ローデ・シュワルツの専門的なDC電源を使用した消費電力解析

課題

世界中でネットワーク化の流れが加速しています。現在、工場や家庭で用いられているセンサやモノのインターネット(IoT)デバイスは、膨大な数にのぼります。これらの製品の多くは、非常に小型の非充電式バッテリーを電源として低電圧/低電流で動作します。

多額の交換費用と環境への配慮の観点から、長時間に渡って動作することが求められています。バッテリー寿命は、IoTデバイスをデザイン/選択する上で重要な要素です。製品のデザイン段階で消費電力特性を最適化するには、デバイスの消費電力をさまざまな動作モードで正確に特性評価する必要があります。消費電流の場合、通常、ダイナミックレンジが広く、動作モードでの数十または数百ミリアンペア単位の測定とスリープモードでのマイクロアンペア単位の測定との高速切り替えが発生します。

ローデ・シュワルツのソリューション

これらの測定に対する、使いやすく経済的なソリューションとなるのが、高度な機能と高精度の測定機能を備えた最新のDC電源です。R&S®NGL200およびR&S®NGM200 高品質電源は、優れた分解能を提供します。R&S®NGM200シリーズの最小分解能は5 μV/10 nAなので、IoTデバイスで使用される最新規格の要件に簡単に適合する、正確な測定が可能です。

高品質な結果を得るためには、以下の手順で実行します。

  • DUTのバッテリーを取り外すか、切断して、それぞれ電源を接続します
  • センスラインを接続して、電源リードの電圧降下を補正することもできます
  • 指定された出力電圧と、必要に応じて、DUTを保護するための電流または電流制限値を設定します
  • 出力をオンにすると、出力電圧、DUTの電流ドレイン、消費電力がリアルタイムで表示されます

詳細解析と結果トレース用に、測定値をログに記録できます。

  • ロギング設定を開いて、必要な設定を選択します
  • 最大500 kサンプル/秒のユーザー定義可能な収集速度によって、電圧/電流結果を2 μsごとに収集できます
  • ログに記録されたデータは、電源の内部メモリまたは外部USBストレージデバイスに.csvファイルとして保存でき、USBまたはLANを経由して外部PCに転送できます

自動テストや長期テストの場合、リモート制御ソフトウェアを弊社ウェブサイトからダウンロードできます(アプリケーションノート1GP122を参照してください)。消費電力、消費電流、バッテリー容量などのパラメーターの決定と解析が簡単に行えます。このツールを使用すると、ズーム機能を使ってログに記録されたデータをグラフィック表示することもできます。

FastLog機能
FastLog機能は、最大2 μsの分解能で電圧/電流変動に追従できます。遅い測定器では見落としてしまうようなスパイクを検出します。
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まとめ

R&S®NGL200およびR&S®NGM200 高品質電源は、消費電力の高精度測定の要件を満たします。電流レベルの広いダイナミックレンジを測定し、非常に低い電圧/電流レベルでも高確度を実現します。残留リップルとノイズを最小限に抑えた線形デザインと、高度なリモートモニタリング機能を備えたR&S®NGL200およびR&S®NGM200 電源は、IoTデバイスの消費電力を最適化するにはまさにうってつけの電源です。