EIRP OTA測定の測定の不確かさを最小化

シンプルで再現性の高いセットアップ。正確で再現性の高い結果。

シングル偏波測定用R&S®NRPM-A90(左)とデュアル偏波測定用R&S®NRPM-A90D(右)のアンテナモジュール
シングル偏波測定用R&S®NRPM-A90(左)とデュアル偏波測定用R&S®NRPM-A90D(右)のアンテナモジュール
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課題

従来のセットアップは複数の異なるコンポーネントをベースとしているため、無線(OTA)シナリオでは絶対パワーレベルを高い精度で正確に測定することは困難です。さらに、多くのアンテナ、ケーブル、アダプターの明確な不確かさの仕様を入手するのは困難なだけでなく、高価である場合があります。そのため、信頼性の高い保証されたシステム校正が多くの場合において非常に困難となります。可能だとしても、必要以上に高価なコンポーネントを使用しなければなりません。

3つのR&S®NRPM-A90 アンテナモジュール、R&S®NRMP-Z3 インタフェースモジュール、R&S®NRPM3 センサモジュール、R&S®NRP-ZKU USBインタフェースケーブル(信号を直接読み取るモニタリングPC用)を使用したOTAパワーセンサセットアップ
3つのR&S®NRPM-A90 アンテナモジュール、R&S®NRMP-Z3 インタフェースモジュール、R&S®NRPM3 センサモジュール、R&S®NRP-ZKU USBインタフェースケーブル(信号を直接読み取るモニタリングPC用)を使用したOTAパワーセンサセットアップ

ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®NRPM-A90(D) OTAパワーセンサは、設計によってこのような不確かさの多くを排除し、さらに残っている不確かさについては明確な仕様を提供しています。これは、アンテナとパワーディテクターを統合して、追加のRFケーブルやアダプターなどの過剰な部品を削減することで実現しています。さらに、設計全体の校正は、R&S®NRPM3 リードアウトモジュールと組み合わせた状態で行われます。これにより、解析の準備ができた信号の等価等方放射電力(EIRP)測定を、USBまたはイーサネットインタフェースで1 dB未満の保証された不確かさで実行できます。これに対して、価格が同等の従来のセットアップでは、2 dB~3 dBの不確かさも保証されません。

R&S®NRPM3は3チャネル構造なので、1つのリードアウトモジュールで3つのアンテナモジュールを同時に測定することができ、異なる偏波および位置で波面を特性評価できます。これにより、初期投資額を抑制できるだけでなく、テストに必要な時間も削減できます。

R&S®TS7124 シールドRFテストボックス
R&S®TS7124 シールドRFテストボックス

標準セットアップの不確かさに対する影響

従来のセットアップ(下図参照)で、測定全体の不確かさに影響を与える最大の要因は以下のとおりです。

アンテナおよびその他のパッシブコンポーネント(コネクタ、アダプター、ケーブル)の利得:
一般的な校正では1 dB~1.5 dB、最良かつ非常にコストのかかるアンテナ校正では0.1 dB~0.2 dBの利得が生じます。
R&S®NRPM-A90(D)の場合、利得の不確かさは既に全不確かさに含まれています。

ビームに対するアンテナのメカニカル調整誤差:
特にビーム幅が狭いアンテナ(例:高利得アンテナ)ではこれが問題になります。一般的に不確かさの影響は、1 °当たり0.3 dB程度です。
R&S®NRPM-A90(D) の場合、±2 °の調整が既に全不確かさで考慮されています。

位相中心(DUTとアンテナ間の実効距離):
特に暗室内で測定する場合(例:短距離)に、この影響が大きくなります。さらに、通常、標準アンテナの適正な位置は仕様化されていません。
R&S®NRPM-A90(D) の場合、正確で適正な位置と不確かさがデータシートに仕様化されています。

さらに、湿度や温度のような環境の影響(R&S®NRPM-A90(D) では両方を仕様化)、偏波調整(最大5 °までを考慮)、レーダー断面積、妨害信号、マルチパス伝搬が不確かさに影響します。詳細については、データシート(PD 5215.8606.22)をご覧ください。

全体として、従来のセットアップには、通常の環境条件で1 dB~3 dBの合成不確かさ(代表値)が生じます。これに対して、R&S®NRMP-A90(D)の保証された全不確かさ(代表値)は0.49 dB~0.72 dBです。追加の測定暗室および対応アクセサリを使用すれば、さらに妨害信号による影響を低減することができます。

まとめ

R&S®NRPM-A90(D) は、維持コスト全体を大幅に削減しながら非常に優れた確度で絶対パワーOTA測定を実行できます。さらに、詳細な仕様により、コーナーケースでの測定の不確かさを特定できます。

DUTのEIRPを測定する一般的なセットアップ:従来は、アンテナ、コネクタ、ケーブル、パワー測定ユニットで構成されていました。R&S®NRPM-A90(D) の場合、これらのすべてが1台の測定器に統合されています。

DUTのEIRPを測定する一般的なセットアップ:従来は、アンテナ、コネクタ、ケーブル、パワー測定ユニットで構成されていました。R&S®NRPM-A90(D) の場合、これらのすべてが1台の測定器に統合されています。

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