Sigfoxへの接続準備

必要不可欠なRFテストを実行してSigfoxデバイスの認証と配備に対応

課題

Sigfox無線テクノロジーは、センサネットワーク用の低消費電力ワイド・エリア・ネットワーク(LPWAN)テクノロジーの中で最も有望なものの1つです。アップリンクで必要となるデータ容量はごくわずかです。超狭帯域(UNB)テクノロジーであるSigfoxは、周波数ホッピングとフレーム反復により、干渉への耐性を持ちます。

最高の性能と相互運用性を提供するため、必要なSigfox認証および規制適合認証を申請する前に、いくつかの基本的なRFパラメータをラボでテストしておくことをお勧めします。それが期間短縮とコスト削減につながり、ひいては、最高のカスタマーエクスペリエンスへとつながります。送信パワー、スペクトラム、周波数ドリフト、レシーバー感度などが代表的な測定値です。

ローデ・シュワルツのソリューション

ローデ・シュワルツの小型テストソリューションは、主な無線通信規格をすべてサポートします。Sigfoxデバイスで必要なRFテストを効率的に実行するために、テストセットアップには一般に、R&S®FPL1003 スペクトラム・アナライザとR&S®SMBV100B ベクトル信号発生器を使用し、ソフトウェアツールとして、被試験デバイス(DUT)のSigfoxテストライブラリでDUTを制御できるツールを使用します。シーケンサーソフトウェアを追加すると、テストシーケンスを自動的に実行できます。

トランスミッター測定

スペクトラム測定を行うには、ソフトウェアツールを使用してSigfox DUTに周期的にトリガをかける必要があります。トリガをかけるときには、3つの各周波数でフレームを3回連続送信します。DUTは、トリガが送信されるたびに応答します。SigfoxライブラリでサポートされているDUTのテストモードを使用すると、さらに便利です。例えば、専用チャネルでテストフレームを周期的に送信することができます。

スペクトログラム(次ページのテストセットアップ図内)は、テスト結果を可視化したものです。情報を周波数ドメイン、タイムドメイン、パワードメインで示します。各フレームの送信周波数と送信パワーは、水平位置とマーカーの読み値から判断します。各ブロックの垂直位置は、送信されたSigfoxフレームの時間相関を示します。スペクトログラムの各色は、ホッピングフレームと各送信フレームの放射電力を示します。

Sigfoxデバイスは、地域の規制要件に従って、定義済みのスペクトラムマスク内で送信を行う必要があります。こうしたテストは、R&S®FPL1003 スペクトラム・アナライザにユーザー定義のリミットラインを設定することによって簡単に実行できます。

位相誤差と周波数誤差も、Sigfoxトランスミッターの重要なパラメータです。R&S®VSE ベクトル信号解析ソフトウェアは、Sigfox信号を復調し、位相誤差や搬送波周波数誤差などの関連パラメータを解析します。そのために標準的なPCでR&S®VSEソフトウェアを実行し、接続先のR&S®FPL1003から復調のためにI/Qデータを収集します。

レシーバー測定

Sigfoxは、デバイスとのダウンリンク通信のために2GFSK変調を使用します。一般に、デバイスとの通信が可能な時間は、ネットワークにメッセージを送信した後など、デバイスがレシーバーをオンにしているごく短い時間に限られます。

Sigfoxは、厳しいカバレージ要件を満たすために、デバイスのレシーバー感度を-126 dBm未満と定めています。R&S®SMBV100Bは、レシーバー感度を測定するために、内蔵のリアルタイムベースバンド生成機能を使用して、規定の出力パワー(例:-125 dBm)を持つ一定数のSigfoxテストメッセージを作成します。デバイスで実行されるテストプログラムは、パケット・エラー・レートを確認できます。デバイスがSigfoxの要件を満たすには、パワーレベル-126 dBmで、1,000フレームのうち少なくとも900フレーム(PER≦10 %)を受信できる必要があります。

まとめ

SigfoxなどのLPWANテクノロジーを使用するIoTデバイスが必要な認証に合格するには、RF性能が重要です。RF性能は、IoTソリューションの信頼性にも重大な影響を及ぼします。Sigfoxデバイスのデザイン段階で、RF性能の検証と最適化を行うことを強くお勧めします。ローデ・シュワルツの既製の信号発生器とシグナル・スペクトラム・アナライザを使用すれば、測定を簡単に行うことができます。これらのテスト機器は、主な無線通信規格をすべてサポートし、アップグレードにも対応しているため、投資対象として将来有望です。

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Sigfoxのスペクトラム測定のためのシンプルなテストセットアップ:R&S®SMBV100B ベクトル信号発生器、R&S®FPL1003 スペクトラム・アナライザ、R&S®VSE ベクトル信号解析ソフトウェアは、SigfoxテストライブラリをサポートするSigfoxデバイスでRFテストを実行するには最適な組み合わせです。

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