パッシブ・リモート・キーレスエントリー・システムのテスト

最近のセキュリティに対する意識の高まりから、ウルトラワイドバンド(UWB)テクノロジーを採用した自動車用リモコンが注目を集めています。ローデ・シュワルツでは、研究開発環境や高スループットの製造環境からの高い需要に応えるために、柔軟なテストソリューションを提供しています。

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課題

キーレス・アクセス・システムの開発や製造では、リモコンが正しく動作することを確認するために、膨大な種類のテストが必要とされます。

過去数年間に無線リモコンは急速に普及し、高級車だけでなくあらゆる新車に搭載されるようになりました。リモコンの利用が増えたことにより、さらに高度なアルゴリズムが必要になります。

このようなアルゴリズムは、キーと自動車の照合、自動車に対するキーの位置の正確な判定、ユーザーが誤ってキーをトランクに入れて蓋を閉めてしまう事故の防止、リモコンの送信信号の電子的窃盗の防止などの追加機能を実現します。

キーの位置を判定するには、自動車の磁界と、信号の実際の伝送時間を測定します。低周波バンドでリンクを開始した後、RF信号を使用して、自動車のロック解除や始動に必要な暗号化されたキーを交換します。最新のスマートキーは、攻撃ベクトルを減らすために、通常、3.1 GHz10.6 GHzの免許不要バンドでのウルトラワイドバンド(UWB)通信を使用します。走行時間アルゴリズムを使用することにより、リモコンの位置を正確に判定し、複雑な磁界テクノロジーを不要にできる可能性があります。

電子計測ソリューション

ローデ・シュワルツは、あらゆるテクノロジーを対象とし、開発および製造環境での干渉のないファンクションテストのための厳しい要件を満たす柔軟なソリューションを提供しています。このソリューションは高度なカスタマイズが可能で、研究開発時には厳格な要件を徹底的にチェックする一方で、生産段階では高スループットに最適化することができます。

RKEテスト・システム・ソリューションには、完全自動型のR&S®TS7124 RFシールドボックスが付属し、デバイスのテストのためのシールドされた環境を実現できます。このボックスには、アプリケーション固有のDUTマウントや、適合するアンテナシステムを装備できます。

ローデ・シュワルツのシグナル/スペクトラム・アナライザで、送信信号を受信して、占有帯域幅、チャネルパワー、スプリアスエミッション、隣接チャネル漏洩電力などのパラメータを測定します。2台のウルトラワイドバンドDUTの間の走行時間を測定するレンジ・テストには、追加の電子的プログラム可能遅延が必要です。

ヘルムホルツ磁気コイルと、それに対応する3D磁界発生器を使用することで、従来の磁界型スマートキー・システムをテストして校正できます。

テストシステムは、R&S®TSVP PXIベース・プラットフォームとオプションの内蔵PCによって制御されます。さまざまな動作モードの供給電流を測定して、UWB信号からのRFバーストと同期できます。DUTとの通信は、LIN、CAN、I2C、SPIなどを通じて処理できます。

強力なR&S®Quickstep テスト・シーケンサ・ソフトウェアを使用して、テスト条件を監視し、調整することができます。テストデータを収集して、テストシステム外部でさらに処理することもできます。ソリューションはモジュラー設計なので、お客様の現在と将来の要件に容易に適合させることができます。

主な利点

  • さまざまな自動車用通信プロトコルをサポートするPXIベースのソリューション
  • 最大8個のキーを対象とするマルチDUTテストセットアップ
  • ヘルムホルツ磁気コイルによるDUTの3D磁界校正
  • R&S®Quickstepによるテストシーケンスのわかりやすいグラフィカル調整
従来のLF/UHF型とUWB型の両方のDUTを解析できる柔軟なテストセットアップ
従来のLF/UHF型とUWB型の両方のDUTを解析できる柔軟なテストセットアップ