セルラーネットワーク解析によるアリバイ検証

R&S®NESTOR セルラーネットワーク解析ソフトウェアは、モバイルネットワークのトレースを解析することで、法執行機関のアリバイ検証をサポートします。R&S®NESTORを使用すれば、犯罪発生時に個人の携帯電話が特定の場所にあったかどうかを確実に把握できます。

映画館ではアリバイの場所を完全には監視できない
混雑していてアリバイの場所を完全には監視できない代表的な例
ライトボックスを開く

課題

容疑者が、自分は混雑した監視の難しい場所(CCTVで監視されていない場所)にいたのだと主張することは珍しいことではありません。アリバイを確認するには、携帯電話のトレースなどの別の手段でその場所を確認する必要があります。さらに、アリバイの検証は通常、犯罪後かなりの時間(数週間、数か月、長い場合は数年)が経ってから行われます。その間にネットワーク環境が変化している可能性があり、アリバイ調査の時点では携帯電話を利用できなくなっている場合があります。

このような困難な条件を考慮すると、法執行機関には正確で的をしぼった訴追を裏付けるための信頼できる情報に基づき、アリバイを検証するための効率的なソリューションが必要です。モバイルネットワークのトレースを解析するとなれば、ソリューションは以下の厳格な要件を満たす必要があります。

  • アリバイの場所で迅速かつ効率的な測定を実行できる
  • 犯罪発生時に容疑者の携帯電話が接続されていた基地局を示す、事前にネットワークプロバイダーから収集した通話明細記録(CDR)とのデータ比較ができる
  • 裁判で信頼できる証言を提示するために、容疑者の携帯電話がアリバイの場所にあった可能性があるかどうかの明確な証拠を提供できる

ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®NESTOR セルラーネットワーク解析(CNA)ソフトウェアは、このような要件を満たしています。R&S®NESTORは、従来のモバイルネットワーク解析ツールよりも多くを提供します。ネットワークオペレーターやサービスプロバイダー向けに配備されているこのようなツールは、RF測定とシステム情報メッセージコンテンツのみを提供します。R&S®NESTORでも収集される生データは同等ですが、主な違いは、専用の自動解析があり、法執行活動に特にフォーカスしていることです。

R&S®NESTORを使用すれば、システムの設定や測定に費やす時間が大幅に短縮されます。ユーザーは、2G/3G/4G/5Gのハンドオーバーやその他のプロシージャに関する技術的な専門知識がなくてもシステムを容易に操作できるので、短時間でアリバイを検証することができます。

R&S®NESTORのアリバイ検証結果
R&S®NESTORのアリバイ検証結果の概要

R&S®NESTORを選ぶ理由

ワークスペースを短時間で準備可能
目的の領域から解析パラメータおよびコンテンツ表示に至るまで、ユーザーは作業環境を容易にカスタム構成できます。解析するデータや結果を表示する方法の概要は、測定中や後処理中に変更できます。ユーザーは、ネットワークプロバイダーから入手したCDRに基づいて、目的のセルをインポートしたり手動で構成したりすることもできます。

測定が容易
測定プロセスの概要を素早く確認できます。これは特に、エキスパートではないユーザーにとって魅力的です。事前定義された環境により、システムを自動的に起動できます。これを使用すれば、誰でもアリバイの場所に行ってシステムを起動し、測定を実行して証拠を自動的に収集することができます。その後で、エキスパートが後処理中および解析中に評価を行います。

自動化
各テクノロジー専用のアルゴリズムによる自動解析を、測定中はオンラインで、ポストプロセッシング中はオフラインで実行でき、モバイルやスキャナーの測定結果を包括的に分類できます。これらの結果から得られた貴重な証拠を、法廷で提示したり公判前に弁護士に提出したりできます。

ソフトウェアおよび解析

解析は、エキスパートが測定中にオンサイトで実行でき、また、状況の全体像を把握するために後でオフィス環境で実行することもできます。解析に使用されるスキャナーと携帯電話により、目的の特定セルを目的の場所で測定できるかどうかが短時間でわかります。事件の犯罪現場測定ファイルを利用できる場合、ユーザーはR&S®NESTORを使用してそのデータに基づいてアリバイ検証アルゴリズムを実行することもできます。これにより、必要な測定回数が減るので、調査にかかる時間を大幅に短縮できます。

直感的なソフトウェアと使いやすいグラフィカルユーザーインタフェースにより、ユーザーは、容疑者の携帯電話がアリバイの場所にあった可能性があるのかないのかを明確に高い信頼性で判断することができます。この情報は証拠として使用可能で、法廷で証拠を提示するときに直接使用するか、公判前に弁護士に提出することもできます。