トリガ機能
トリガとは何ですか?
デジタル・オシロスコープでは、トリガシステムが被試験信号の特定のイベントを監視します。ユーザーが選択した基準が満たされると、トリガアクションが発生します。最も一般的なトリガのタイプはエッジレベルトリガであり、最も一般的なアクションは、イベントを中心にして画面を更新することです。
トリガシステムが識別できるイベントには、その他にもパルス幅、ラント電圧、ロジックレベル、シリアルプロトコルパケットなどがあります。さらに、ノイズの除去、有効なイベントの評価、他の測定器のトリガといったツールも用意されています。
必要なトリガ機能を選ぶにはどうすればいいですか?
フル機能のトリガシステムを使えば、デバッグ時間を大幅に短縮し、きわめて複雑な信号を評価することができます。
最初に考慮すべきなのは、オシロスコープがサポートしているトリガのタイプです。次に、調整可能なヒステリシスやシーケンストリガといったその他の機能を検討します。
調整可能なヒステリシスは、波形のノイズに対するトリガの耐性を高めたり、エッジ上の特定のイベントに注目したりするために使用します。例えば、高精度のデジタルトリガシステムを備えたオシロスコープでは、垂直軸目盛りの0.0001倍より小さいイベントでトリガすることもできます。
シーケンストリガはA→Bトリガとも呼ばれ、2段階のトリガ条件を設定するために使用します。例えば、イネーブル信号の立ち下がりエッジの後の特定のパルス幅を検出する場合などです。
トリガに関するその他の考慮事項
オシロスコープのトリガシステムを評価する際には、仕様の注意深い検討が必要です。一部のオシロスコープでは、トリガシステムが「フル帯域幅」なのはエッジトリガの場合に限られます。他のトリガタイプは、オシロスコープの帯域幅に比べて比較的低速である場合があります。
R&S®MXO4やR&S®RTO6のようなオシロスコープでは、デジタルトリガシステムが用いられています。アナログ回路を使用してイベントを識別する代わりに、カスタムASICでADCからのデジタルサンプルをリアルタイムで監視して、トリガイベントを検出します。独自のトリガ方法により、きわめて正確なトリガ機能を実現しています。このようなシステムの重要な利点は、すべてのトリガシステムがフル帯域幅であることです。例えば、デジタルトリガによるグリッチ検出にかかる時間は、ADCのサンプリング周期1回分だけです。もう1つの利点は、きわめて高い電圧感度です。