オシロスコープの基本操作

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R&S®Essentials | デジタル・オシロスコープとプローブの基礎

オシロスコープ購入ガイド

オシロスコープを選ぶためのガイド

オシロスコープは使いやすい測定器であり、その仕様、オプション、機能はきわめて多岐にわたります。その機能は、波形を表示することにより、信号の特性を評価し、回路の問題をデバッグできるようにすることです。高い柔軟性を持ち、複数のドメインにわたる多種類の測定を実行できるという利点があります。機能の豊富さから、オシロスコープを選ぶ際には、仕様の意味を理解することが不可欠です。

オシロスコープとは何ですか?

オシロスコープは、波形を電圧の時間変化として表示する測定器です。これは「リアルタイム」測定器であり、信号の変化をその場で捉えることができます。一般的には、波形や測定値を表示するスクリーン、1目盛りあたりの電圧といった設定を変更するためのコントロール、ケーブルやプローブを接続する入力コネクタを備えています。

帯域幅

帯域幅とは何ですか?

帯域幅とは、オシロスコープが測定できる周波数成分の範囲です。オシロスコープは数少ない広帯域測定器の1つであり、DC(0 Hz)から仕様帯域幅までの測定が可能です。この仕様は、オシロスコープを購入する際に最も重要な役割を果たします。オシロスコープの帯域幅が十分でないと、正確な測定を実行できないからです。

オシロスコープの帯域幅の定義
オシロスコープの帯域幅の定義

オシロスコープのフロントエンド増幅器の周波数応答は、ローパスフィルターに似ています。その形状から、DCから電圧が3 dB減衰する周波数までの信号成分のほとんどを通過させることがわかります。-3 dBポイントは、オシロスコープの「帯域幅」が定義される位置であり、その周波数ポイントで電圧が約30 %低下することを表します。

必要な帯域幅を選ぶにはどうすればいいですか?

オシロスコープを選ぶ際には、特定のアプリケーション向けの帯域幅の選択に悩まされることがあります。例えば、観察対象が正弦波だけなら、3 dB減衰を考慮するために、最大キャリア周波数よりわずかに大きい帯域幅を選べば十分です。つまり、100 MHzの正弦波を測定する場合なら、150 MHz以上の帯域幅を持つオシロスコープを選べばよいでしょう。

正弦波に基づく推定帯域幅
正弦波に基づく推定帯域幅

一方、デジタル信号などのもっと複雑な信号の場合は、いくつかのことを考慮する必要があります。デジタル信号などの複雑な信号に対するガイドラインの1つは、最高速のクロックまたはデータ信号の3~5倍の速度に対応する帯域幅を選ぶことです。例えば、データレートが133 MHzのメモリバスを測定する場合なら、400 MHz以上の帯域幅を選択します。ただし、このガイドラインでは、デジタル信号の立ち上がり時間がデータレートに関連していると仮定しています。

0.35を立ち上がり時間で割ることによる帯域幅の推定
0.35を立ち上がり時間で割ることによる帯域幅の推定

デジタル信号の立ち上がり/立ち下がりエッジには、基本波周波数よりも多くの周波数成分が含まれるのが普通です。このため、0.35を立ち上がり時間で割ることで、信号の帯域幅の1次推定値が得られます。例えば、先ほどのバスの例を考えます。信号の立ち上がり時間が600 psの場合なら、上記の式より、周波数成分は最大583 MHzであることがわかります(この値はデータレートの3~5倍というガイドラインに収まっています)。

帯域幅に関するその他の考慮事項

ほとんどのオシロスコープには、帯域幅をアップグレードするオプションが用意されています。もちろん、アップグレード可能な帯域幅にも上限はありますが、帯域幅が狭すぎた場合でも対処方法はあるということです。

帯域幅が広すぎても、測定に影響が生じます。一般的に、測定帯域幅が広いほど、広帯域ノイズの量も増えます。幸い、多くのオシロスコープには、フロントエンドの帯域幅を狭めるためのフィルターが用意されています。例えば、ローデ・シュワルツのすべてのオシロスコープには、電源測定用の20 MHzフィルターが備わっています。さらに、R&S®MXO 4R&S®RTO 6などのモデルが備えている「HDモード」を使えば、帯域幅とADC分解能のトレードオフを選択することで、狭帯域幅測定で高い確度を実現できます。

ご不明な点があれば、何なりとお問い合わせください。

サンプリングレート

サンプリングレートとは何ですか?

