ローデ・シュワルツが航空安全の担い手?もちろん!

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ローデ・シュワルツが航空安全の担い手?もちろん!

世界の航空交通において、セキュリティーは最も重要な課題です。業界基準を打ち立てるローデ・シュワルツのソリューション

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Updated on 5月 13, 2024 🛈
Originally published on 6月 20, 2019

電車や車と比較して、飛行機は最も安全な移動方法です。国際航空運送協会(IATA)は、統計的に、14,000年間事故に遭遇せずに飛行することが可能と報告しています。この数字を支えているのは、よく訓練されたパイロットだけではありません。とりわけ大きいのが、地上と空中の通信システムの存在です。

空中で新記録を打ち立て続けるために必要な最高のテクノロジー

空中で新記録を打ち立て続けるために必要な最高のテクノロジー

現在、空域は非常に混雑しています。何万機もの民間旅客機が常に飛行しており、ピーク日における飛行中の航空機の数は、世界中で20万機にのぼります。あらゆる予測に従えば、航空交通量は大幅に増加し続け、2037年までに、年間の航空旅客数が2倍になると見込まれます。この増加を少なからず後押ししているのが、安全性と効率の向上です。

世界中で見られる航空交通量の増加と、ますますタイトになる航空輸送の相互リンクは、さまざまな課題を生み出します。あらゆる場所のインフラに妥協のない信頼性が求められます。テクノロジーは、安全が保証され、互いに完全に連携している必要があります。乗客は、これをより意識する場合とほとんど意識していない場合があります。乗客と一緒に飛行機に乗り込むことで、この点を順番に見ていきましょう。

旅の始まり

旅の始まり

手荷物を持ってチェックインした後、セキュリティーチェックを受けます。セキュリティー担当者は、危険物が航空機の客室に持ちこまれるおそれがないことを確認します。ボディースキャナーにより、持ち込み禁止の品をほんの数秒で検出できます。

その間、荷物が航空機に運び込まれます。貨物運搬車の運転手は、管制センターと無線でつながっています。空港の無線ネットワークは、給油、ケータリング、緊急対応車、エプロン・シャトル・バス、消防など、他の多くのサービスでも使用されています。潜在的な問題としてあげられるのが、そうした無線信号に対する妨害であり、ディスプレイパネルや不具合のあるプリンターからの電磁エミッションによっても無線通信の質が低下します。したがって手順の安全性を確保するには、そうした妨害をトレースし、直ちに除去する必要があります。

離陸準備の完了 

離陸準備の完了 

乗客が飛行機に乗り込んでほっとしているあいだに、パイロットは、管制塔から航空機の離陸スロットについての情報を受け取ります。地上および空中での安全を確保するには、航空交通管制と航空機間の音声無線通信は、絶対に信頼できる、明瞭なものでなければなりません。航空交通管制官は、送信が、パイロットにとって判読不能または不明瞭でないかどうかを確認する必要があります。

雲によってストームが発生するかどうかの見極め

雲によってストームが発生するかどうかの見極め

航空運送システムは、ほとんどすべての気象状況に対処できるようデザインされています。しかし、乱気流は乗客とパイロットのどちらにとっても楽しい経験ではありません。パイロットが、天候についても測定システムを頼りにしているのはそのためです。

航空交通管制は、レーダーセンサを使って飛行をモニターし、安全に誘導します。パイロットは、搭載されている気象レーダーを使ってストームセルを素早く識別することで、航空機を迂回させる際にセルとの間隔を広くとることができます。高精度T&M機器が、問題のないレーダー操作を可能にします。

時間の有効活用

時間の有効活用

飛行中、乗客は、電子メールの確認、プレゼンテーションの最終仕上げ、その後の動画のストリーミングなど、機内の接続環境の恩恵を享受します。現在では、このすべてが滞りなく行えます。無線LANまたはインターネットベースの娯楽コンテンツを利用可能にするには、飛行機内および飛行機上のすべての送信/受信デバイスが確実に機能する必要があります。これを保証するのが、例えば衛星アンテナまたは無線LANルーターでのテストと測定です。ネットワークは、飛行機のシステム監視データと乗り継ぎ便に関する情報も送信します。

着陸準備

着陸準備

飛行の終わりに、客室乗務員が着陸の案内を行い、パイロットが降下を開始します。航空交通管制官は、無線測位デバイスを利用しながら、飛行機の正確な位置と機首方位、および他の航空機との必須分離間隔の順守をチェックします。

