RFアンプの相互変調測定

R&S®ZNBベクトル・ネットワーク・アナライザは、内蔵の相互変調測定ウィザードを使用して簡単に設定/校正が可能です。

便利な相互変調測定
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課題

複数の搬送波を同時に処理する代表的なRF/マイクロ波アンプでは、システムレベルの性能の低下を防ぐために、非線形効果による動作の限界を知ることが重要です。デバイスの非線形性を評価するための確立されている1つの手法として、3次相互変調積成分の測定があります。3次インターセプトポイントは、3次相互変調積成分から導出できます。相互変調は従来、2台のRF信号発生器からそれぞれ1つのトーンを出力することによって測定されています。2つのトーンのパワーは等しいですが、周波数はわずかにオフセットされています。これらのトーンを1つの経路に結合し、被試験デバイス(DUT)に印加します。DUTの出力に接続されたスペクトラム・アナライザで、必要なRFトーンとDUTで生成されたn次相互変調積成分を測定します。ケーブルやコンバイナーの損失を補正するためには、時間のかかる校正が必要です。複数のRF接続が必要なので、エラーのリスクが高まります。さらに、DUTの特性を評価するための周波数掃引測定やパワー掃引測定では、テスト機器の動作を同期させる必要があるため、制御用のコンピューターとソフトウェアが必要になります。このため、複雑さやコストが増加します。

代表的なアンプの3次相互変調性能
代表的なアンプの3次相互変調性能
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電子計測ソリューション

リニアリティーの高いレシーバーとハイパワー出力を備えた、4ポートのR&S®ZNBベクトル・ネットワーク・アナライザは、相互変調測定に最適です。第2信号源を内蔵し、USB接続されたR&S®NRP-Zxxパワーセンサを使用する、R&S®ZNBは、相互変調積成分を効率的かつ正確に測定し、インターセプトポイントを計算するのに最適なテストソリューションです。必要なのは、外部RFコンバイナーだけです。第2信号発生器を内蔵したアナライザを使用すれば、測定時間もリモート制御の外部信号発生器の約1/10に短縮できるので、DUTをリアルタイムで解析できます。汎用のR&S®ZNBベクトル・ネットワーク・アナライザは、周波数掃引測定とパワー掃引測定をサポートし、2つの固定周波数の連続波(CW)トーンの出力スペクトラムを解析できるので、非常に柔軟性の高い相互変調積成分の解析が可能です。R&S®ZNBは、相互変調測定ウィザードを内蔵しています。このわかりやすいツールによる4つの簡単な手順に従えば、奇数次の相互変調積成分(3次、5次、7次、9次)を測定し、関連するインターセプトポイントを計算するように、測定器を効率的に設定できます。

相互変調測定ウィザードは、測定器の詳細な設定手順をガイドするわかりやすいツールです。
相互変調測定ウィザードは、測定器の詳細な設定手順をガイドするわかりやすいツールです。
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  • ステップ1:RF信号源のパラメータとレシーバーの測定パラメータを定義します。測定速度を上げるには、特定の測定に必要な相互変調積成分の次数だけを選択します。
  • ステップ2:信号源のトーンの周波数レンジとパワーレベルを入力します。
  • ステップ3:測定するパラメータ(すなわち、相互変調積成分、インターセプトポイント、DUTの前後の2トーンのパワーレベル)を選択します。
  • ステップ4:次の2つのオプションがあります。未校正の測定を実行するか、3つのステップからなる簡単なパワー校正を実行して、DUTの入力と測定レシーバーのパワーレベルを補正します。

ステップ4でオプションを選択すると、R&S®ZNBは相互変調測定ウィザードを閉じ、選択したパラメータの測定結果をラベル付きのトレースで表示します。アナライザのタッチスクリーンインタフェースを使用すれば、表示結果をすばやく簡単に解析できます。例えば、マーカーを追加し、トレースの関連する基準を変更して、DUTの入力/出力に対するインターセプトポイントを測定することができます。

R&S®ZNBベクトル・ネットワーク・アナライザを使用すれば、相互変調測定が簡単
R&S®ZNBベクトル・ネットワーク・アナライザを使用すれば、相互変調測定が簡単

まとめ

汎用のR&S®ZNBベクトル・ネットワーク・アナライザは、第2信号発生器(4ポートモデル)と相互変調測定ウィザードを内蔵し、1台の測定器で、デバイスの相互変調性能を高い確度で迅速かつ効率的に解析できます。