重要インフラの保護

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重要インフラの保護

私たちが生きる社会の中枢神経系

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Updated on 7月 22, 2024 🛈
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重要インフラの運用や保護は非常に困難なタスクですが、間違いなく必要不可欠な仕事です。重要インフラは、私たちが生きる現代社会のライフラインです。こうした重要インフラは、電力や水道の供給、通信ネットワーク、交通輸送システムなど多岐にわたります。重要インフラが機能しなくなると市民生活が大きく損なわれ、経済的に大きな損害をもたらし、人命を危険にさらす可能性があります。ローデ・シュワルツは、世界各地の公的機関や企業と協力して重要インフラやネットワークを保護し、これらを常に最適な状態で稼働させるための支援を行っています。

鉄道無線ネットワークに対する妨害行為、送電線への攻撃、空港や軍事施設周辺でのドローン侵入、水道施設や診療所へのサイバー攻撃といった最近のインシデントによって、現代の先進工業国の脆弱性が露呈するリスクが高まっています。重要インフラ(KRITIS)は犯罪行為やテロだけでなく、人的ミスや自然災害による被害を受けることもあります。ドイツの連邦政府は、「重要インフラとは、それが機能しなくなるか損なわれることによって、持続的な供給不足や、社会秩序、安全性、セキュリティーの大きな混乱、またはその他の劇的な結果につながる、社会にとってきわめて重要な機構や施設である」と定義しています。ドイツ連邦政府の情報セキュリティー庁(BSI)は、電力、水道、医療、輸送・交通、政府・行政などの10のセクターを「重要」インフラと位置付けています。

他に類を見ない幅広いソリューション

多くの場合、人々は重要インフラが実際に機能しなくなって初めてその重要性に気付きます。私たちはいつも当然のことのように重要インフラを利用していて、その詳細を意識することはありません。重要インフラを継続的に運用し保護することは非常に困難なタスクですが、ローデ・シュワルツは重要インフラの信頼性を確保するための取り組みをさまざまな形で行っています。ローデ・シュワルツは、国内外のさまざまな規制当局、政府機関、産業界から信頼され選ばれるテクノロジーパートナーです。「ローデ・シュワルツは、特定の製品に特化した企業ではありません。ローデ・シュワルツには、さまざまなセクターの専門知識や能力があります。当社のように重要インフラの運用と保護を行うための幅広いソリューションを揃えている企業は、業界の中でもめずらしい存在です」と、ローデ・シュワルツのモニタリング&分析担当バイスプレジデントであるAnne Stephanは述べています。「当社は常に全体を視野に入れながら、政府機関や業界の企業などの関連する利害関係者や意思決定者との緊密な関係を維持しています。こうすることで、将来を見据えたソリューションに基づいて重要なインフラやネットワークの信頼性を高めていくことができます」。

At vero eos et accusam
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ローデ・シュワルツは、特定の製品に特化した企業ではありません。ローデ・シュワルツには、さまざまなセクターの専門知識や能力があります。当社のように重要インフラの運用と保護を行うための幅広いソリューションを揃えている企業は、業界の中でもめずらしい存在です。

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ローデ・シュワルツ、モニタリング&分析担当バイスプレジデント、Anne Stephan

セキュリティー強化のためのEU全体を対象とした指令

重要インフラやネットワークを保護するには、物理セキュリティーとデジタルセキュリティーが必要です。2023年の初期に施行された、重要事業体のレジリエンスに関する指令(CER指令)およびネットワークと情報セキュリティーに関する指令(NIS-2指令)は、これらの2つのセキュリティー対策を強化するためのものです。EU域内でのセキュリティーレベルを統一し向上させるため、加盟国は2024年10月17日までにこれらの2つの指令を国内法に盛り込む必要があります。CER指令を実施するドイツのKRITISフレームワークでは、ドイツ国内のすべてのセクターとリスクタイプを対象とした重要インフラの物理的な保護に関する規制が実現される予定です。この要件には、KRITIS事業者向けのレジリエンスプランが含まれます。

今後、NIS-2指令の対象となる企業は、サイバーセキュリティーに関する適切なリスク管理の証拠を保全し、サイバーインシデントが発生した場合は必ず報告しなければなりません。この指令では、重要インフラの定義が大幅に拡大されています。ドイツ連邦統計局は、ドイツ国内の約30,000社が影響を受けると予測しています。これは、以前の規制の対象となっていた企業の5倍以上の数です。

