BCIアプリケーション向けソリューション

伝導性イミュニティーテストでは、高いRFパワーおよび定義された周波数で駆動するテスト用信号源を、EMCラボに設置する必要があります。ローデ・シュワルツは、信号発生器、最大350 Wのパワーを備えたRF半導体パワーアンプ、パワー・センサ、4 kHz~400 MHzの周波数レンジに対応するテストソフトウェアを搭載したコンパクトなソリューションを提供しています。

課題

バルク電流注入(BCI)は、ISO11452-1およびISO11452-4に準拠した伝導性イミュニティーのテスト方法です。電流注入プローブを使用して、被試験デバイス(DUT)のワイヤーハーネス中に電流(妨害波)を誘導します。ISO11452-4規格では、置換法と閉ループ法の2つのBCIテスト方法を規定しています。

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電子計測ソリューション

ローデ・シュワルツでは、置換法と閉ループ法の両方に対応する、伝導性イミュニティーテスト用の堅牢でコンパクトなソリューションを提供しています。

R&S®SMB100Bまたは、R&S®SMCV100B信号発生器は、4 kHz~400 MHzの周波数レンジの必要なAMテスト信号を供給します。

R&S®BBA150-AB シリーズのダウンストリーム広帯域アンプは、必要なCW出力パワーを供給します。R&S®BBA150-AB 広帯域アンプは、RF出力における高い不整合に対処できる、シングルバンドのリニアリティーの高いクラスA半導体アンプです。R&S®BBA150-ABには、出力パワーが75 W、125 W、160 W、200 Wおよび350 Wのモデルがあり、テストセットアップやテストのパワーレベルに応じて選択できます。

置換法と閉ループ法の校正とテストの両方で、さまざまなパワーレベル(順方向パワー、逆方向パワーなど)をモニターするには、2台または3台のパワー・メータが必要です。このために、ローデ・シュワルツのR&S®NRP6AN ハイエンド・アベレージ・パワー・センサは、コンパクトなテストシステムに統合されています。これらのセンサのうちの2台は、アンプに内蔵されているR&S®BBA-B140 RF 方向性結合器またはR&S®DDC25-AB55 校正済み方向性結合器に接続できます。

ローデ・シュワルツのR&S®EMC32およびR&S®ELEKTRA EMSテスト・ソフトウェア・パッケージにより、DUTのモニタリングを含め、校正とテストを完全に自動化できます。必要な情報がすべて掲載されたテストレポートが作成されます。

校正

いずれの方法でもまず、校正フィクスチャに取り付けられた注入プローブを使用してテスト電流が校正されます。テストソフトウェアは、順方向パワーを記録しますが、オプションで逆方向パワーを記録することもできます。

置換法

ほとんどのOEMが、置換法のBCIテストを求めています。この方法では、校正中に記録された順方向パワーがDUTに適用されます。R&S®BBA150-AB75 半導体アンプは、ほぼすべての要件を満たしています。オプションのモニタリングプローブを使用すれば、テスト中に電流を測定することもできます。

パワー制限のある閉ループ法

この方法では、電流注入プローブとDUTの間に電流測定プローブを挿入します。テストでは、校正中に記録された順方向パワーを徐々に増加して、注入電流を測定します。測定された電流がテストレベルに達するか、順方向パワーがパワーリミットに達すると、テストソフトウェアは周波数を拡大します。パワーリミットは、校正中に記録された順方向パワーの4倍です。このようなアプリケーションには、R&S®BBA150-AB125が最適です。

校正セットアップの例
オーダー情報