DVB-SHテクノロジー

DVB-SH規格EN 302 583は、携帯端末に対するハイブリッド衛星/地上波デジタルテレビ放送用の伝送システムを仕様化しています。この規格は、DVB-T、DVB-H、DVB-S2システムの規格から派生したものです。DVB-SH規格の目的は、携帯機器用衛星サービスに適した3 GHz未満の周波数を使用して、効率的な伝送システムを提供することです。移動体衛星チャネル障害に対する受信しきい値と耐性に焦点を当てています。

システムは、ハイブリッド衛星/地上波インフラストラクチャーに依存しています。信号は2つの経路で携帯端末にブロードキャストされます。

  • 1つは、衛星を介した放送局から端末への直接経路です。
  • もう1つは、地上リピーターを介した放送局から端末への間接経路です。地上リピーターは衛星に対してCGC(Complementary Ground Component)を構成します。CGCは、衛星および地上の分配回路から電源を受給できます。

システムには2つの伝送モードがあります。

  • 1つは、DVB-T規格に特殊な拡張を行ったものをベースにしたOFDMモード(SH-A)です。このモードは、直接経路と間接経路の両方に使用できます。2つの信号がレシーバーで結合され、SFN構成での受信を強化します。
  • 一方、DVB-S2規格から派生したTDMモード(SH-B)は、衛星から携帯端末に向かう伝送を最適化するためのものです。このモードは、直接経路のみで使用されます。

システムは、関連地域の伝送の信頼性向上のために、衛星TDMモードと地上波OFDMモード間のコードダイバーシティー再結合をサポートしています。DVB-SH規格は、デジタル信号フォーマットとデジタル信号変調/コード化を仕様化しています。これにより、異なるメーカーで開発された機器間の互換性を実現できます。変調器端の信号処理は詳細に記述されていますが、受信端の処理については個々の実装に開放されています。

DVB-SHの配備シナリオ

初期のフィールドテストは2008年に実施されました。テストの時には使用できる衛星がありませんでした。2009年に、1つの衛星が本テクノロジーのサービスを開始し、欧州全体をカバーしました。

テクノロジーの概要

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