大量のトラフィックが流れるビッグデータハイウェイ – 重要インフラ化が進むデジタルインフラ

デジタル化が進む世界において、無線通信は重要インフラに必要不可欠な存在です。無線通信やナビゲーション用のデータハイウェイである無線周波数(RF)スペクトラムへのアクセスも同様です。送電網、危機管理システム、公共安全、輸送・交通などの重要インフラの円滑な運用を確保するには、スペクトラムが必要です。スペクトラムが利用できなければ、通信が完全に途絶えてしまい、壊滅的な結果につながる可能性があります。スペクトラムのモニタリングと保護は規制機関や、企業、業界、社会全体にとって極めて重要です。ローデ・シュワルツは、規制当局や産業界のパートナー向けにスペクトラムモニタリングおよびモバイルネットワークテストソリューションを提供しています。

上空からの招かれざる客:無線制御ドローンの検知と対策

ローデ・シュワルツは、アナログ、デジタル、またはハイブリッド型などの脅威の種類に関係なく、重要インフラに相応しいモニタリング/解析/セキュリティーソリューションの広範なポートフォリオを提供しています。「ここでの重要な論点の1つはドローン対策です。ドローンには、比較的低コストで甚大な被害をもたらす能力があります」と、Anne Stephanは述べています。例えば、これらのサイレント攻撃が可能なドローンを使って機密情報を入手したり、これらのドローンに爆発物を搭載したりすることができます。欧州委員会副委員長であるMargaritis Schinas氏は、非軍事用ドローンがもたらす潜在的な脅威に対する防御戦略についてのプレスリリースで、「ドローンの悪意ある利用は、特に欧州の重要インフラに対して大きなセキュリティー上のリスクになる可能性がある」と警告しています。

迅速で効果的な空域防御を可能にするため、ローデ・シュワルツは、G7サミットなどのイベント時に使用するドローン対策テクノロジーを開発しました。このシステムはドローンの無線リンクを傍受し、信号タイプを分類して、パイロットとドローンの位置を特定します。また、ドローンの通信を妨害することで、無線制御リンクを遮断します。このシステムは、幅広いドローンタイプから防御する能力を備えています。

テクノロジーの活用における圧倒的な優位性

「ドローン対策テクノロジーは、軍事面で非常に重要です。同時に、ドローン対策テクノロジーは民間利用での重要度も高まりつつあります。例えば、ミュンヘン・オクトーバーフェストなどのイベント中に空域を守る必要があります。ローデ・シュワルツには豊富な経験があるため、民間の重要イベント向けにドローン対策テクノロジーを改良することにおいて一日の長があります」と、Anne Stephanは述べています。ドローン対策ソリューションは、民間航空交通管制アプリケーションで既に使用されています。これは、ローデ・シュワルツが数十年にわたって揺るぎない地位を確立してきた極めて重要な領域です。ローデ・シュワルツの航空通信システムは、世界各地の300か所以上の空港と航空管制センターで安全な空の旅の実現に貢献しています。

アルファ、ブラボー、チャーリー:パイロットと航空交通管制官との間での完璧なコミュニケーション

航空機と管制塔との間で途切れることなくコミュニケーションを行えるようにするためのソリューションは航空の安全性における重要な要素であり、航空交通管制の基盤です。音声通信が完璧でない場合は、航空業務を中止するという厳格な措置を取り、ただちに空域を閉鎖する必要があります。ローデ・シュワルツの将来を見据えた通信システムでは、Voice over IPを使用して高度な機能を備えたバックアップを含む信頼性の高い通信を実現しています。「パイロットと管制官との間で信頼性の高い通信を実現することは、当社が得意としている領域の1つです」と、Anne Stephanは述べています。

