Bluetooth®テストソリューション

ユビキタス接続のためのBluetooth®テスト

Bluetooth®とは？

Bluetooth®は、パーソナル・エリア・ネットワーク（PAN）でのデータ通信を可能にする短距離無線テクノロジーの1つです。Bluetooth®通信では、いわゆるピコネットが形成され、1台の親デバイスと最大7台の周辺デバイスをつなぐことができます。

Bluetooth®は、1 MHzまたは2 MHz幅のチャネルで周波数または位相シフトキーング（FSK/PSK）変調を利用し、グローバルに利用可能な2.4 GHzのISMバンドで動作するアダプティブ周波数ホッピング（AFH）方式を使用します。

当初は、アドホックなネットワークで最大1 Mbit/sの基本レート（BR）で特定のプロトコルスタックプロファイル（オーディオストリーミングやファイル交換など）をサポートするデータ接続を行うことを目的としていました。その後、Bluetooth® 2.0で、エンハンスドデータレート（EDR）が仕様化されました。

低電力データ通信に対する需要に応えて、Bluetooth® Special Interest Group（SIG）はBluetooth® 4.0で、Bluetooth®Low Energy（LE）テクノロジーの導入に着手しました。これは、さまざまなウェアラブルデバイス、周辺デバイス、IoTデバイスと接続するために、親デバイスで使用されるのが一般的です。

Bluetooth® ClassicとBluetooth® Low Energy

物理層に関して言うと、Bluetooth® ClassicとBluetooth® LEはどちらも2.4 GHzバンドで動作し、周波数ホッピングを利用します。しかし、両者にはいくつかの重要な違いがあります。

Bluetooth®クラシックは基本レート（BR）モードとエンハンスドデータレート（EDR）モードをサポートしており、これらはいずれも、2402 MHz～2480 MHzの範囲の1 MHz幅の79チャネルで周波数ホッピングを使用します。使用するパケットフォーマットと変調方式は、それぞれのモードで異なります。

Bluetooth® Low Energy（LE）は、2 MHz幅の40個のRFチャネルを使用します。これには3つのプライマリアドバタイズチャネルが含まれています。Bluetooth® 4.0では、ガウシアン周波数シフトキーイング（GFSK）変調を使用する1 Msym/s通信（LE 1M）が導入されました。Bluetooth® 5.0では、通信範囲を拡げるための新しい2つのオプションと、2 Msym/sのシンボルレートを用いた高データレート通信用の追加モード（LE 2M）が導入されました。

Bluetooth®のユースケース

Bluetooth®は短距離の低電力無線通信を実現する主要なテクノロジーで、毎年50億台を超えるデバイスが出荷されています。このテクノロジーは、イヤホンやフィットネストラッカーなどの従来のユースケースに留まらず、次のような新しい領域にも用途が広がっています。

LE Audio：オーディオ品質の向上、ブロードキャスト機能、および標準化された補聴器のサポートに対応した新しいオーディオアプリケーション
位置情報サービス：Bluetooth®方向探知と高精度距離測定（HADM）などの最新の機能により、リアルタイムナビゲーション、アセット探索、デジタルキーなどのアプリケーションが利用可能
スマートホーム：Bluetooth® Meshおよび通信範囲拡大（LE Coded）により、スマート照明アプリケーション、センサネットワークとアクセスコントロールなどのアプリケーションをサポート
大規模IoT：LEアドバタイズの機能拡張および大規模低電力Bluetooth®ネットワークにより、小売および物流アプリケーションでの電子ラベル（ESL）の大規模な利用が可能になります。さらに、エナジーハーベスティングなどの電力源を持つ低コストのBluetooth®タグによってアンビエントIoTが実現される可能性があります。

Bluetoothテストプロセス

Bluetooth®デバイステストと認定

Bluetooth®デバイステストは、以下に基づいて行われます。

規制適合（2.4 GHzバンドでの無線動作）
Bluetooth®仕様への準拠（Bluetooth®認証プロセスの一部）

Bluetooth®認定は、相互運用性を確保し、関連するBluetooth®仕様に適合することを目的に、Bluetooth® SIGが主導して実施しています。Bluetooth®知的財産ライセンスを取得し、関連するBluetooth®商標を申請するには、認定の取得が必要です。

Bluetooth®認定テストのカテゴリ：

無線および物理層適合
プロトコル適合
プロファイル相互運用性適合

また、Bluetooth® SIGでは、コンプライアンステスト時に被試験実装（IUT）を制御するのに使用するテストモードとインタフェースも仕様化しています。Bluetooth® BR/EDR向けには、無線ベースのIUT制御が仕様化されています。これは、リンク管理プロトコル（LMP）を用いてBluetooth®無線リンクを介してIUTを制御します。

Bluetooth® LEでは、無線外テスト制御による異なるアプローチが採用されており、ホスト制御インタフェース（HCI）または2線式UARTインタフェースのいずれかの専用の有線インタフェースが使用されます。

これらの標準化されたテストモードとインタフェースの他に、適用可能なその他のテストセットアップも存在します。例えば、ベンダー固有のインタフェースを介して被試験デバイス（DUT）を制御できます。また、Bluetooth®スタックの一部を使用して、製品ライフサイクル内のさまざまなテストアプリケーションに対応するソリューションも存在します。

ローデ・シュワルツのBluetooth®テストソリューション

ローデ・シュワルツの包括的なBluetooth®テストソリューションポートフォリオは、Bluetooth® SIGによって承認済みです。ローデ・シュワルツのソリューションは、Bluetooth®コア仕様に沿ってBluetooth® BR/EDR/LEをサポートしています。

さらに、R&S®CMW 無線機テスタは、Bluetooth®オーディオテスト、無線LAN、およびその他の非セルラー／セルラーテクノロジーをサポートしています。ローデ・シュワルツはイノベーションリーダーとして、シグナリングモードでの独自のBluetooth®テストソリューションを提供しています。このテストソリューションでは、有線接続とOver-The-Air（OTA）セットアップの両方でBluetooth®デバイスをテストできます。