仮想センターソリューション向けのCertium VCS

完全なIPシステムアーキテクチャーと分散型インフラにより、CERTIUM VCSは仮想センターに統合するのに最適です。

vcs-4g-Virtual-center_ac_3606-9979-92_01.png

課題

安全性とコスト構造を最適化し、航空交通管制サービスを向上させるために、航空管制サービスプロバイダーは、航空機-地上間および地上-地上間通信に必要なリソースをセンター間で共有できるソリューションを必要としています。また、相互のバックアップとして独立したセンターを明確に定義することにより、さらに一歩前進しています。これにより、1つのセンターで大惨事が発生した場合に、バックアップセンターが影響を受けなかった航空機-地上間および地上-地上間のリソースを使用して、すべての通信業務を代行することができます。

その課題は、合同運用シナリオだけでなく、通常運用でも、航空機-地上間および地上-地上間のすべてのリソースへのアクセスを提供することです。さらに、関連するセンター間のシステム構成の連携を維持することが重要です。

ローデ・シュワルツのソリューション

CERTIUM VCSなどのIPベースの通信インフラは、仮想センターの導入に伴う課題に対処できます。

完全なIPシステムアーキテクチャーと分散型インフラにより、CERTIUM VCSは仮想センターに統合するのに最適です。

リソースの共有

EUROCAE ED-137規格では、ATC環境内の音声通信でのIPの使用が規定されています。特に、音声通信システム(VCS)と無線機間およびVCS間のインタフェースを定義しています。さらに、常に高い信頼性で動作することを保証するために、関連するプライオリティーコンセプトなど、複数のVCSが同じ無線機にアクセスする方法も規定しています。1つの施設が使えなくなった場合でも、VCSは、この規格および基盤となるIPインフラにより、さまざまな地域から航空機-地上間および地上-地上間のリソースに対応することができます。

信頼性の高い通信

各センターは、現在のシステム構成や、航空機-地上間および地上-地上間のリソースに対する変更を認識している必要があります。確立されたインテリジェントなIPメカニズムを使用することにより、VCSは、1つのセンターが一時的にオフラインになった場合でも、システム構成を連携させることができます。数百km離れたところにある、航空機-地上間および地上-地上間のすべてのリソースにアクセスできる2つの同じシステムにより、音声通信ネットワーク全体の可用性が向上します。一方の施設の機能が完全に休止しても、もう一方の場所の運用に影響を与えません。1つの施設が機能不全になった場合には、もう1つのセンターが影響を受けなかった通信資産にアクセスして、使えなくなったATC施設の通信の継続性を確保することができます。

セキュリティー通信

VCSネットワークが緊密にリンクしている場合は常に、ネットワークセキュリティーが重要になります。確立されたインテリジェントなIPメカニズムの使用により、リソースによるシステムへのアクセス方法を制御できます。これらのメカニズムは世界中の公衆/専用電気通信設備で威力を発揮していますが、ATC通信インフラを公衆回線から分離して、クローズドインフラとして運用することが、最も安全性の高いソリューションです。

アプリケーション

アイスランド(ISAVIA)とアイルランド(IAA)の航空管制サービスプロバイダーは、ローデ・シュワルツを新しい航空交通業務(ATS)の音声通信制御システム(VCCS)の独占的なサプライヤーとして選択しました。ISAVIAとIAAは、グフネスとバリーギリーンの2か所を結ぶために、仮想管制センターを運営しています。

ローデ・シュワルツは、IP ED-137に完全に準拠した2つのCERTIUM VCS 音声通信制御システムと、R&S®M3SR Series4100 無線機ファミリーのHFレシーバーを納品しました。これらのシステムは、レイキャビクとシャンウィックの洋上管制区(OCA)のHF、VHF、SELCAL、ISATPHONEなどの通信サービスを提供します。

CERTIUM VCSソリューションは、2つの独立したシステムで構成されます。1つはアイスランドのグフネスにあるISAVIAのCOMセンターに、もう1つはアイルランドのバリーギリーンにあるIAAのCOMセンターにあります。2つの音声通信システムを直接接続することにより、航空機-地上間および地上-地上間の資産や仮想センターのセットアップのリソースの共有など、高度なシナリオも実現できます。

仮想センターというコンセプトにより、VCCSをスタンドアロンモードで独立して運用することも、合同運用モードで運用することも可能です。このため、オペレーターは、両方のVCCSのすべてのリソースや機能にアクセスできます。大惨事が発生した場合には、高度な仮想センター手法により、サポートするインフラ内にリソースを再割り当てして惨事の影響を緩和することにより、運用の継続性を確保することができます。障害が発生した場合は、もう1つセンターが影響を受けていない資産(リモートにある航空機-地上間のリソースなど)にアクセスして、機能不全に陥ったATCセンターの通信業務を代行することができます。

システムの概要

  • ローデ・シュワルツ管制卓
  • R&S®M3SR Series4100無線機
  • メーカーの異なるアナログ無線機やVOIP無線機との相互接続
  • 隣接するACCにつながるアナログ電話回線やATS-QSIG回線との相互接続
  • ローデ・シュワルツのアンテナ・スイッチング・ユニット
  • 通信インフラ

このシステム統合は、ローデ・シュワルツが行いました。

仮想センターソリューション向けのCERTIUM VCSの配備
仮想センターソリューション向けのCERTIUM VCSの配備