5G NR基地局のコンフォーマンステストの高速化

テストケースウィザードにより、信号発生器は数回クリックするだけで、5G NR基地局のコンフォーマンステストに必要なすべてのパラメータを瞬時にセットアップできます。

図1:基地局のトランスミッターテスト(上)とレシーバーテスト(下)の典型的なテストセットアップ
図1:基地局のトランスミッターテスト(上)とレシーバーテスト(下)の典型的なテストセットアップ
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課題

5G NR向けに3GPPによって仕様化されているコンフォーマンステストは、伝導テスト向けのTS 38.141-1とOTAテスト向けのTS 38.141-2に記載されています。これには、雑音およびフェージング条件下におけるトランスミッター特性とレシーバー性能を評価するための測定が含まれています。基地局は、設置場所で稼働を開始する前に、現地のコンフォーマンステストに合格する必要があります。

一般的に、ベクトル信号発生器とシグナル・スペクトラム・アナライザを組み合わせて使用し、基地局テストを実施します(図1)。信号発生器は通常、雑音とフェージングを追加した状態で、いくつかの定義済み信号を提供します(図2)。さらに、基地局は多くの異なる設定(帯域幅)で、数百もの個別のテストを実施する必要があります。信号発生器の個別のテスト信号を正しく設定するには、非常に時間がかかります。

図3:テスト・ケース・ウィザードを使用し、わずか数ステップで複雑なテスト信号を作成可能
図3:テスト・ケース・ウィザードを使用し、わずか数ステップで複雑なテスト信号を作成可能
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ローデ・シュワルツのソリューション

R&S®FSW シグナル・スペクトラム・アナライザとR&S®SMW200A ベクトル信号発生器は、基地局テストの最新のハードウェアソリューションです。R&S®SMW200Aは、R&S®SMW-K144オプションを使用することで、5G NR信号発生の完全なソリューションを提供します。このオプションの特長は、テストケースウィザード(図3)です。これは、仕様に準拠した信号を設定するのに役立ちます。伝導測定およびOTA測定用のすべてのコンフォーマンステストケースがサポートされています。

関連するテストケースを選択したら、わずか数ステップで、複雑なテストシナリオを迅速に設定することができます。ユーザーは、帯域幅やセルIDなどの特定のパラメータを、わかりやすい構造のユーザーインタフェースに入力するだけです。テスト信号の結果はグラフィカルに表示され、信号設定の概要を容易に把握できます。

最小限の校正作業で正確な信号を提供

レシーバーを正確に測定するには、必要信号と干渉信号の出力レベルの正確さが重要です。R&S®SMW200Aでは、すべての必要な信号を内部で生成し、複数のRFポートから出力することができます。また、本器は内部にフェージングシミュレータを搭載することが可能なため、信号に追加のチャネルエミュレーションを適用することもできます。

従来のセットアップは、個別の信号発生器と外部のフェージングシミュレータを使用するため、必然的に複雑となり、校正の手間もかかります。R&S®SMW200AとR&S®SGT100A ベクトルRF信号源による完全統合型ソリューションを使用すれば、コンパクトな設計ながら最大8個の高精度出力信号を利用でき、校正の手間もかかりません。

図2:選択されたTS 38.141テストケースに必要な信号

3GPP TS 38.141に準拠するテストケース 必要信号 AWGN 変調された干渉信号 CW干渉信号 フェージング リアルタイムHARQおよびタイミング調整
6.7(6.8 OTA)トランスミッター相互変調
7.7 レシーバー相互変調
8.2.1 PUSCHの性能要件

詳細はこちら

伝導コンフォーマンステスト、TS 38.141-1準拠:

放射コンフォーマンステスト、TS 38.141-2準拠:

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