9. 最高速の通信インタフェースの選択
物理通信インタフェースの選択に影響する要因はたくさんあります。この章では、速度という1つのパラメータだけに注目します。
通信ユニットの速度を考慮する際には、一般的な用語である速度を、2つの異なるパラメータ、すなわちレイテンシーと帯域幅に分けて考える必要があります。以下ではこれらの意味を、水を通す管に例えて説明します。
管の長さはそのレイテンシーを定義します。すなわち、少量の水をA点からB点まで運ぶのにかかる時間です。したがって、レイテンシーは秒単位で測定されます。
管の直径はその帯域幅を定義します。すなわち、その断面を通って1秒間に流れることができる水の量です。したがって、帯域幅は体積/秒単位で測定されます。
この例えからわかるように、少量の水(少量のデータ)を運ぶには、短い管(小さいレイテンシー)のほうが高速です。直径(帯域幅)はそれほど重要な役割を果たしません。これに対して、直径が大きい(帯域幅が大きい)管は、大量の水(大量のデータ)を高速に運ぶために役立ちます。たとえ長さが長く(レイテンシーが大きく)なってもです。一般的な通信インタフェースのレイテンシーと帯域幅について見てみましょう。