オシロスコープのA/Dコンバーター(ADC)は、アナログ信号をデジタル化します。デジタル化の速度のことを「サンプリングレート」と呼びます。メーカーの仕様では、サンプリングレートはサンプル/秒で表されます。例えば、300 MHzのR&S®RTC1000 オシロスコープのサンプリングレートは2ギガサンプル/秒です。サンプリングレートの表記には、2 Gサンプル/秒、2 GaSa/s、2 GSp/sなどもあります。

必要なサンプリングレートを選ぶにはどうすればいいですか?

オシロスコープのサンプリングレートは、最低でも帯域幅の2.5倍であることが必要です。例えば、オシロスコープの帯域幅が1.5 GHzの場合、サンプリングレートは3.75ギガサンプル/秒以上である必要があります。一般的に、ほとんどのデジタル・オシロスコープはこの最小要件を満たします。ただし、オシロスコープによっては、複数のチャネルのインターリーブによって最高速のサンプリングレートを実現している場合があります。

例えば、300 MHzのR&S®RTC1000のサンプリングレートは、シングルチャネルの場合2ギガサンプル/秒ですが、両方のチャネルを有効にした場合は1ギガサンプル/秒に低下します。幸い、この低下したサンプリングレートでも、R&S®RTC1000はアナログ帯域幅の2.5倍以上のオーバーサンプリングが可能です。

一般的に、サンプリングレートは高いほどよいといえます。

サンプリングレートに関するその他の考慮事項

オシロスコープには、「ピーク検出」や「高分解能」といったさまざまな収集モードがあります。これらのモードでは、ADCが最高のサンプリングレートで動作し続けることができますが、メモリに記憶されるデータポイントの数は少なくなります。これらのモードを使えば、比較的低速な信号を扱うアプリケーションで、高速なサンプリングレートを活用できます。

ADCビット数

ADCビット数とは何ですか?

オシロスコープのA/Dコンバーターは、バイナリー値を出力します。あらゆるADCと同様、分解能は、バイナリー値を構成するビットの数によって決まります。例えば、8ビットのADCは、256通りの固有の値(電圧レベル)を出力します。これに対して、10ビットのADCは1,024通りの固有の値、12ビットのADCは4,096通りの電圧レベルを出力します。

確度と分解能(および感度)の関係

ADCの分解能はオシロスコープの測定確度に影響しますが、考慮すべき点はそれだけではありません。

確度は、期待される測定値と実際の値の差と定義されます。別の言い方をすれば、測定の不確かさとも言えます。これに対して分解能は、測定システムが表現できる最小の変化を表します。オシロスコープの場合、分解能はADCのビット幅によって決まります。そして、感度とは検出可能な最小の変化です。この定義は、分解能と同じように思われるかもしれません。実際には、収集システムの個々の要素はきわめて高い感度を持っている場合があります。ただし、全体としての感度は、確度と分解能の組み合わせで決まります。

その他の考慮事項

オシロスコープは、常にビット幅全体を使って動作するとは限りません。したがって、何か制限がないかどうかデータシートを注意深く確認する必要があります。幸い、R&Sのすべてのオシロスコープは、常にビット幅全体を使って動作します。

さらに、一部のR&Sオシロスコープモデルでは、HDモードと呼ばれる機能によって実効ビット幅を増やすことができます。このモードでは、帯域幅と高分解能測定のトレードオフを選択できます。例えば、R&S®MXO4に搭載されている12ビットのADCは、実効的に18ビットで動作させることができます。

トリガ機能

トリガとは何ですか?

デジタル・オシロスコープでは、トリガシステムが被試験信号の特定のイベントを監視します。ユーザーが選択した基準が満たされると、トリガアクションが発生します。最も一般的なトリガのタイプはエッジレベルトリガであり、最も一般的なアクションは、イベントを中心にして画面を更新することです。

トリガシステムが識別できるイベントには、その他にもパルス幅、ラント電圧、ロジックレベル、シリアルプロトコルパケットなどがあります。さらに、ノイズの除去、有効なイベントの評価、他の測定器のトリガといったツールも用意されています。

必要なトリガ機能を選ぶにはどうすればいいですか?

