キャリア受け入れとスタンドアロンR&D向け気圧センサの性能テスト

ローデ・シュワルツは、FCC規制に準拠したZ軸方向の精度確保に必要な、気圧センサの性能テストを実現するカスタマイズ可能なソリューションを提供します。

課題

モバイルデバイスの気圧センサのテストでは、固有の規制に対応する必要があります。2019年10月、米国の規制当局である連邦通信委員会(FCC)は、緊急通報におけるフロアレベル情報(階層別の屋内位置情報)の提供に関する規制を導入しました。FCCは導入目標を達成するために、すべてのE911コール(緊急通報)に3 mのZ軸精度を確保することを求める指令を発効しました。気圧測定は、特に高層ビルで高度を推定するための最も有望な方法です。米国のネットワーク事業者は、この新しい指令の要件を満たすために気圧センサベースのテクノロジーを採用しています。

この指令では、ネットワーク内のすべてのモバイルデバイスが認証を受けること、およびFCCの仕様を満たすことを求めています。現在、多くのモバイルデバイスの圧力センサ/気圧計の性能は低く、かつFCC規則に定められた厳格な要件を満たしていません。したがって、多くのデバイスはZ軸方向の位置決め性能の影響を受けやすくなっています。

米国でモバイルデバイスを販売するには、サプライヤーはこの指令に規定された要件や仕様を満たしていることを証明する必要があります。米国のすべての通信事業者は、自社のデバイスがこの指令に適合していることを事業者自らが自己確認し適合宣言(供給者適合宣言)するか、または認定されたテストハウス(認定試験所)でテストを受けるよう求められています。

ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®TS-LBSテストシステムは、多様化したモバイルデバイステスト市場に対応できる、スケーラブルで再利用可能なソリューションであり、気圧センサの性能テストを含むモバイルポジショニングテストを実現します。R&S®TS-LBSテストシステムは、基地局エミュレーターとしてのR&S®CMW500ワイドバンド無線機と一緒に使用することも、あるいはR&D目的でスタンドアロンの圧力センサ/気圧計の性能テストセットアップとして使用することもできます。

キャリア受け入れテスト

米国のほとんどの通信事業者(キャリア)の実装では、LPPおよびLPPeプロトコルを使用して、モバイルデバイスと基地局の間で位置情報を交換しています。これらのプロトコルには、気圧センサの情報も含まれています。ローデ・シュワルツのソリューションは、補償されていない気圧/圧力計(UBP)や圧力センサのドリフト値の精度テストを含め、通信事業者ネットワーク固有の性能パラメータをテストします。

ローデ・シュワルツのGUIを使用した気圧センサのテスト

ローデ・シュワルツのGUIは、オーバー・ザ・トップ(OTT)緊急位置情報サービス(ELS)などに用いられる気圧センサの性能テストに使用されます。PCベースのGUIは、Wi-Fiアクセスポイントを介してモバイルアプリと通信し、データを交換します。モバイルアプリは、デバイス上のデータを収集し、Wi-Fi経由でGUIに結果を直接レポートします。

モバイルアプリを含む使いやすいGUI

テストケースは、適切に構成されたGUIとモバイルアプリを介して簡単に実行およびパラメータ化できます。GUIに統合された自動化機能により、テスト時間が短縮され、快適な処理が可能になります。モバイルアプリを使用すれば、測定結果をベースステーションエミュレーターを介してGUIに簡単にレポートできます。または、Wi-Fi経由でGUIを使用してレポートを直接作成できます。

R&S®TS-LBSに必要な機器類

  • R&S®CMW500(基地局エミュレーター)
  • 気圧チャンバー
  • 気圧コントローラー
  • テストケースを実行するPC(GUI)
  • ケーブルセット

スタンドアロンセットアップに必要な機器類

  • 気圧チャンバー
  • 気圧コントローラー
  • Wi-Fiホットスポット(Wi-Fiルーター)
  • テストケースを実行するPC(GUI)
  • ケーブルセット

他社との違い

  • シングルソースのターンキーソリューションを一括購入できるワンストップショッピング
  • z軸方向に対するFCC要件を完全にカバー
  • 完全な自動テスト
  • A-GNSSなどの他のモバイルポジショニングテストにも拡張可能
  • 自動テストレポート
  • 高精度の気圧機器

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