FAQs from Rohde & Schwarz

トレースを2で除算

質問

ネットワーク・アナライザのポート1に接続した同軸ケーブルの減衰対周波数を表示しようとしています。同軸ケーブルは端がショートされています(オープンエンドも可能ですが、推奨されていません)。"dBmag" の測定値は、ケーブルの減衰量の2倍になります。ケーブルの減衰量を直接読み取るために、測定トレースを2で除算する必要があります。しかし、トレースはdBで表示されています。表示されたトレースを2で除算するには、どのような式を使用すればよいでしょうか。

回答

波はケーブルを1回通過して、5 dB減衰されます。波はケーブルのショートされた端で反射されて、同じ経路をアナライザまで戻ってきます。これにより、波はさらに5 dB減衰されます。測定器には、10 dBの減衰量が表示されます。ただし、ケーブルの減衰量は5 dBです。そこで、測定器に5 dBと表示させたいと思います。

ユーザ演算を定義する手順

トレースを2で除算する手順を次に示します。以下のボタンを押します。

PRESET- キー

S11- ソフトキー

TRACE FUNCTION- キー

User Def Math- ソフトキー

図に示す式を入力します。Trc1 (0.5) *

OK- ソフトキー

Math = User Def- ソフトキー

Dividing a trace by two

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*トピック5の式を得る方法

表示された値を2分の1にする必要があります。

a = 20 log(U)(減衰量をdB[電圧]で計算するための一般的な式)

a = 10 log(P)(減衰量をdB[パワー]で計算するための一般的な式)

Trc1の表示トレースは、次の式で計算されます。

dBmag(Trc1) = 20 * log(Trc1)

表示値を2分の1にするには、0.5を乗算する必要があります。

0.5 * dBmag(Trc1) = 0.5 * 20 * log(Trc1)

一般に、以下の関係が成り立ちます:r * log(x) = log(xr)

この関係を適用すると、次の式が得られます。

0.5 * dBmag(Trc1) = 20 * log(Trc1 0.5)

"20 * log" の項は、アナライザ内部で実行されます。したがって、"User Def Math for Trc1" には次の項を入力するだけで済みます。

(Trc10.5)

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ヒント:

減衰量を測定するには、"OFFSET" ハードキーの下にある "Auto Length and Loss" 機能を使用する方法もあります。