フル機能のトリガシステムを使えば、デバッグ時間を大幅に短縮し、きわめて複雑な信号を評価することができます。

最初に考慮すべきなのは、オシロスコープがサポートしているトリガのタイプです。次に、調整可能なヒステリシスやシーケンストリガといったその他の機能を検討します。

調整可能なヒステリシスは、波形のノイズに対するトリガの耐性を高めたり、エッジ上の特定のイベントに注目したりするために使用します。例えば、高精度のデジタルトリガシステムを備えたオシロスコープでは、垂直軸目盛りの0.0001倍より小さいイベントでトリガすることもできます。

シーケンストリガはA→Bトリガとも呼ばれ、2段階のトリガ条件を設定するために使用します。例えば、イネーブル信号の立ち下がりエッジの後の特定のパルス幅を検出する場合などです。

トリガに関するその他の考慮事項

オシロスコープのトリガシステムを評価する際には、仕様の注意深い検討が必要です。一部のオシロスコープでは、トリガシステムが「フル帯域幅」なのはエッジトリガの場合に限られます。他のトリガタイプは、オシロスコープの帯域幅に比べて比較的低速である場合があります。

R&S®MXO4やR&S®RTO6のようなオシロスコープでは、デジタルトリガシステムが用いられています。アナログ回路を使用してイベントを識別する代わりに、カスタムASICでADCからのデジタルサンプルをリアルタイムで監視して、トリガイベントを検出します。独自のトリガ方法により、きわめて正確なトリガ機能を実現しています。このようなシステムの重要な利点は、すべてのトリガシステムがフル帯域幅であることです。例えば、デジタルトリガによるグリッチ検出にかかる時間は、ADCのサンプリング周期1回分だけです。もう1つの利点は、きわめて高い電圧感度です。

メモリ長

メモリ長とは何ですか?

ADCはサンプルをメモリバッファーに記憶します。ADCのサンプリング速度はギガビットレベルなので、このメモリはADCの近くにあり、きわめて高速である必要があります。記憶される収集サンプルの数のことを「メモリ長」と呼びます。例えば、チャネルに10メガポイントのバッファーがある場合、1回の収集で最大1,000万個のサンプルを保持できます。

メモリ長の計算
メモリ長の計算

オシロスコープのサンプリング速度、メモリ長、捕捉可能な時間の間には、直接的な関係があります。オシロスコープが信号を捕捉する最小時間は、タイムベース設定によって決まります。収集システムは、メモリ長とサンプリングレートのバランスを取ることで、指定されたタイムベース設定でサンプリングレートを最大化します。メモリ長が大きいほど、高いサンプリングレートを維持しながら、低速な(長い)タイムベース設定を使用できます。

一般的には、メモリは多いほどいいと言えます。ただし、一部のオシロスコープでは、大容量メモリを最大限に使用できなかったり、大容量メモリを有効にすると速度が著しく低下したりする場合があります。

必要なメモリ長を選ぶにはどうすればいいですか?

オシロスコープの他の重要な仕様と異なり、メモリ長については簡単なガイドラインがありません。ただし、捕捉する時間の長さがわかっている場合は、必要な最小メモリ長を判定できます。例えば、100 MHzクロック信号の10サイクル分を捕捉するには、100 ns以上の収集が必要です。1 Gサンプル/秒のADCは、1 nsごとにサンプリングを行います。したがって、必要なメモリ長は100サンプルとなります。

メモリ長に関するその他の考慮事項

小容量メモリと大容量メモリを比較する際には、オシロスコープが捕捉メモリをどのように処理するかを考慮する必要があります。例えば、R&S®MXO、R&S®RTO、R&S®RTP オシロスコープには、大容量メモリ動作の管理を容易にするASICが搭載されています。このASICは、波形へのズームイン/ズームアウト時にも応答速度を維持し、収集中のトリガ再アーミング時間を最小化するために役立ちます。

高速セグメンテーションとヒストリーモード

その他の考慮事項としては、単純な収集以外でメモリを使用するモードや機能が挙げられます。例えば、R&Sオシロスコープの高速セグメンテーション機能やヒストリーモードでは、大容量メモリが効果的に用いられます。

