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平面波合成を用いた無線テスト:理論から実現へ

講師:Benoit Derat

Over-the-air testing using plane-wave synthesis: from theory to realization

AMTA 2020 Virtual Symposium(2020年11月2日~5日)での基調講演

平面波合成(PWS)は、フェーズド・アンテナ・アレイを使用してターゲット領域の平面波面に近いものを生成する、アンテナ測定の近傍界フォーカシング手法です。

PWSには、以下のような2つの特長があります。

  • 被試験デバイス(DUT)の観点で、遠方界条件の真のエミュレーションを実行できる
  • 同様のクワイエットゾーン性能を備えたコンパクトアンテナ・テストレンジ(CATR)と比較して、必要なレンジの長さを2分の1以上短縮できる

このような利点を念頭に置いて、私たちのグループは、この手法を実装する初のターンキーソリューションであるR&S® PWC200の作成に着手しました。このソリューションは、5G NRアクティブ・アンテナ・システム(AAS)基地局(BS)の3GPP無線(OTA)コンフォーマンステストに重点を置いています。

しかし、障壁は予想したよりもはるかに高く、この魅力的なコンセプトを正確な測定システムに変換するには、いくつもの革新的なステップが必要でした。

今回の基調講演では、試行錯誤を重ねたエンジニアリング作業の過程をご紹介いたします。主な技術的および科学的課題(アレイ校正、移相器の不完全性、ハイパワーの扱い、広帯域周波数分散など)に焦点を当てることで、最終的に新しいソリューションのテクノロジーを適切なレベルまで到達させることができました。