Bluetooth® Classic - BR/EDR

Bluetooth® Classic - BR/EDR

Bluetooth® Classicの概要

Bluetooth® Classicは、2.4 GHzのISM周波数バンドでデータを伝送する周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)システムです。当初は、アドホックなネットワークで最大700 kbit/sでプロトコルスタックプロファイル(オーディオ、ファイル転送、ストリーミングなど)を用いて、低電力データ接続を行うことを目的としていました。Bluetooth® Classicは、さまざまなデバイス間で無線接続を行えるようにするため、大半の携帯電話やノートパソコンに実装されています。また、最新の自動車のほとんどに、Bluetooth®対応の車載エンターテインメント(ICE)システムとハンズフリー通話システムが搭載されています。

Bluetooth® Basic Rate(BR)に加えて、Bluetooth® Enhanced Data Rate(EDR)がBluetooth® 仕様2.0で導入されました。EDRでは、データレートの高速化が図られ、使用される変調方式に応じて、最大2~3 Mbit/sのデータレートをサポートしています。

Bluetooth® ClassicとBluetooth® Low Energyの比較

Bluetooth® Classic無線、つまり、Bluetooth® BR/EDRは、ポイントツーポイント無線通信をサポートしています。Bluetooth® BR/EDRは、ヘッドフォン、ワイヤレススピーカー、ICEシステムや、ハンズフリー通話アプリケーションで使用される標準的な無線になっています。その後、Bluetooth® Low Energy(Bluetooth® LE)やLE Audioが導入され成果を上げていますが、大半のデバイスがBluetooth® ClassicとBluetooth® LEの両方をサポートしており、Bluetooth® Classicは今なお重要な役割を担っています。

Bluetooth® BRとEDRの比較
Bluetooth® BRとEDRの比較

EDRパケットの同期およびヘッダー部では、ガウシアン周波数シフトキーイング(GFSK)変調が採用されています。GFSK変調はBasic Rate(BR)パケットで使用されているものと同じで、帯域幅ビット周期積(BT)は0.5で、変調指数は0.28~0.35です。EDRパケットのデータ部では、以下のように、π/4-DQPSKや8DPSKというより高次の変調方式が使用されます。

Bluetooth® BRとEDRの比較
Bluetooth® BRとEDRの比較

Bluetooth® Classicは、以下に基づいた2種類の伝送方式をサポートしています。

  • 同期通信指向リンク(SCO):対話型の音声通信に使用
  • 非同期通信リンク(ACL):パケットデータおよびオーディオ/ビデオストリーミングアプリケーションに使用

Bluetooth®テストの課題

Bluetooth®デバイスの開発者は、統合を容易に行うため、すぐに使えるチップセットやモジュールを使用します。ただし、各デバイスの設計は少しずつ異なります。最終的な設計には、アンテナの設計、電源、その他の無線通信チップ、最終的なハウジングなど、全体的な性能に影響を及ぼす可能性のある複数の要因が存在します。そのため、各Bluetooth®デバイスをテストして性能を検証し、Bluetooth® Special Interest Group(SIG)の規格や規制要件に適合していることを確認する必要があります。Bluetooth®は免許不要のスペクトラムで動作し、同じスペクトラムを使う他の無線テクノロジーと共存する必要があるため、これは特に重要です。

Bluetooth® Classicデバイスの物理層テスト

Bluetooth® Classicデバイスには、複数のRFテスト方法が存在します。テストは、ベンダー固有の制御インタフェースを使って制御できます。これは、研究開発や製造段階における完全に自動化されたテストでよく使用されます。Bluetooth® SIGによって標準化されたテストモードは、BR/EDRデバイスのコンプライアンステスト向けです。このテストモードでは、有線接続(Conducted)とOver-The-Air(OTA)セットアップの両方でBluetooth®トランスミッターとレシーバーをテストできます。

RF認定用のBluetooth® Classicテストモードセットアップ
RF認定用のBluetooth® Classicテストモードセットアップ

テストを行う際には、テスタと被試験実装(IUT)がBluetooth®ピコネットを形成します。テスタは親デバイスとして機能し、リンク管理プロトコル(LMP)を用いて制御インタフェースを介してテストシーケンスをすべて制御します。IUTは、周辺デバイスとして機能し、セキュリティー上の理由からテストモード(TM)でIUT固有のローカルインタフェースを介して最初に設定されます。

