マルチチャネルFMカーラジオのテスト

R&S®UPPオーディオ・アナライザとR&S®SMB100A信号発生器を組み合わせることにより、最新のFMカーラジオのための最もコンパクトで高速なテストソリューションを作成できます。

UPP オーディオ・アナライザ・ファミリー。
R&S®UPP オーディオ・アナライザ・ファミリー。
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課題

FMステレオ受信機は、現在もなお、最も普及しているオーディオ放送メディアです。特に自動車分野では、毎年数百万台のカーラジオが製造されています。FMステレオ受信機をテストするには、オーディオテスト信号をRF搬送波に変調して、被試験デバイス(DUT)で復調した後に解析する必要があります。

多くの国々で長い歴史を持つ無線データシステム(RDS)などの特殊サービスも、テストシステムでサポートする必要があります。

自動車内の難しい音響条件と、狭い空間内に音響変換器を配置する必要性から、最新の自動車用ハイファイシステムのメーカーは、オーディオ周波数レンジを複数のスピーカーに分割するだけでなく、異なるアンプチャネルを通じて各スピーカーを制御する方向に進んできました。このテクノロジーは、DSP制御の音響最適化回路によってさらに洗練され、現在では4から8のアンプチャネルが使用されています。サラウンド技術への切り替えが進むにつれて、現在の自動車用サウンドシステムでは、最大16個ものスピーカーとアンプチャネルが用いられるに至っています。

特に最新のカーラジオの製造時には、必要なRFテスト信号を供給するために、信号発生器が必要です。また、テスト時間を短縮するために、異なるオーディオチャネルを並列に測定できる強力なオーディオ・アナライザも必要です。

電子計測ソリューション

ローデ・シュワルツでは、最新のFM受信機向けに、信号発生と正確なマルチチャネルオーディオ測定の機能を備えた、最もコンパクトで高速なテストソリューションを提供しています。

オプションのステレオ/RDSコーダー(R&S®SMB-B5オプション)を搭載することにより、R&S®SMB100A信号発生器は、FMチューナーを周波数レンジ全体で測定するためのすべての要件を満たします。R&S®SMB100AにはLF発生器が内蔵されていますが、ステレオ/RDSコーダーは、アナログまたはデジタル変調入力に印加された外部信号によっても動作します。このソリューションは、ステレオ多重化信号も発生できます。これには、ARIおよびRDS情報のすべてのモードが含まれます。

R&S®SMB100A信号発生器とR&S®UPPオーディオ・アナライザを組み合わせることにより、FM受信機用の汎用テストシステムを作成できます。その最大の特長は、測定結果の自動同期です。他のオーディオアプリケーションと同様に、必要なテスト信号は、オーディオ・アナライザの発生器セクションで発生されます。

信号は、RF変調に使用されるR&S®SMB100Aを通じて、DUTに供給されます。DUTで復調されたオーディオ信号は、R&S®UPPのアナライザセクションで測定されます。テスト信号の発生と解析が同じオーディオ・アナライザで行われるため、信号のタイミングは最適に調整されます。その結果、独立に動作する測定器の場合に比べて、測定時間を大幅に短縮できます。

パラレル測定による高いスループット

R&S®UPPには、2、4、または8チャネルの並列オーディオチャネルが備わっているため、必要なすべてのオーディオパラメータを同時に測定し、最高分解能のFFT解析まで実行できます。マルチチャネル測定により、例えばオーディオスイッチャーを使用して一度に2チャネルだけを処理する測定器に比べて、測定時間全体を大幅に短縮できます。

16チャネル以上を使用するハイエンドのサラウンドアプリケーションの場合は、必要な測定チャネルの数に応じて、R&S®UPP800オーディオ・アナライザを2台以上使用することができます。アナライザをカスケード接続することにより、すべてのチャネルを並列に測定できます。R&S®UPP-K800 制御ソフトウェアを使えば、1台のR&S®UPP800をマスターとして選択し、他のR&S®UPP アナライザを5台までスレーブとして追加することができます。カスケード全体が、マスターユニットを通じて制御される1つの測定機器として動作します。これにより、例えば製造システムで使用するリモート制御モードがシンプルになります。

最大8つのアナログ・オーディオ・チャネルの同時測定と、発生信号と解析信号を同じ測定機内で同期する機能により、R&S®UPPオーディオ・アナライザは、現在市販されている最も高速でコンパクトなテスト機器です。

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R&S®UPP800 オーディオ・アナライザは、必要なすべてのオーディオテスト信号を発生してR&S®SMB100Aに伝送します。R&S®SMB100Aは、ARIおよびRDSテスト信号を付加してから、テスト信号全体でRF搬送波を変調します。DUTは受信したテスト信号を復調し、すべての増幅器チャネルにオーディオ信号を出力します。これらの信号をR&S®UPP800で測定することによって、ループが閉じられ、カーラジオDUTの全体的な音声品質を解析できるようになります。

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