高速イーサネットケーブルに対応したコンプライアンステスト自動化ソリューション

素早く簡単に実行できる自動テストで、IEEE 802.3bj/by/cd/ckケーブルのコンプライアンスを確保します。

高速ケーブルのコンプライアンステストを完全に自動化するローデ・シュワルツのソリューション。この写真の構成では、R&S®ZNB ベクトル・ネットワーク・アナライザと2台のR&S®OSP320 スイッチコントロール・ユニットをR&S®ZNrun ソフトウェアスイートで制御します。
高速ケーブルのコンプライアンステストを完全に自動化するローデ・シュワルツのソリューション。この写真の構成では、R&S®ZNB ベクトル・ネットワーク・アナライザと2台のR&S®OSP320 スイッチコントロール・ユニットをR&S®ZNrun ソフトウェアスイートで制御します。
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課題

データセンターや民生用エレクトロニクスの高速ケーブルのテストは、正確性、高い周波数のサポート、マルチポートセットアップを必要とする極めて複雑な作業です。4ポートのベクトル・ネットワーク・アナライザを使用した従来の手動によるテストでは、時間がかかり、人為的ミスも生まれやすくなります。高速ケーブルは多くの銅線で構成され、これらの銅線が差動信号経路を形成します。この経路は通常「レーン」と呼ばれ、レーンの数によって高速ケーブルの最大転送速度が決まります。例えば、最新のIEEEイーサネット物理層規格IEEE 802.3ckでは、1レーンのデータレートが100 Gbpsです。8レーンのQSFP-DD形状の高速イーサネットケーブルは、最大800 Gbpsのデータレートをサポートします。

被試験ケーブルのレーン数が増えるほど、IEEE802.3規格のコンプライアンステストは面倒かつ複雑な作業になり、時間がかかるようになります。これは主に、4ポートVNAを使用することにより、再接続が増えることが原因です。

規格への準拠を検証するには、各レーンの伝送(スルー)のテストだけでなく、すべての隣接レーンのTX-RX間クロストーク、つまり近端クロストーク(NEXT)と遠端クロストーク(FEXT)のテストも必要です。4ポートVNAによる従来のセットアップですべてのSパラメータを測定するには、1本のケーブルのテストを実行するためにポートとケーブル間を数回再接続する必要があります。8レーンの場合、各ケーブルのコンプライアンステストに丸1日かかる可能性があります。

ローデ・シュワルツのソリューション

ローデ・シュワルツは、ベクトル・ネットワーク・アナライザのテスト自動化スイート、R&S®ZNrunを使用した、コンプライアンステストの完全自動化ソリューションを発表しました。このソリューションによって、高速ケーブルの規格準拠を検証するコンプライアンステストを簡単かつ正確に、短時間で行うことができます。

使用されるコンプライアンステストソフトウェアは、必要な測定ステップをすべて自動的に実行し、規格仕様に従ってすべての測定データ(チャネル動作マージン(COM)と実効リターンロス(ERL))の後処理を行います。全体の合否判定をはじめとする包括的なテストレポートも自動生成されます。テスト結果の分析と被試験ケーブルの検証を簡単に行えるため、時間を大幅に短縮でき、人為的ミスも最小限に抑えることができます。

高速イーサネットケーブルアセンブリーに対応したローデ・シュワルツのこのコンプライアンステスト自動化ソリューションは、ローデ・シュワルツのベクトル・ネットワーク・アナライザが持つ高い精度と性能、R&S®OSP スイッチコントロール・プラットフォームの柔軟性、R&S®ZNrun ソフトウェアスイートを兼ね備え、信頼性の高い測定を短時間で簡単に行うことができます。

R&S®ZNrunにより、高速ケーブルのコンプライアンステストをわずか3ステップで簡単に実行できます。
R&S®ZNrunにより、高速ケーブルのコンプライアンステストを、セットアップ、校正、測定のわずか3ステップで簡単に実行できます。R&S®ZNrunはテストステップのパフォーマンスを制御し、各ステップで行うアクションのリスト(上図左)と現時点での結果(上図中央)を表示します。
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簡単で効率的な完全自動化マルチポートVNA測定