一般的なBluetooth®物理層のテスト項目には、送信パワー、パワー密度スペクトラム、スプリアスエミッション、変調精度をカバーするトランスミッターテストと、感度やブロッキング性能に関するレシーバーテストに関する内容が含まれます。

R&S FSW-K8によるBluetooth® BR物理層測定の例
R&S FSW-K8によるBluetooth® BR物理層測定の例

これは、次の表に示すように、Bluetooth® SIGがRF認定用に仕様化したテストケースにも反映されています。

RFテストスイートとEDR RFテストスイートの比較
RFテストスイートとEDR RFテストスイートの比較

オーディオストリーミング、データ転送、ハンズフリー通話などのアプリケーションの性能を評価する際には、テスタとDUTの間でフル機能のBluetooth®接続を使用し、さらに、オーディオストリーミング用のA2DPや対話型の音声通信をサポートしており、Bluetooth® Classicは今なお重要な役割を担っています。

Bluetooth® Classicテスト用の高性能ソリューション

ローデ・シュワルツの電子計測ソリューションは、デザイン、認証、製造に関する最新のBluetooth®コア仕様に沿って、Bluetooth® BR/EDR/LEをサポートしています。この他にも、デジタルデザイン、低電力アプリケーション、OTAテストに対応したローデ・シュワルツの広範なポートフォリオが用意されています。

R&S®CMW 無線通信テストプラットフォームは、バージョン5.xまでのBluetoothをサポートしています。このテストプラットフォームは、Bluetooth® SIGによって仕様化されたBluetooth® Classicテストモードカバーしており、さらにフル・スタック・シグナリング機能包括的なテスト自動化ツールを備えています。

Bluetooth®テスト機能は、信号発生器およびシグナル・アナライザを含めたすべての主要なローデ・シュワルツの電子計測機器でも利用できます。これらの製品では、Bluetooth®やその他のセルラー/非セルラー規格がサポートされています。

Bluetooth®の個別のテストケースについては、弊社のエキスパートがご質問にお答えいたします。お気軽にお問い合わせください。

Bluetooth® Classicテストソリューション

R&S®SMBV100B ベクトル信号発生器

Bluetooth® BR/EDRおよびBluetooth® LE 5.xに対応した最先端の信号発生器

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R&S®FSV3000 シグナル・スペクトラム・アナライザ

Bluetooth BR/EDR/LEの高速測定 - 研究開発から製造まで対応

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R&S®CMW270 無線機テスタ

バージョン5.4までのBluetooth® BR/EDR/LEテストに対応したBluetooth® SIGによる認定取得済みRFテスタ

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R&S®TS8997 無線デバイス用規制テストシステム

ETSIおよびFCCに準拠したISMバンドでの規制テスト用の最先端プラットフォーム

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R&S®CMW100 通信製造テストセット

製造ライン向けに最適化された超コンパクトなノンシグナリングテスタ

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R&S®CMW-Z10 シールドボックス

Bluetooth®デバイスのOTAテストに最適 - 優れたシールド効果

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Bluetooth® ClassicのKnowledge+

アプリケーションノート:From cable replacement to the IoT – Bluetooth® 5.1

物理層を中心にしたBluetooth®テクノロジーの概要

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アプリケーションノート:R&S®CMWのBluetooth®アダプティブ周波数ホッピング

シグナリング性能を向上させるためのアダプティブ周波数ホッピングについての説明

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アプリケーションカタログ:R&S®CMWによるBluetooth®のテスト

Bluetooth®テクノロジーおよびR&S®CMW500によるBluetooth®デバイスのテストの詳細ガイド

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アプリケーションノート:R&S®CMWrunによる高度なBluetooth® RFテスト

高度なBluetooth® RFテストの一般的なセットアップと必要な設定に関するドキュメント

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車載用インフォテインメントシステムのRF共存テストの概要

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