5G NR FR1におけるビームフォーミングのリアルタイム検証
MU-MIMOアンテナアレイの開発中に、ビームフォーミングアルゴリズムは、着実に改訂されています。ビームフォーミングの迅速な検証は、それを使用するのが連続テストであろうと新たに導入される機能の検証であろうと、ビームフォーミングアンテナの研究開発の加速と製品の性能向上に役立ちます。
MU-MIMOアンテナアレイの開発中に、ビームフォーミングアルゴリズムは、着実に改訂されています。ビームフォーミングの迅速な検証は、それを使用するのが連続テストであろうと新たに導入される機能の検証であろうと、ビームフォーミングアンテナの研究開発の加速と製品の性能向上に役立ちます。
R&S®NRQ6 周波数選択型パワー・センサ
ビームフォーミングアルゴリズムの開発、検証、および機能強化を行って、それをサブ6 GHz周波数バンドに対応する実際の5G NRデバイスに展開する必要があります。課題は、数値および視覚的なリアルタイムのフィードバックを可能にして、実際のデバイスフロントエンドの現実的な測定に基づいて、アンテナカバレッジ全体の発生ビームパターンに関する知見を得ることです。理想的には、ビジュアリゼーションによってさまざまな信号やチャネルの個別ビームを、リソースグリッド独自の割り当てまでカバーすることが必要です。
ローデ・シュワルツは、R&S®NRQ6によって、広いダイナミックレンジを備えた周波数選択型パワーセンサを実現しています。これは、最大100 MHzの解析帯域幅でI/Qを記録することもできます。複数のR&S®NRQ6 パワーセンサと組み合わせれば、非常に正確で位相コヒーレントな記録を出力可能で、フル3D OTA測定なしで、個別ビーム設定の発生アンテナパターンを特定できる基本機器として使用することができます。
R&S®VSE ベクトル信号解析ソフトウェアとR&S®VSE-K146 5G MIMO測定オプションを組み合わせれば、I/Qの位相コヒーレントな記録と多彩な信号解析が可能になります。変調された5G NR波形の位相差も特定できます。アナログビームフォーミング、デジタルビームフォーミング、およびその派生ハイブリッド型を、基盤テクノロジーに関係なく解析して検証することができます。関連する位相差は、ビームフォーミングサマリービューを使用してソフトウェアから抽出することができます。
R&S®VSE-K146では、5G NR MIMO信号のマルチチャネル解析をパラレルに実行可能です。R&S®VSE-K146に、位相コヒーレントな複数のR&S®NRQ6機器か、またはマルチポートオシロスコープを組み合わせれば、PDSCH、CORESET、およびCSI-RSにてUE固有の基準信号の基準信号位相、位相差、ビームフォーミングサマリーを解析することができます。このデータに基づいて、アンテナアレイのビームフォーミング特性を計算することができます(右図を参照)。シミュレーションは測定に基づいて改善することができ、ビームパターンシミュレーションは、測定されたRFやアンテナフロントエンドから得られた実際のデータに基づいて作成することができます。ローデ・シュワルツのパワーセンサと復調ソフトウェアを使用すれば、フル3Dスキャンを行わなくてもビームフォーミング特性をリアルタイムで特定することができます。これにより、発生ビームパターンの3Dおよび2Dビジュアリゼーションが可能になり、さまざまなビームフォーミング設定、アンテナエレメントの重み付け、ビームフォーミングアルゴリズムの評価と検証が可能になります。アルゴリズムの性能を、実際のアレイアンテナのハードウェアとRFフロントエンドを考慮しながら、実際の測定に基づいて検証することができます。これにより、完全なビームフォーミングシミュレーションと専用の3D OTA測定の間のギャップを埋めることができます。
同時にアクティブになるアンテナエレメントの数が多いセットアップの場合は、適切な規模のスイッチマトリクスを使用して、共通の基準ポートに対して連続測定を実行することができます。あるいは、位相コヒーレントなパワーセンサを増やして、I/Qファイル記録およびR&S®VSEでの後処理を強化することで、セットアップを拡張することができます。データ処理を高速化するために、R&S®VSE Enterprise Editionを使用して測定の同時解析を行うことができます。