FAQs from Rohde & Schwarz

EMC32、ESCIでのCISPR Averageの使用

質問

EMC32にEMI自動テスト(EMC32-K10)とテストレシーバー(ESCI)を組み合わせて使用しています。問題は検波器CISPR AVを使用して最終測定を実行できないことです。

基本的に手動操作のESCIでは、トレースにCISPR検波器を使用できませんが、私が使用しているアプリケーションではこれは問題ありません。最終的な結果については、測定器でCISPR Average(CAV)を使用できます。Pk + AVでESCIで手動で実行するスキャンと、QP + CAVでの最終的な結果は、何の問題もなく使用できています。そのため、ESCIでCAV検波器を使って最終測定を行うことができるのですが、EMC32ではエラー番号4015の警告が表示されます。

エラー番号4015の警告

ESCIではCAV検波器を使って最終測定を行うことができるのに、EMC32に警告が表示されるのはなぜですか?

回答

ご指摘のように、ESCIではCAV検波器を使ったスキャンを行いません。これは、EMC32に表示されるエラー4015の原因でもあります。

EMC32のテストフローは、手動操作のESCIと異なり、ESCIよりも高度になっています。下のスクリーンショットでは、EMI自動テスト内にブラケットが表示されています。これには、2つ目の周波数ズーム、調整、最終測定が含まれています。この場合は、このオプションの2つ目のズームがアクティブになっています。

2つ目のズーム

このブラケットは、(1つ目のズームと同様に)2つ目のズームの測定が1つのブロックでは実行されないことを表しています。代わりに、これらの測定は対応する調整/最終測定の直前に実行されます(これはドリフトする干渉源に役立ちます)。

ズームは単一測定ではなく、重要な周波数近辺の狭い帯域での部分的なスキャンだということを認識しておくことが重要です。問題は、エラー4015がズーム中に発生していて、単一測定で発生している訳ではないということです。そのため、表示された警告は間違いなく正しい警告です。この原因は、2つ目のズームで選択されたスキャンテンプレートでCISPR Average検波器を選択したことにあります。

2つ目のズームで選択されたスキャンテンプレートのCISPR Average検波器

2つ目のズームで、CISPR Averageの代わりにAverage検波器を選択して新規のテストを実行すると、エラーが発生することなく測定が実行されます。