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量子テクノロジー

量子研究の取り組みの強化

量子テクノロジーのアプリケーション

量子効果は、すでに私たちの日常生活の中にも活かされています。例えば、最新のスマートフォンには数十億個のトランジスタが含まれていますが、それらは電流と電圧を制御するために半導体の量子力学特性を利用しています。これは量子テクノロジーの第1世代であり、自然な量子効果を利用しています。一方、第2世代は個別の量子状態の作成と制御に焦点を当てています。

ローデ・シュワルツは、RFテクノロジーでの高い専門技術とデバイスの優れた性能によって、量子研究の進歩を支えています。2021年7月、Zurich Instrumentsがローデ・シュワルツ・ファミリーに加わりました。同社の提供する広範囲な量子テクノロジーソリューションは、ローデ・シュワルツの電子計測ポートフォリオにとって理想的な存在です。

量子テクノロジーには、主に以下の3つの分野があります。

  • 量子コンピューティング
  • 量子通信
  • 量子センサテクノロジー

量子コンピューティングは量子テクノロジーには不可欠な分野です。バイナリーコードを使用してデータをシーケンシャルに処理する従来のシステムと異なり、量子コンピューター(QC)はデータをパラレルに処理することで時間を節約します。そのため、従来のコンピューターでは難しい複雑な問題を処理できます。QCによって公開鍵暗号化方式は陳腐化する可能性があり、将来起こりうる攻撃シナリオについて研究が必要になります。

そこで登場するのが量子通信です。量子鍵配送(QKD)は、公共の通信手段で二者が秘密の暗号化キーをセキュアに交換できる暗号化手法です。盗聴を試みると、量子状態の乱れが発生し、通信当事者にアラートが送信されます。量子コンピューティングと異なり、QKDは実現間近です。ローデ・シュワルツとZurich Instrumentsはこのプロセスに積極的に関与し、耐量子ソリューションを既存のシステムに統合するためにOpenQKDなどのプロジェクトに参加しています。

量子テクノロジーのもう一つの重要なアプリケーションがセンシングです。量子センシングは、高精度レーダーにおいて大きな可能性を持ち、従来のレーダーテクノロジーでは困難だった、ドローンのような低速移動する小さな物体の検知を可能にします。ローデ・シュワルツはまさにこの目的で、UK Quantum Technology Hub Sensors and Timingプロジェクトによる量子時計の評価をサポートしてきました。マイクロ波周波数で量子レーダーを調査するQuarate(Quantum Radar Team)プロジェクトにも参加しています。

量子コンピューティングの研究をサポート

量子コンピューティングテクノロジーはまだ実験段階ですが、その進化は速く、多くの魅力的なアプリケーションが現れようとしています。例えば、複雑な分子のシミュレーションは、現在のコンピューターではきわめて困難であり、処理に1世紀以上を要します。一方、量子コンピューターでは、こうしたタスクを理論上数時間以内で遂行できます。また、量子コンピューティングは、気候解析、交通計画、バイオインフォマティクス、金融サービス、暗号化、暗号解読など、他の多くのアプリケーションにメリットをもたらすことが期待されています。

さらに、ローデ・シュワルツは、OpenSuperQPlus、MUNIQC-SC、IQM、Q-NEXT、Chicago Quantum Exchange(CQE)、ETH Zurichといった、量子研究の多くのプロジェクトや組織からパートナーとして信頼されています。こうした協力関係を通じて、当社は量子研究の進歩を牽引し続け、この革新的なテクノロジーの未来を形作るうえで欠くことのできない役割を果たし続けます。

量子テストの課題の解決

量子コンピューターの構築と実行には多くの複雑な課題が伴い、量子ビットの数が増えるにつれてこの課題は拡大します。

量子システムをテストする際の主な課題は以下のとおりです。

  • 量子ビットのコヒーレンス時間を長くするために、スペクトロスコピーを使用して、製造工程の特性評価と新しい材料のテストを行う。
  • 機能を検証し、量子コンピューティングの制御および読み取りシステムの特性評価を行う。
  • 量子プロセッサを強化する。
  • システムのコヒーレンスを保ち、低いエラーレートで安定させる。
  • 不安定でノイズの大きい量子ビット制御パルスによって引き起こされる量子情報の損失の可能性に対処する。
  • 高度に統合されたスケーラブルな制御システムで量子アルゴリズムを自動的に実行する。

量子エンジニアリングソリューション

ローデ・シュワルツは、Zurich Instrumentsと連携し、設計から運用に至るまで、QCの開発サイクル全体をサポートしています。

当社のポートフォリオの紹介と概要:

  • 量子コンピューティング制御システム(QCCS)
  • 最大64量子ビットのリアルタイムの読み取りセットアップを伴う量子アナライザ
  • シグナル・アナライザ、任意波形発生器(AWG)、信号発生器、および使いやすい制御ソフトウェアを組み合わせた量子コンピューティングソリューション一式
  • さまざまな信号発生器:高性能なアナログ信号発生器およびコンパクトでスケーラブルなベクトル信号発生器
  • シグナル・スペクトラム・アナライザ:優れたRF性能を装備
  • 汎用高性能ネットワーク・アナライザ
  • オシロスコープ:優れた信号再現性、高い捕捉レート、革新的なトリガシステムを実現
  • 電源:最高の基準に従って製造
ローデ・シュワルツとZurich Instrumentsのソリューションによる量子コンピューターの構築
量子コンピューターを構築する方法
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量子エンジニアリングソリューションの製品ポートフォリオ

オシロスコープ

量子エンジニアリングソリューション向けの革新的なオシロスコープをご覧ください。これらのオシロスコープは、優れた信号再現性、高い捕捉レート、高度なトリガシステム、使いやすいユーザーインタフェースを備えています。市場初のデジタル・トリガ・オシロスコープをご確認ください。

詳しくは

シグナル・スペクトラム・アナライザ

ローデ・シュワルツのアナライザはRFエキスパートにより設計されており、優れたシグナルインテグリティーにより市場をリードしています。85 GHzのアナライザからコンパクトなハンドヘルド型モデルまで幅広い機種から選択いただけます。

詳しくは

ベクトル信号発生器

要求の厳しい作業に対応できるハイエンドのRFベクトル信号発生器をご覧ください。当社のポートフォリオは、専用のソリューションにより、研究開発、製造、サービスのニーズに対応しています。

詳しくは

量子コンピューティング制御システム(QCCS)

100個以上の超伝導量子ビットおよびスピン量子ビットを制御する初のシステム、Zurich Instruments社の量子コンピューティング制御システム(QCCS)をご確認ください。最先端の従来型制御電子機器により、量子プロセッサの開発を促進します。

詳しくは

LabOneQソフトウェア

LabOneQは、Pythonベースの上位インタフェースを用いて量子ラボで精密なマルチチャネル信号制御を行えるようにすることで、量子コンピューティングの進歩を加速します。

詳しくは

SHF+ Product Line

The SHF+ product line sets a new standard for high-fidelity qubit control and readout. With a new analog front end, the SHF+ instruments come with even higher signal-to-noise ratio (SNR) and even lower phase noise than before, making top analog performance available for your lab.

More information

ローデ・シュワルツの量子テストソリューションの利点

ローデ・シュワルツは、研究パートナーとともに、最高の量子テクノロジーソリューションの開発に取り組んでいます。

ローデ・シュワルツのソリューションの特長:

  • 正確で再現性の高い結果
  • 拡張性
  • 優れた操作性
  • 既存のセットアップにシームレスに統合できる相互運用性
  • 継続的なサポートとテクニカルリソース

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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