新しいT2-MIインタフェース経由のDVB-T2信号供給のテストとモニタリング

送信機へのDVB-T2信号供給にエラーがあると、DVB-T2ネットワーク全体に障害が起きる可能性があります。このため、策定済みのETSI TR 101 290 DVB測定ガイドラインが拡張され、新しいT2-MIインタフェースの測定が追加されました。R&S®DVMSシリーズの測定器では、これらの新たに定義された測定を実行することでT2-MI信号をモニタリングできます。また、これらの信号の詳細な解析も可能です。

課題

新しいDVB-T2 TV送信規格に沿って、送信機にプログラムや制御データを供給するための新しいインタフェースであるDVB-T2変調器インタフェース(T2-MI)が作成されました。このインタフェースでは、DVB-T2ゲートウェイからの出力とDVB-T2変調器への入力が定義されています。

DVB-T2ゲートウェイの運用開始時および運用中に、作成されたT2-MI信号の完全性を確認する必要があります。さらに、送信機に対する信号の適切な分配を確認する必要があります。エラーが発生した場合は、適切な措置を講じることができるように、エラーの原因をすみやかに特定する必要があります。欠陥のあるT2-MI信号が変調器に到達すると、送信機に不具合が起きる可能性があります。

T2-MIモニタリングのコンセプト
T2-MIモニタリングのコンセプト
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電子計測ソリューション

ゲートウェイ出力と変調器入力でT2-MI信号を24時間体制で継続的にモニタリングし、データ内容と構造的なインテグリティを確認します。信号は、TS ASIまたはIPインタフェースを介して取得します。このT2-MIデータストリームはMPEG-2トランスポートストリームに基づいていますが、それよりもかなり複雑です。

このT2-MIデータストリームには追加のデータレイヤが含まれるため、通常のMPEG-2トランスポート・ストリーム・アナライザを使用して基本的な解析を行う必要があります。実際のT2-MIモニタリングや詳細分析を行うことはできません。

R&S®DVMSシリーズの測定器の新しいT2-MIオプションでは、これに必要な機能が利用できます。この機能は強力で操作しやすく、DVB測定ガイドラインに対するA14-1改正に準拠した18の測定を実行できます。これにより、T2-MI信号を高い信頼性でモニタリングできます。さらに、統合されたマルチプレクサーにより、T2-MI信号の構造をすべて把握し、必要に応じてさらに解析を行うことができます。

DVMS T2-MIモニタリングソリューション
R&S®DVMS T2-MIモニタリングソリューション
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アプリケーション

R&S®DVMS測定器の直感的なユーザーインタフェースでは、ローカルまたはリモート制御に関わらず、T2-MIのモニタリングと測定をガイドラインに準拠した形ですばやく設定できます。継続的なモニタリング中に取得した結果は、SNMPトラップとしてR&S®TS4570などの上位レベルのネットワーク管理システムに自動的に転送できます。また、統合されたWebインタフェース経由で結果を手動で利用することもできます。

DVB-T2ネットワークが全体として高い信頼性で動作することを保証するために、R&S®DVMSファミリーの測定器にはさらに多くの機能が用意されています。新しいT2-MIデータストリームのモニタリングと並行して、上位レベルのMPEG-2トランスポートストリームや含まれるすべての物理層パイプの各プログラムを、ETSI TR 101 290に準拠した実績のある方法を使用してモニタリングします。オプションで、R&S®DVMS-B54 DVB-T2受信モジュールを使用すると、送信機による信号出力のRF品質をモニタリングすることもできます。