アクティブな信号セグメントの捕捉
アクティブな信号セグメントの捕捉

高速セグメンテーションを使用する場合、収集システムはメモリを小さい(同じ大きさの)部分(セグメント)に分割します。これらのセグメントには、トリガシステムの再アーミングが可能な最高速度でデータが書き込まれます。メモリコントローラーは、すべてのセグメントがいっぱいになるまで待ってから、収集データをCPUに転送します。高速セグメンテーションモードの利点は、トリガシステムの再アーミングを最高速度で行えることと、大容量メモリを最大限に使用できることです。このモードは、バースト的な信号に対して有効です。

各信号要素の表示と解析
各信号要素の表示と解析

ヒストリーモードも、大容量メモリを利用する新しい方法です。高速セグメンテーションモードと同様に、メモリコントローラーは全利用可能メモリをセグメントに分割します。ただしこの場合、コントローラーはセグメントをリングバッファーとして利用し、オシロスコープは各セグメントを通常の動作と同じように処理します。ヒストリーモードの特長は、オシロスコープを停止した後で、時間をさかのぼって過去の収集を見られることです。この機能を使えば、画面上で異常を確認した後で「停止」ボタンを押しても間に合うので便利です。

ご不明な点があれば、何なりとお問い合わせください。

波形更新レート

波形更新レートとは何ですか?

波形更新レートは、トリガレートとも呼ばれます。これは、オシロスコープがトリガイベントの間に波形を収集する速度を表します。一般的に、オシロスコープの再アーミングと再トリガが高速なほど、収集の間のデッドタイムは短くなります。

デッドタイムとは、収集と収集の間にオシロスコープが波形を捕捉できない時間のことです。デッドタイムが短いほど、トリガレートは高速になり、トランジェントパルスなどの発生頻度の少ないイベントを捕捉できる確率が高まります。

トリガイベントの間の波形収集
トリガイベントの間の波形収集

ローデ・シュワルツの一部のオシロスコープには、カスタムASICが搭載されており、超高速の波形更新レートを実現します。例えば、R&S®RTO6は最大100万波形/秒の収集が可能です。さらに、R&S®MXO 4は450万波形/秒以上の収集が可能です。

波形更新レートに関するその他の考慮事項

波形更新レートは、測定の種類、収集モード、メモリ長によって変化します。オシロスコープメーカーによっては、特別なモードを有効にした場合の最大更新レート(または最小デッドタイム)を仕様として記載している場合があります。そのため、この仕様を検討する際には、最高速のレートが当てはまる条件を理解することが必要です。

プローブ

オシロスコーププローブとは何ですか?

信号を測定するには、信号をオシロスコープに入力する必要があります。場合によっては、BNC(またはSMA)ケーブルを使って、被試験デバイスからオシロスコープのフロントパネルに直接接続できることもあります。ただし、ほとんどの場合には、プローブを使用する必要があります。

ローデ・シュワルツのオシロスコーププローブのポートフォリオ
ローデ・シュワルツのオシロスコーププローブのポートフォリオ

必要なプローブを選ぶにはどうすればいいですか?

最も一般的なプローブタイプは、パッシブ電圧プローブです。この種のプローブは低価格で、一般的な測定に適しています。プローブにはさまざまな減衰比があり、高電圧や低信号負荷に対応できます。

オシロスコープに付属するパッシブプローブは、一般的にオシロスコープの帯域幅またはそれよりわずかに大きい定格のものです。ほとんどのパッシブプローブの帯域幅は、500~700 MHz以下です。帯域幅が700 MHzを超える信号を接続するには、アクティブ電圧プローブが必要です。

アクティブ電圧プローブは、増幅器回路を使用することで、パッシブプローブよりも広い帯域幅と小さい回路負荷を実現しています。種類としては、シングルエンド、差動、モジュラー形状のものが用意されています。名前からわかるように、この種のプローブは動作に電源を必要とします。

プローブによっては、電圧以外の量を測定するものもあります。例えば、ホール効果センサー電流プローブを使用すれば、回路に影響を与えずに、ワイヤーを流れる電流を測定できます。もう1つの例として、近磁界プローブを使用すれば、コンポーネント、ワイヤー、PCBから放射される電磁界を測定できます。