大雨、強風、濃霧の中でも、400トンのこの鳥(航空機)は、そのブレーキ距離と同程度の長さのアスファルトの狭い帯の上に、ピンポイントの精度で着地します。これを可能にしているのが、地上ベースのILSやGBAS着陸システムなど、高精度の飛行誘導信号です。ローデ・シュワルツは、これらのシステムを円滑かつ安全に運用するためのT&M機器を提供しています。

地上での安全に不可欠

地上での安全に不可欠

ローデ・シュワルツは、安全な航空業務を実現するための広範な最先端ソリューションに加えて、空港および航空ナビゲーションセンター向けの機器も提供しています。セキュリティースキャナーによる乗客のチェックには、迅速かつ配慮の行き届いた方法がとられており、衣服を脱いだり、スキャナー内で身体の向きを変えたり、さらには腕を上げたりする必要もありません。ローデ・シュワルツのセキュリティースキャナーは、多くの国際空港で使用されています。

無線ネットワークのモニター用の便利なソリューションを使用すると、妨害や干渉の識別が可能になるため、それらを安全に排除することができます。こうしたソリューションを利用することで、すべての信号は、高密度の空港無線ネットワーク上の必要な場所に、所定の周波数バンド内に収まった状態で正確に送信されます。

Safe and secure transport in the air

空中での安全で確実な輸送

空域の安全な監視と管制が、ローデ・シュワルツのさまざまな探索/位置特定ソリューションによって可能になります。これには、航空機の正確な位置と方向を航空交通管制官に報告する、無線方向探知機が含まれます。

ポートフォリオにはさらに、同時伝送検出用の無線機など、飛行の安全に関連する無線通信での誤り検出用ソリューションも含まれます。2名のパイロットが話していることがはっきりしない場合に、2つの重なり合う無線送信を航空交通管制官が受信すると、航空交通管制官は、誤った離陸飛行をクリアする可能性があり、2機の航空機が同時に滑走路へ誘導される恐れがあります。ローデ・シュワルツのソリューションは、そうしたシナリオと、それによって必然的に発生する大きな遅延に対する防止機能を提供します。さらに、グローバル・ユニーク・ソリューションによるパイロットと航空交通管制官の音声品質チェックが、潜在的なエラーの特定を可能にします。

衛星や無線ネットワーク用のさまざまなT&Mソリューションを活用して、搭載されているインフラ設備の規格への適合性やエラーの原因を確認できます。

航空業務におけるデジタル化とサイバーセキュリティー

航空業務におけるデジタル化とサイバーセキュリティー

将来的には、航空業務用のすべての通信システムがデジタル化されます。地上では、IPが今日のアナログ接続に取って代わるはずです。航空交通管制において、デジタルシステムは、より良い故障安全を保証し、航空交通管制官の負担を軽減します。この分野における優れた例が、ローデ・シュワルツによって開発された完全にIPベースの通信システムです。このシステムは、例えばアイスランドとアイルランドの航空交通管制機関で使用されています。システムによって実質的に両国の空域管制センターがリンクされるため、それぞれの空域における作業を相互に処理するといったことが可能になります。ハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントだけでなく、すべてのインタフェースが物理的または仮想的に4重化されます。この4重の冗長性は、これらのコンポーネントの不具合に対する保護対策として特に有効です。

これに関連して、サイバーセキュリティーも重要性を増しています。結局のところ、インターネットベースの通信の安全性を保持するには、操縦操作や望ましくない干渉から適切に保護することが不可欠です。この分野でも、ローデ・シュワルツは、セッション境界コントローラーやネットワークセキュリティー用に特別に保護されたルーターなど、幅広い専用ソリューションを提供しています。

ワンストップショッピング:マイクからアンテナまで

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ローデ・シュワルツは、高性能製品だけでなく、地上-地上間通信および地上-空中間通信用の包括的なソリューションを、航空交通管制サービスプロバイダーおよび航空交通管制分野の当局、ならびに80か国の200以上の空港に提供しています。このようにローデ・シュワルツは、グローバルな航空業務における安全性とセキュリティーで大きな役割を担っています。

ATC in the trusted cloud

その他の有益な情報

安全で経済的な航空交通管理、24時間365日の信頼性

ローデ・シュワルツは、ATC通信にクラウドの原則を実装した世界初のメーカーとなりました。すべての通信リソースは、VoIPインタフェースを装備し、共通の高可用性のセキュアIPバックボーンを介して接続されています。そのため、物理的および地理的に分散したコントロールセンターを統一された論理ユニットにプールすることができます。このコントロールセンターの仮想結合には、コスト削減に加えて、可用性の向上、負荷分散、システム全体のフェールセーフの向上などの利点があります。

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