O-RAN無線ユニットのエネルギー効率を検証する

課題

5Gのデータ伝送は、4Gよりもはるかに効率が高いと考えられています。しかし、セルラーネットワークがより高いデータレートをサポートする必要があるため、消費エネルギーも飛躍的に上昇することが予測されています。

O-RUは、無線アクセスネットワーク（RAN）の総消費電力の最大要素（約60 %～80 %）です。全体的な目的は、クラウド化や分離などのO-RANのイノベーションを犠牲にすることなくO-RANネットワークのエネルギー効率を最適化することです。同時に、エネルギー効率の高いO-RANも、以前と同様に高品質のサービス（QoS）をネットワークユーザーに提供する必要があります。

ローデ・シュワルツのソリューション

ローデ・シュワルツはVIAVI Solutionsと提携して、O-RUエネルギー効率を検証するための完全自動化テストソリューションを開発しました。このソリューションは、R&S®RTO6 オシロスコープとVIAVIのTM500 O-RUテスタを基盤としており、他のローデ・シュワルツ製品で補完することができます。

テストセットアップでは、VIAVIのTM500 O-RUテスタがDUのエミュレートとO-RUの同期／設定を行って、さまざまな負荷条件下でO-RUのエネルギー効率を検証するための複数のテストスクリプトを提供します。ローデ・シュワルツの機器では、動的なデバイス動作とそれに対する消費電力をモニターできます。R&S®RTO6 オシロスコープは、高速な負荷変動をトラッキングするのに最適なツールです。R&S®RT-ZC31 電流プローブおよびR&S®RT-ZHD07 高電圧差動プローブとシームレスに組み合わせられます。アプリケーションに応じて、R&S®RT-ZVC 高ダイナミックレンジ・パワープローブを検討した方が良い場合もあります：最大8個ずつの電圧チャネルと電流チャネルを扱えるので、個々のO-RUコンポーネントの消費電力をデバッグするのに最適です。RF信号品質解析に時間相関電力測定を組み合わせる場合は、R&S®RTO6とR&S®VSEソフトウェアをお試しください。さまざまなシナリオでO-RUのパフォーマンスを確認することができます。

R&S®NGP 電源ユニットは、O-RUへの電源供給に最適です。安定した出力をDUTに供給し、8 msの時間分解能で総消費電力を正確に測定します。これにより、セットアップの複雑さが大幅に軽減され、ラックやベンチのスペースを節約できます。詳細な解析とレポート作成のために測定データの記録も可能です。

オプションでR&S®FSVA スペクトラム・アナライザを追加すれば、O-RUトランスミッターのエラーベクトル振幅（EVM）などの特性を確認できます。

VIAVI O-RU Test Managerアプリケーションでテストセットアップ全体の制御と簡潔な自動化が可能で、ETSI ES202706-1 V1.6.1（2021-01）ケースとユーザー固有のテストスクリプトをワンクリックで実行することができます。

エネルギー効率テスト用のO-RUテストセットアップ

• R&S®RTO6 オシロスコープとR&S®RT-ZC31 電流プローブおよびR&S®RT-ZHD07 高電圧差動プローブ。オプションでR&S®RT-ZVC マルチチャネル・パワープローブも使用可能
• R&S®NGP 電源シリーズ
• R&S®FSVA スペクトラム・アナライザ（オプション）
• VIAVI TM500 O-RUテスタ
• VIAVI O-RU Test Managerアプリケーション

まとめ

O-RU消費電力を測定するための最も安価なソリューションは電源です。電源は、高い測定分解能と高い確度を提供します。別の選択肢として、オシロスコープで電流プローブと電圧プローブを使用する方法があります。このセットアップでは、さまざまなトラフィック条件下でエネルギーの変動をモニターするだけでなく、非常に短いパルスやスパイクを捕捉することもできます。すべてのテストは、VIAVI O-RU Test Managerアプリケーションで完全自動化できます。ソリューションは、定義済みのETSI ES 202706-1 V1.6.1（2021-01）ケースをサポートし、ユーザー固有のテストスクリプトを生成します。