グローバル&コネクテッド:セキュアで信頼性の高い航空管制通信が極めて重要。

グローバル&コネクテッド:セキュアで信頼性の高い航空管制通信が極めて重要。

上空からの招かれざる客。

上空からの招かれざる客。

緊急時にセキュアで信頼性の高い通信テクノロジーなしに救助活動を行うことはほとんど不可能。

セキュリティースクリーニングのパイオニア

航空機の安全性は、地上での安全対策の品質に大きく左右されます。重要インフラやネットワークに対する他のさまざまな脅威と同様に、これらのリスクはかなりの部分を地上側で抑えることができます。そのため、KRITISフレームワークではアクセス制御が重要な役割を担っています(「セキュリティー強化のためのEU全体を対象とした指令」に関する情報ボックスを参照)。世界各地の空港、原子力発電所、水力発電所、軍事基地、データセンター、裁判所庁舎などの場所で、ローデ・シュワルツのソリューションを使ってセキュリティーチェックが行われています。

ローデ・シュワルツのセキュリティースキャナーは、最先端の非接触セキュリティースクリーニングが高く評価されています。これらのAIを利用したスキャナーは、業界をリードするミリ波テクノロジーがもたらす極めて高い解像度により、あらゆる種類の物質から成る不審な物体を検知でき、金属物、液体、粉末、ジェルなどのさまざまな物質に対応することができます。

クリーンイン/クリーンアウト

「USBフラッシュメモリやSDカードのような小さな物体でも確実に検知できます。これは、入場制御に加えて退出制御が必要なクリーンイン/クリーンアウトのコンテキストで非常に重要になります」と、ローデ・シュワルツのマイクロ波イメージング担当バイスプレジデントであるAndreas Hägeleは述べています。例えば、可燃物が原子力発電所に持ち込まれるのを防ぐだけであれば、入場制御だけで十分です。しかし、マルウェアを含むデータ記憶媒体がデータセンターに持ち込まれるのを防ぐ必要がある場合や、記憶媒体を使って機密情報が持ち出されるのを防ぐ必要がある場合には、入場および退出時のセキュリティースキャナーが確実なソリューションとなります。これは非常に高速かつシンプルでもあります。異常検出に要する時間は、わずか数秒です。セキュリティーチェックを受ける人に不快感を与えることもありません。「セキュリティーチェックはそれと分かるものでなければなりませんが、何らかの活動の妨げにならないようにする必要があります。他のプロセスの妨げになることなく、セキュリティー要素を追加して他のプロセスを補完するようにすることが重要です」と、Andreas Hägeleは強調しています。

At vero eos et accusam
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USBフラッシュメモリやSDカードのような小さな物体でも確実に検知できます。

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ローデ・シュワルツ、マイクロ波イメージング担当バイスプレジデント、Andreas Hägele

マリーエンパーク・ベルリン・イノベーション地区のAIテクノロジーブランドであるローデ・シュワルツ

Marienpark Berlin(マリーエンパーク・ベルリン)は、選ばれたスタートアップ、企業、研究機関、および主催団体(KI Park e.V.)傘下の社会的・政治的ステークホルダーによって生み出されたノウハウや新しいアイデアを推進するためのイノベーション地区です。マリーエンパーク・ベルリンの目的は、2030年までにドイツとEUを世界的なAIイノベーション拠点にすることで、ローデ・シュワルツもこの先駆的な取り組みに参画しています。ローデ・シュワルツは、リビングラボにセキュリティースキャナーを含む完全に自動化されたアクセスプロセスを構築しました。ここでは、訪問者は、データセンターなどの物理的な施設向けのAIを利用したセキュアなアクセス制御システムが、現実の条件下でどのように機能するかを体験することができます。

増大し続けるサイバーリスク

すべての重要インフラに共通していると言えるのは、重要インフラがITに依存しているということです。ITへの依存は、デジタル化とネットワーク化の進行に伴ってますます大きくなっています。言うまでもなく、これはさまざまな機会や可能性をもたらしてくれますが、同時にこれは攻撃対象範囲の拡大にもつながります。ドイツのITセキュリティーに関する2023年のレポートで、BSIはサイバー空間の脅威レベルがかつてなく高まっていると結論付けています。同様に、「アリアンツ・リスクバロメーター」2024年版によると、ランサムウェア攻撃、データ保護侵害、IT中断などのサイバーインシデントが世界中の企業にとっての最大の課題になると予測されています。

