Dolby®コンプライアンステスト

ローデ・シュワルツのオーディオ・アナライザおよびテストソフトウェアを使用すると、Dolby®ライセンスの取得者は自社の新製品に対して必要なコンプライアンステストを行うことができます。

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タスク

Dolby®テクノロジーを使用するには、Dolby Laboratoriesから使用許諾を得る必要があります。新製品を市場に出す際には、事前にDolby Laboratoriesの仕様に準拠したコンプライアンステストに合格する必要があります。このテスト要件により、TV受像機などに実装されたテクノロジーがDolby®で定義されたとおりに機能することが保証されます。新製品の開発を行うライセンス取得者が作業を行いやすいように、Dolby®はコンプライアンステストで使用する定義済みのテスト信号と詳細なテスト手順を提供しています。これらのテストは非常に幅広く、ユーザーはさまざまな条件とそれらの相互依存関係に注意し、これらのテストを手順に従って厳密に実行する必要があります。

デバイスタイプやアプリケーションに応じて異なる複数のDolby®テクノロジーが使用されます。テスト要件は被試験デバイス(DUT)に依存するため、TV受像機とA/Vレシーバーに必要なテスト内容は異なります。Dolby®では、アプリケーションごとに、開発者がDolby®テクノロジーをオーディオ機器に統合するのに便利なパッケージを作成しています。これらのパッケージはシステム開発キット(SDK)と呼ばれます。パッケージには、テスト手順もすべて含まれています。

迅速かつエラーフリー ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®UPPオーディオ・アナライザとローデ・シュワルツのテストプログラムでは、作業が大幅に簡素化され、テストが行いやすくなるだけではなく、ミスをなくすこともできます。ユーザーは、このテストプログラムの指示に従って構成設定を入力します。ユーザーが入力した設定に基づいて、適切なサブテストが自動的に選択されます。プログラム制御で、テスト信号が再生されて測定が実行されます。個々のステップの実行と同時に、テストレポートが自動的に作成されるため、これらをDolby Laboratoriesに送付するだけで済みます。

ローデ・シュワルツが実装した最初のテストプログラムは、“Dolby®Digital Plus Decoder for Consumer Broadcast Products”というDolby®ソフトウェア開発キット用のプログラムで、2つ目のテストプログラムは“Dolby® MS11 Multistream Decoder System”というSDK用のプログラムです。どちらのSDKも、TV受像機およびセットトップ・ボックス向けに設計されたものです。

TV受像機用の一般的なテストセットアップでは、R&S®SFCコンパクト変調器を用いてRF搬送波上でDolby®テスト・データ・ストリームの変調を行います。TV規格は欧州と合衆国など国や地域により異なるため、R&S®SFCコンパクト変調器には適切なコーダーオプションを取り付ける必要があります。このストリームをDUTのアンテナ入力に供給し、DUTでRF信号を復調してオーディオ信号をデコードします。

R&S®UPPでは、アナログ出力(ライン出力、スピーカー、またはヘッドフォン)とS/P-DIFおよびHDMIオーディオ・リターン・チャネル(ARC)デジタルインタフェースで測定を実行できます。DUTにコード化されたオーディオ信号用の出力ライン(IEC 61937準拠の圧縮信号に対応したS/P-DIFまたはHDMI)がある場合は、これらの信号をデコードしてR&S®UPPで直接測定を行うことができます。

8つのチャネルに対応したR&S®UPP800を使用するのがベストです。このモデルでは可能なすべてのインタフェースを処理することができ、7.1アプリケーションの場合でもすべてのアナログチャネルを同時に測定することができます。アナライザには、デジタルインタフェースでの測定用のオプションを取り付ける必要があります。

オーディオ・アナライザのテストプログラムがテストシーケンス全体を通してユーザーをガイドし、内蔵のコンピューターによってDolby®テストプログラムが実行されます。各テストステップの最初に、DUTの設定方法、必要な接続、次に行う操作について説明するウィンドウが表示されます。

これで、必要なテストケースを起動できます。テストケースは、通常、それぞれ異なるテスト・データ・ストリームを使用する一連のテストで構成されています。ユーザーは、これらのテストケースの詳細な設定を行う必要はありません。R&S®UPPオーディオ・アナライザとR&S®SFCコンパクト変調器によって適切なテスト信号が再生され、Dolby®仕様に従って正確に測定が行われます。これにより、テストシーケンスでのミスを回避し、テスト手順全体を従来の手動方式よりもはるかに短い時間で実行することができます。

インターネットに対応したテストでは、DUTのUSBインタフェースからテスト信号を入力して、インターネット経由で映像を受信するための最新のTV機能をシミュレートします。上で説明したテストとは異なり、このテスト信号はDUT経由で外部ハードディスクから手動で読み取る必要があります。また、テストプログラムによって、これらのテストの手順と再生するDolby®テスト・データ・ストリームが指示されます。

また、リスニングテストも定義されています。リスニングテストでは、チャネル割り当ての確認などを行います。この場合も、R&S®UPPオーディオ・アナライザのテストプログラムがテストシーケンス全体を通してユーザーをガイドします。テストステップがすべて完了したら、テストレポートをDolby Laboratoriesに送付するだけです。

まとめ

ローデ・シュワルツのテストプログラムにより、Dolby Laboratoriesのライセンス取得者はコンプライアンステストを容易に行うことができます。テストプログラムによって必要なテストが自動化され、ユーザーは多岐にわたる手順を操作しなくても済むようになるため、時間の節約につながります。テストプログラムの指示に沿ってテスト全体を操作することにより、必要なDUT情報の欠落を防ぐことができます。テストレポートは、自動的に作成されます。

Measurements on a TV set
Measurements on a TV set

Dolby®は、Dolby Laboratories Inc.の登録商標です。
HDMIは、HDMI Licensing, LLCの商標です。