R&S®ZNrunにR&S®ZNRUN-K4xx コンプライアンステスト自動化オプションを追加すると、セットアップ、校正、測定のわずか3ステップから成る簡単な手順でテストを実行できます。自動化された各ステップは、校正および測定時間が最小限になるように最適化されています。また、ケーブルハンドリングがスマートに行われるため、テストセットアップで面倒なポート再接続を行う必要がありません。R&S®ZNRUN-K4xx コンプライアンステスト自動化オプションはデータ収集と結果処理を自動化するため、再現性のある結果が得られ、所要時間が大幅に短縮されます。

コンプライアンスの先へ:単なるコンプライアンステストを超えたソフトウェア機能

R&S®ZNrunは、コンプライアンステストの完全自動化以外にも、さまざまなテストニーズに柔軟に対応しています。設計者やテストエンジニアは、R&S®ZNrun ソフトウェアスイートを使用してセットアップとケーブルをデバッグすることができます。また、測定ステップを実行対象から除外して、例えばケーブルの初期評価テストを素早く行うことができます。さらに、フルのコンプライアンステストを開始する前に、周波数レンジや掃引時間などの測定パラメータを任意の値に設定して、妥当性確認のための初期測定を行うこともできます。

推奨構成

IEEE 802.3bj/by/cdのコンプライアンステスト IEEE 802.3ckのコンプライアンステスト
ソフトウェア
R&S®ZNrun オプション R&S®ZNRUN-K410 R&S®ZNRUN-K411
R&S®ZNrun コアソフトウェア R&S®ZNRUN-K1 R&S®ZNRUN-K1
ライセンスドングル R&S®ZNPC R&S®ZNPC
ハードウェア
ベクトル・ネットワーク・アナライザ R&S®ZNB26 R&S®ZNA50
校正ユニット R&S®ZN-Z53またはR&S®ZN-Z54 R&S®ZN-Z55またはR&S®ZN-Z156(モデル03)
R&S®OSP スイッチコントロール・プラットフォーム
48ポート 2×R&S®OSP320、
2×R&S®OSP-B121Hおよび8×R&S®OSP-B122H、
1×R&S®ZV-Z40CR8 1)
2×R&S®OSP320、
2×R&S®OSP-B121Uおよび8×R&S®OSP-B122U、
1×R&S®ZV-Z50CR8 1)
24ポート 2×R&S®OSP320、
2×R&S®OSP-B121Hおよび4×R&S®OSP-B122H、
1×R&S®ZV-Z40CR4 1)
2×R&S®OSP320、
2×R&S®OSP-B121Uおよび4×R&S®OSP-B122U、
1×R&S®ZV-Z50CR4 1)
8ポート 1×R&S®OSP320、
2×R&S®OSP-B121H
1×R&S®OSP320、
2×R&S®OSP-B121U

1)R&S®OSP RFスイッチモジュール間の相互接続に使用するケーブル

選択のヒント – 被試験ケーブルのタイプと推奨されるR&S®OSP スイッチコントロール・プラットフォーム

被試験ケーブル R&S®OSP
形状 レーン数 ポート数
QSFP-DD対QSFP-DD、OSFP対OSFP 8×TX/RX(CR8) 48
QSFP対QSFP 4×TX/RX(CR4) 24
SFP対SFP 1×TX/RX(CR1) 8
推奨されるR&S®OSP スイッチコントロール・プラットフォーム(48ポート)
推奨されるR&S®OSP スイッチコントロール・プラットフォーム(48ポート)
推奨されるR&S®OSP スイッチコントロール・プラットフォーム(24ポート)
推奨されるR&S®OSP スイッチコントロール・プラットフォーム(24ポート)
推奨されるR&S®OSP スイッチコントロール・プラットフォーム(8ポート)
推奨されるR&S®OSP スイッチコントロール・プラットフォーム(8ポート)