通信電波を用いたセンシング(JCAS)

通信電波を用いたセンシング(ISAC)

通信電波を用いたセンシング(ISAC)

(自動車業界などの)通信やレーダーのアプリケーションは、今日使用されているネットワークでこれまで別々に研究、開発、商用化が行われてきました。通信電波を用いたセンシング(ISAC)は、通信とセンシングの統合(JCAS)とも呼ばれ、レーダーセンサのデータと関連する通信データを統合するものです。これは、6Gなどの将来の通信システムに関するフィールドの数多くのトピックの1つで、世界各地のさまざまなプロジェクトで調査が行われています。

無線センシングテクノロジーでは、対象に物理的に接触することなく、離れた場所にある物体や環境およびその特性に関する情報を取得することを目指しています。通信電波を用いたセンシング(ISAC)は、環境センシングに関する6Gの要件に基づいたもので、モバイル業界における重要なテクノロジーとしての期待が高まっています。

このフィールドでの成果は、自動車業界などの既存のアプリケーションの強化や、データ通信および環境センシングにおける新たなユースケース(監視、e-Health、産業、またはドローン用途など)の創出につながる可能性があります。

ISACでは全体的な効率性の向上が実現します。これは、通信とセンサで同じスペクトラムを使用し、同じハードウェアで信号の送受信を行うことによるものです。このように、同じスペクトラムと信号を両方の用途に使用することができます。これは、テストの観点から見ると、新たな機会でもあり課題でもあります。

ローデ・シュワルツはこの研究に積極的に参画しており、通信とレーダー/センシングの両方の領域でローデ・シュワルツの電子計測における技術を活用しています。

通信電波を用いたセンシングのフィールドにおける研究

ローデ・シュワルツは、国内外の6G研究プロジェクトに積極的に関与しており、複数の有名な機関と連携してテストソリューションの開発に取り組んでいます。その1つがKomSens 6Gプロジェクトです。

さらに、China Mobile Research Instituteとローデ・シュワルツが協力して、通信電波を用いたセンシング(ISAC)の研究と検証に取り組んでいます。

6G ISAC:課題

他のフィールドと同様に、6G通信電波を用いたセンシングのフィールドにも、解決すべき課題が存在します。6Gセンシングの場合、最適な波形設計や帯域幅要件、通信/センシングデータ融合などの最適なシステムアーキテクチャーやシステム要素といった物理層の要素を中心に、研究トピックは多岐にわたります。

センシングと通信を1つのフレームワークに統合することは、システムの複雑化につながります。ISACシステムの性能と効率性を評価するには、包括的で精度の高い測定がきわめて重要になります。

通信電波を用いたセンシング:ローデ・シュワルツの測定ソリューション

JCASテクノロジーを検証するためのラボ用テストプラットフォームは、対象物シミュレーション用のR&S®AREG800A 車載用レーダーエコー発生器とR&S®FE44S外部フロントエンドをベースとしています。このソリューションを利用すると、ラボ環境での信頼性と再現性に優れたテストが可能になり、ISACの研究開発を加速し、産業用配備への道を開くことができます。

ローデ・シュワルツはモバイル・ワールド・コングレス2023でGTI AwardのInnovative Breakthrough in Mobile Technology(モバイル技術における革新的ブレークスルー)を受賞しました。これは、ローデ・シュワルツの統合型ISACのテストに対する革新的なコンセプトが評価されたものです。

ローデ・シュワルツの最先端のテストソリューションの利点の概要

  • ローデ・シュワルツのR&S®AREG800A シミュレータは人工的物体を生成するのに使用され、さまざまな距離、サイズ、動径速度で複数の動的ターゲットを生成できます。
  • このシミュレータでは、状況に応じてフロントエンドの数を増やすことで、複数の対象物からの方位角をシミュレートできます。各種周波数コンバーターモジュールにより、それぞれの周波数バンドでISACテストを行うことができます。

ISACの個別のテストケースについては、弊社のエキスパートがご質問にお答えいたします。お気軽にお問い合わせください。

6G ISAC用テストソリューション

6G ISAC関連ニュース

6G通信電波を用いたセンシングの特集コンテンツ

Towards 6G: integrated sensing and communication (ISAC)

Video: Towards 6G: integrated sensing and communication (ISAC)

This demonstration shows how to objectively measure sensing performance based on test instruments, which enable object emulation in terms of distance, speed and radar cross section (RCS) in mmWave spectrum.

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Joint communication and sensing (JCAS)

ビデオ:通信電波を用いたセンシング(JCAS)

6Gで導入される中心的な機能の1つが、通信電波を用いたセンシング(JCAS)です。このビデオでは、さまざまなユースケースについて説明します。

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ウェビナー:6G環境でのJCAS性能の検証

このウェビナーでは、6GでのJCAS研究の現状やJCASの性能検証方法などについて説明します。

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Testing 6G JCAS in FR2 frequency bands

ビデオ:FR2周波数バンドでの6G JCASのテスト

このビデオでは、通信電波を用いたセンシング(JCAS)や統合型センシングおよび通信(ISAC)が、世界各地のさまざまなプロジェクトで6Gの研究項目の1つになっている理由について説明します。

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Think Six - 6G adds a sixth sense with Joint Communication & Sensing (JCAS)

ビデオ:6Gのジョイント通信とセンシング(JCAS)によって備わる第六感

このショートビデオでは、6Gによって可能になる革新的なアプリケーションに向けて、無線通信とレーダー電子計測両方の専門知識を備えた企業が進めている新たな研究フィールドを紹介します。

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ISACに関するFAQ

6GのISACとは何ですか?

ISACは、Integrated Sensing And Communication(通信電波を用いたセンシング)の略称で、無線通信とセンシングの統一フレームワークへの統合を表しています。ISACにより、高度な無線接続と強化された環境認識機能が実現されます。

通信とセンサを融合することで、将来の6Gネットワークでは、自動運転や運転支援などの既存のアプリケーションをより効率的に動かし、強化することができます。また、AGV/UAV制御や衝突回避、3Dマップ再構成、家庭用監視機能、スマートファクトリーでの産業用アプリケーション、ヘルスケア(患者モニタリング)などの新しいアプリケーションも可能になります。

ICASはどのような仕組みになっているのですか?

ICASでは、インフラとエンドユーザーデバイスの両方の通信デバイスの信号を使って、環境内の対象物のセンシングや検出を行います。センシングデバイスで収集されたデータは処理され関連する情報に集約され、その後、無線通信ネットワークを介して送信されます。送信されたこれらのセンサデータは、アプリケーションやサービスで特定のタスクを実行するのにも使用できます。

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