コネクテッドカーのバッテリー寿命測定

R&S®CMW500プラットフォームのバッテリー寿命測定ソリューションによって、テレマティクスユニット上で動作しているどのECUとどのアプリケーションがバッテリー寿命に影響を及ぼすのかを特定できます。

コネクテッドカー
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課題

複雑なアプリケーションがコネクテッドカーに追加されると、どのようにセルラー/非セルラー無線接続が電力を消費するのかを理解することがますます重要になります。例えば、eCall/ERA-Glonass向けに定義されたモジュールは、衝突後も指定された期間、送信し続けることを期待されています。テレマティクスユニットは定期的にセルラーネットワークに接続する必要があり、自動車のエンジンが動作していない時にセルラー接続を介して大容量のファームウェアアップデートをダウンロードすることを要求される場合もあります。

電子計測ソリューション

コネクテッドカーとそれに関連するさまざまなアプリケーションに対して、バッテリー寿命テストは今までになく重要になっています。また、動作するアプリが増加しているインフォテイメントシステムでは、消費電力を低減するための最新機能のテストが不可欠になっています。

超低電力に対する新しい要求にドライブされて、最近、3GPP規格の最新リリース(12と13)では、省電力モード(PSM)、エンハンスドDRX(eDRX)、コネクテッドモードDRX(cDRX)などの機能が定義され、可能な限りの低消費電力化が図られています。

これらの機能の消費電力削減に関する能力をテストし、解析するには、制御されたエミュレーションネットワーク環境が必要です。R&S®CMWrunを使えば、広く用いられているR&S®CMW500に基づいて、現実的かつ制御された条件で上記のようなテストを実行するための最適なソリューションが得られます。R&S®CMWrun CMW-KT051は、R&S®RT-ZVC02/R&S®RT-ZVC04 マルチチャネル・パワープローブから高いサンプリングレートでサンプルを収集し、電流、電圧や、瞬時電力(W)の計算値の時間変化も表示できます。

消費電力モニタリングソリューション
R&S®CMWrun 消費電力モニタリングソリューション、R&S®CMW500/R&S®RT-ZVC04 マルチチャネル・パワープローブ。
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さまざまなシグナリング・トリガ・イベント(LTEアタッチ、接続、アイドルシグナリング状態、IMS登録など)が実装されているので、さらに詳細な情報(多数のサンプル)が得られます。これらは、電力消費図に時間相関付きで表示されます。また、電力消費図は、IPトラフィック解析(R&S®CMW-KM051)を使用してIPレベルのイベントに関連付けられ、これによってどのアプリまたはIPフローが、テレマティクスユニットやその他の無線機器のバッテリー寿命に影響を与えているかが示されます。

バッテリー寿命測定の最新仕様では、電流の時間変化だけでなく、電圧の時間変化も測定することにより、瞬時電力を高いサンプリングレートで計算することが要求されています。このようなテスト要件に対応するには、デバイスが消費する電力を、現実的なユースケースで、すなわち実際のバッテリーまたはUSBインタフェース、あるいはACアダプターからの給電によって測定できることが必要です。

R&S®RT-ZVC02/R&S®RT-ZVC04 マルチチャネル・パワープローブは、まさにこのようなユースケースのために設計され、最大2つ(R&S®RT-ZVC02)または4つ(R&S®RT-ZVC04)の電圧/電流チャネルが使用できます。

各パワー測定グループは、電圧計と電流計から構成され、18ビットのA/D分解能と5 Mサンプル/秒のサンプリングレートを備えています。各グループで使用可能な内蔵乗算機能を使用すれば、電流サンプルと電圧サンプルを5 Mサンプル/秒のレートでサンプルごとに同期して乗算できます。内蔵デシメーションユニットにより、100、1,000、または10,000サンプルの平均による消費電力が積算されます。これにより、きわめて短い時間の消費電力のピークを捕捉できるとともに、データ転送レートをPCの処理能力の範囲内に抑えることができます。このデータに基づき、R&S®CMWrunは、バッテリー寿命を予測し、電流、電圧、瞬時電力などのすべてのパワーグループ測定をイベントグラフに表示します。

R&S®RT-ZVC02/R&S®RT-ZVC04 マルチチャネル・パワープローブの電流計はシャントを内蔵していて、目的の測定レンジの1つに対して選択できます。また、DUTに直接取り付けられた外部シャントを使用して電流を測定することもできます。この場合、電流はこの外部基準シャントでの電圧降下に基づいて測定されます。大電流によって生じる接続ケーブルの損失を回避するため、内蔵電流計は高インピーダンスの電圧計となっています。接続オプションとしては、4 mmプラグ、ピンコネクタ、はんだ付けピンなどが使用でき、あらゆる種類のアプリケーションシナリオに対応できます。

R&S®CMWrunでは、モニタリングと表示のレート(デシメーション後)を、10/100/1000サンプル/秒および最大50 kサンプル/秒から選択でき、短い時間範囲に対する自動ズーム機能も使用できます。シグナリング・トリガ・イベントを使用することで、モニターのサンプリングレートを高めることができます。

IP解析を使用したバッテリー寿命テストとIPスループットテストをR&S®CMWrunで完全に自動化
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