一般的に、アクティブプローブは別のメーカーのオシロスコープでは使用できない場合があります。ただし、メーカーによっては他のベンダーのプローブ用のアダプターを提供していることもあります(アダプターを使用する場合、プローブがアダプターに適合するかどうかを確認する必要があります)。

ローデ・シュワルツは、さまざまな種類、さまざまな形状のパッシブ、アクティブ、非電圧プローブを用意しています。

オシロスコーププローブに関するその他の考慮事項

帯域幅が狭い(一般的に200 MHz未満の)オシロスコープは、パッシブプローブインタフェースのみをサポートします。つまり、フロントパネルにはBNCコネクタしかありません。一方、200 MHzを超えるオシロスコープには、パッシブプローブとアクティブプローブの両方をサポートするアクティブプローブインタフェースが備わっている場合があります。

統合型測定器

オシロスコープは、単なる波形測定ツールを超えるものに進化してきました。オシロスコープを選ぶ際には、他にどのような測定器が統合されているかを考慮する必要があります。追加機能には次のようなものがあります。

オシロスコープによるスペクトラム解析(FFT)

高速フーリエ変換(FFT)は、タイムドメイン波形を周波数ドメインのプロットに変換します。オシロスコープのディスプレイには、周波数と振幅(時間と振幅ではなく)が表示されますs。通常のスペクトラム・アナライザと同様、スペクトラム解析機能を持つオシロスコープも、0 Hz(DC)までの測定が可能です。

オシロスコープのFFT機能
オシロスコープのFFT機能

FFTの実装は、限定されたコントロールを備えたシンプルな演算機能である場合も、スペクトラム・アナライザのようなコントロールを備えたハードウェアアクセラレーテッド機能である場合もあります。さらに、R&S RTO6独自のゾーントリガ機能を使えば、スプリアスが発生する可能性がある(または発生してはならない)領域にボックスを描くことで、画面の更新を必要な周波数に限定することができます。

任意波形発生器

内蔵任意波形発生器では、正弦波、三角波、方形波などの波形に、AM、FM、FSK、PWMなどの変調を施して出力することができます。オシロスコープに波形発生器が内蔵されていれば、ベンチ上のスペースを節約できます。さらに、多くのオシロスコープでは、波形発生器を利用して回路に入力する信号を発生し、アナログチャネルで出力を測定することができます。例えば、R&S®MXO4-K36 周波数応答解析(FRA)オプションを使えば、電源の制御ループ応答(CLR)や電源変動除去比(PSRR)のボード線図プロットを作成できます。

任意波形発生器の例
任意波形発生器の例

ローデ・シュワルツのほとんどのオシロスコープでは、任意波形発生器オプションが、ソフトウェアオプションまたはプラグインハードウェアモジュールの形で提供されています。

ロジック・アナライザ

デジタルチャネルを備えるオシロスコープは、アナログとデジタルの両方の波形を捕捉できます。ロジックチャネルは通常時間相関されています。すなわち、オシロスコープはこれらのチャネルをアナログチャネルと同時にサンプリングします。この機能を使えば、両方のチャネルタイプのイベントを、時間同期された形で画面に表示できます。

オシロスコープのミックスドシグナル解析
オシロスコープのミックスドシグナル解析

ローデ・シュワルツのすべてのオシロスコープでは、デジタルチャネルがオプションとして用意されています。モデルによって、8チャネルまたは16チャネルが利用可能です。

プロトコル・アナライザ

プロトコル解析を使えば、収集した波形(アナログまたはデジタルチャネル)をデコードして、プロトコル表示に変換できます。例えば、多くのマイクロコントローラーベースのデザインには、通信用のSPI、I2C、またはUARTバスが採用されています。オシロスコープのプロトコル・アナライザ機能を使用すれば、パケットの開始や、場合によってはCRCエラーといった、プロトコル固有のイベントでトリガできます。トリガが発生したら、デコード表示を使ってバストランザクションを容易に読み取ることができます。

 プロトコルデータを表示する2つの方法
プロトコルデータを表示する2つの方法

データの表示には少なくとも2つの方法があります。1つは収集波形に重ねて表示する方法です。この表示は、プロトコルの問題がシグナルインテグリティーの問題によって生じているかどうかの判定に便利です。もう1つの表示方法は、プロトコルテーブルです。このコンパクトな表示を利用すれば、さまざまなプロトコル動作を短時間で観察できます。

