているため、このQZの中でDUTのRF測定を繰り返し行うことが可能です。受信信号はSiversSemiconductors社のチップセットによってベースバンドに変換して、R&S RTPオシロスコープで測定します。さらにこの信号に対し、R&S VSEベクトル信号解析ソフトウェアまたはR&S FSWシグナル・スペクトラム・アナライザで、各種信号に応じた解析処理を行います。

Sivers Semiconductors社ワイヤレス事業部門の最高技術責任者Erik Öjefors氏は次のように説明しています。「今回の協力によって、当社Sivers Semiconductorsの世界をリードするミリ波帯技術の能力を示す証拠がもう一つでき、たいへん意義のある機会となりました。ローデ・シュワルツとともに、当社のミリ波帯トランシーバ用RFICの高い性能により、次の3GPPリリース17仕様に基づく60 GHz帯域において、将来のNR-U展開に向けた道が拓けることが実証されました。この60 GHz帯域の5G NRなど、新たに登場してくる規格に対応可能な試験・計測ソリューションを早い段階から利用できるようにしておくことは、技術開発の最前線に立つという当社のミッションにとって極めて重要だと言えます」。

また、ローデ・シュワルツの電子計測器部門を統括する取締役副社長のAndreas Paulyは次のように述べています。「Sivers Semiconductors社と協力して、ワイヤレス業界での画期的な事績をもう一つ重ねることができました。私どもの革新的な試験・計測ソリューションによって、5G New Radio規格の新たな機能を検証できたことは、お客様やパートナー企業に対する継続的な貢献を実現する、という姿勢を実証するものともなりました。こうした取組みを通じて、消費者や企業の皆様にとって5Gの高度なユースケースが実現する最先端技術の開発をお客様が行えるように致します」。

R&S SMW200Aの新しい周波数オプションについて、詳しくはhttps://www.rohde-schwarz.com/promo-smw200aをご覧ください。同ページではUse Case #5として、Sivers Semiconductors社との共同による試験・計測技術の推進活動についても詳しい情報をご用意しています。

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