あらゆるセキュリティーレベルに対応したソリューション

「デジタル時代において、データは私たちの最も重要なリソースの1つになっています。データは私たちのセキュリティー、私たちの繁栄、私たちの進歩の基礎となるものです。デジタル主権を継続的に向上させながらデータを保護することが非常に重要です」と、Marian Rachowは強調しています。Marian Rachowは、LANCOM Systemsと共にネットワーク/サイバーセキュリティー部門の子会社であるRohde & Schwarz SIT GmbHおよびRohde & Schwarz Cybersecurity GmbHのCEOです。今日の絶えず変化するサイバー脅威に対処するため、ローデ・シュワルツのこれらの3つの子会社は、産業保全の監督下にある企業、公的機関や防衛産業などの高度なセキュリティー要件が求められる公共事業機関、およびKRITIS事業者が、関連するITセキュリティー規格を確実に遵守し、それぞれのITインフラを保護するのを支援しています。これらの3つの子会社は、それぞれのソリューションを通じてあらゆるセキュリティーレベルをカバーしています。KRITISの食品セクターでは、機密扱いでないデータを保護する必要があり、世界的な小売ブランドはそれぞれの子会社用にLANCOMのセキュアなネットワークインフラを使用しています。また、最も高いセキュリティーレベルが必要なお客様もローデ・シュワルツを利用しています。当局や完全な状態のネットワークに必要なデジタル通信の機密データの保護には、Rohde & Schwarz SITのITおよび高度セキュリティーソリューションが使用されています。

バリューチェーン全体を自社で提供

「当社には、ソフトウェアによる暗号化に関する数十年にわたる経験があり、ほとんどのハードウェアを自社で生産しています。私たちは当社製品の高い信頼性を実現するため、バリューチェーン全体を自社で管理しています」と、Marian Rachowは述べています。このため、公共部門や政府機関などのお客様も、Rohde & Schwarz Cybersecurityを利用しています。ニーダーザクセン州では、デジタル通信のセキュリティーを確保し、データ保護を実現し、機密情報を保護し、法的要件を満たすため、すべての州当局でRohde & Schwarz Cybersecurityのネットワーク暗号化ソリューションを使用しています。これは、コンピューターネットワークの伝送時に機密データをエンドツーエンドでリアルタイムに暗号化するのに役立ちます。「私たちは、1,500の拠点で何テラバイトものデータを暗号化しています。障害が発生した場合、誰も消防署にアクセスできなくなり、市役所や税務署は業務を行えなくなります。私たちの責任は非常に大きく、これまで何年もの間、当社のテクノロジーが問題なく稼働していることを誇りに思っています」と、Marian Rachowは述べています。

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デジタル時代において、データは私たちの最も重要なリソースの1つになっています。データは私たちのセキュリティー、私たちの繁栄、私たちの進歩の基礎となるものです。デジタル主権を継続的に向上させながらデータを保護することが非常に重要です。

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Marian Rachow、Rohde & Schwarz SIT GmbH、CEO兼Rohde & Schwarz Cybersecurity GmbH、CEO

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システマティックなセキュリティー

ドイツのドレスデン(ザクセン州の行政管区の一つ)も、この優れた信頼性によって保護されています。デジタル化は複数の拠点をまたいだプロセスの効率化やコラボレーションの簡素化といった利点をもたらしますが、デジタル化には課題もあります。インターネットアクセスのないワークスペースは考えられず、ほとんどの職業にとって不可能でさえあります。機密データを使用する際には、セキュアなインフラが不可欠です。ブラウザーのセキュリティーギャップは、政府や企業のエンドポイントやネットワークに対するサイバー攻撃の最も一般的な侵入ポイントになります。

Rohde & Schwarz Cybersecurityのポートフォリオの完全に仮想化されたブラウザーソリューションは、広範な複数フェーズのワークプレイスセキュリティーを提供します。このソリューションモデルでは、危険性のある未知のインターネット接続を確立しないようにしながら、ネットワークを一貫性のある形で分離することができます。この複数フェーズシステムは、ワークプレイスセキュリティーに関する規制要件や法的要件を満たすのに最適です。

強靱な社会の実現に向けて

サイバー空間、航空機、地上設備を問わず、ローデ・シュワルツは、重要なインフラやネットワークの信頼性の高い運用と保護の実現に向けて、将来を見据えたテクノロジーを提供することで重要な貢献を果たしています。これは、安全でつながり合った世界の中で、これまで以上に強靱な社会を実現するための基盤となります。

都市や地方自治体は毎日のようにサイバー攻撃にさらされている。

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AIを利用した入場および退出制御により、データセンターを不正アクセスから保護。

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