ローデ・シュワルツのすべてのオシロスコープには、さまざまなデコードオプションが用意されており、購入時に付加することも、購入後に有効にすることもできます。

形状(スタイル)

オシロスコープにはさまざまなサイズのものがあります。一般的に、帯域幅が広いほど筐体は大きくなります。現在のポータブルオシロスコープは、従来のベンチ型と同等の機能を備えるようになっています。

オシロスコープの基本操作「システム」

ベンチオシロスコープ

一般的にオシロスコープと言ったときに思い浮かぶのは、ベンチ形状のものです。フロントパネルには、大きい画面、いくつかのノブ、数個のボタン、そしてBNCコネクタの列が配置されています。ほとんどのベンチ型オシロスコープには、ラックマウントオプションも用意されています。

ポータブルオシロスコープ

R&S RTHのようなポータブル(ハンドヘルド)オシロスコープを特徴付ける要素としては、形状とバッテリーの2つが挙げられます。このオシロスコープはタッチスクリーンを備えています。特定機能向けのノブの代わりに、大型の押しボタンと多目的ロータリーコントロールが備わっており、厚手の手袋をはめている場合や、測定器が自分のすぐ前にない場合でも、容易に操作できます。R&S RTHには、最大500 MHzの帯域幅オプション、最大5 Gサンプル/秒のサンプリングレート、10ビットADCが備わっています。また、フル機能のデジタルトリガシステムとさまざまな種類の自動測定も装備しています。さらに、このオシロスコープはアイソレートされた入力を備え、4つのアナログチャネルまたは、2つのアナログチャネルとハードウェアDMMの構成を選択できます。

製品についてご質問がある場合は、何なりとお問い合わせください。

リモート制御

リモート制御とは何ですか?

リモート制御とは、PCから測定器に接続して、測定器が目の前にあるように操作できる機能です。この操作方法では、測定器のフロントパネルを模したウェブブラウザー上の仮想フロントパネルにあるボタンやノブをクリックします。

 ウェブブラウザーによるMXOへのリモートアクセス
ウェブブラウザーによるMXOへのリモートアクセス

必要なリモートアクセス方法を選ぶにはどうすればいいですか?

ラボからオシロスコープにリモートアクセスする必要がある場合、オシロスコープがリモートオペレーションをサポートすることを確認する必要があります。例えば、R&S®RTB、R&S®RTM、R&S®MXO 4、R&S®RTO 6、R&S®RTPは、すべてウェブベースのブラウザーインタフェースを通じた仮想フロントパネルをサポートします。

リモートアクセスに関するその他の考慮事項

GPIBをサポートするオシロスコープのほとんどは、追加ハードウェアオプションの購入が必要です。

オプションのGPIBスロットを備えたオシロスコープのリアパネル
オプションのGPIBスロットを備えたオシロスコープのリアパネル

自動化(および接続機能)

自動化(および接続機能)とは何ですか?

自動化とは、NIのLabView™、MathWorksのMATLAB®、Pythonといったプログラミング環境を使用して、PCから測定器を制御することです。これらの環境からオシロスコープへのコマンドは、USB、イーサネット、またはGPIB経由で送信されます。

まとめ

  • 適切なオシロスコープの選択は、重要な決定です。考慮が必要な仕様の中で最も重要なのは、帯域幅です。その後で、他の要素を検討します。
  • 波形更新レートが高速なら、デバッグや特性評価の時間を大幅に短縮できます。一般的に、波形の更新が高速になると、オシロスコープは大容量メモリも高速に処理できるようになります。
  • トリガ機能については、単に使用可能なモードを知るだけでは不十分です。各モードの仕様がアプリケーションのニーズに一致するかどうかを確認し、電圧感度などの重要な要因を評価する必要があります。
  • 現在のオシロスコープには、複数のテスト機器が統合されています。例えば、高速で応答の速いFFTを搭載したオシロスコープなら、リアルタイム・スペクトラム・アナライザとしても使用できます。また、プロトコルトリガ機能があれば、ロジック・アナライザとして使用できます。
  • さらに、ハンドヘルド、ポータブル、ベンチなど、さまざまな使用状況に応じた形状が存在します。

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