1月 28, 2021
R&S QARは、高度なレドームおよびバンパの材料試験と検証に対応したミリ波イメージング・システムです。卓越した性能・速度・品質に加えて直観的に操作できるため、レドーム材料や周波数76~81 GHzの組込みレーダーの開発・生産から検証まで、幅広いアプリケーションに最適なツールとなっています。高い空間分解能は、入射角の拡大とトレードオフの関係にあります。一般的なレーダー・センサは、たとえばフルレンジ(FRR)で±10°、ショートレンジ(SRR)で±60°というように視野が限られるのです。材料の特性評価手法から導かれるレドームの反射パラメータは、主に垂直な入射角に対して定義され、VNAを用いれば測定可能です。こうした状況に対して取り組んだのがR&S QAR-K50ソフトウェア・オプションです。
R&S QARで得た結果を、標準的なベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)と擬似光学(QO)セットアップで測定した結果と比較すると、いくらか違いが見受けられることがあります。しかし、それはR&S QARで用いるアパーチャがより大きいという理由からです。
この点こそが、R&S QAR-K50ソフトウェアという選択が強みを発揮する場面です。材料サンプルからの最も高い反射を自動的に検出し、テスト領域全体にわたって平均します。こうして決定した反射領域の平均値は、7秒以内にユーザーへと測定結果として提示されます。そして、この値はVNAによる反射係数S11とS22の測定結果と非常によく一致するのです。
このように研究開発の段階で行うVNAとQOセットアップの組合せによる測定結果が、R&S QARによる測定結果と直接対比できるようになりました。そのうえ、マイクロ波イメージングを利用しながらも、アンテナの開口を小さくすれば、VNAによるセットアップに比べて位置決め誤差の影響を受けにくく、生産現場により適したセットアップになります。R&S QAR-K50ソフトウェア自体が適切な測定領域を検出しますので、サンプルの位置が許容範囲をわずかに外れている場合でもオペレータは視覚的にフィードバックが得られます。R&S QARでは新たに、均質性解析に用いる高解像度画像にロバストで簡単に使える反射測定機能を組み合わせました。このR&S QAR-K50ソフトウェア・オプションで取得した測定値がQOセットアップにおいてVNAで得た結果と直接比較できます。
単一クラスタ測定向けのR&S QAR-K50ソフトウェア・オプションは、キーコードによるアクティブ化によって、最新ファームウェアとともにすべてのWindows 10機器にインストール可能です。キーコードは、ローデ・シュワルツおよび契約代理店から今すぐご購入いただけます。
自動車向けテスト・ソリューションについて
ローデ・シュワルツは、試験・計測機器の世界的なトップメーカーとして、先行開発からR&D、生産まで自動車開発のすべての段階に応じた専門技術のノウハウを提供しています。そしてOEM企業やティア1サプライヤ、半導体メーカーの皆様に、高周波数・広帯域・高速な試験課題に対する信頼性の高い当社ソリューションを有効に活用いただいています。ローデ・シュワルツは、レーダー・センサや車載Ethernetの認証、接続性(5G・V2X・eCall・GNSS)、インフォテインメント、EMI事前認証、EMCなどのテストにおける市場リーダーです。さらに、ECU生産での基板レベル試験(ICT/FCT)にも卓越したソリューションを提供しています。こうした試験ソリューションのすべてが、もっとも高水準な品質規格に従いながら最大限の効率を確実に発揮するとともに、様々な自動車部品の正確かつ協調的な動作や、エラーなく外部との通信ができるように保証しています。